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変わり者の魔術師

グラン・ガーシェル担当事務所


「こんにちは〜」

新入り解析魔術師、楠木の気の抜けたような声が事務所に響いた。

グラン・ガーシェルは楠木をチラッと見て

「遅いじゃないか、早く来て欲しかったな。」

「仕方ないじゃないですかこれでも学校が終わって、急いで来たんですよ、セクハラ魔術師に女の人を任せっきりにする訳にいかないですから。」

「なら、早く来るんだな。」

「あの女の人、起きました、あとなにした人なんですか?」

「もうすぐ起きるだろう。あの女は魔術師殺しだ」


「あの人が?」

楠木が首をかしげて聞いた

「ああ、葉山という優秀な魔術研究夫婦がいてな、主に禁書の呪文を安全に低いコストで使用できるように研究し、多大な貢献をしてくれた。しかし、あの娘に両名とも殺されてしまった。」

「そんな・・・」

グラン・ガーシェルは資料を眺めながら言う

「魔術協会は身柄の拘束、および本部への移送を求めてきた。そして科学組織は彼女の標的ミスを伝え、彼女の安全な身柄の引き渡しを要求している」

「で、どうするんですか?」

楠木の問いにガーシェルは続ける

「3日後に本部の魔術師がこの事務所に来て、移送用の魔術で彼女を本部に引き取るらしい、その時に引き渡す。」

「あまり、気乗りする話しじゃありませんね。」

「お前は見習いだが、俺は仕事だ、組織のプライドというものもある。」


「見習いって言っても、全く戦闘でガーシェルさんは魔法を使いません、解析が得意な私に少しぐらい見せて学ばせてくれてもいいじゃないですか、それに昨日の戦闘だってファミレスで待機ですよ?ガーシェルさんのくれたお金全部使っちゃいましたよ。」

グラン・ガーシェルは楠木をにらんでいう。

「お前は、二千円あげたら、丁度使わなくてもいいだろう?」

「計算は得意なんで。」

「資金がないのに、食いいじ少女と、拘束者に飯代を使うとは。」

ガーシェルは嘆く

「知ってますよ、この事務所、ガーシェルさんが武器ばかり購入するから、お金無いんでしょ?」

グラン・ガーシェルは慌てて言う

「それはだな、俺のスタイルがだな。」

「言い訳はいいです、何がドイツ魔術師の名家ですか?魔術の一つや二つ見せてください。」


「あまり家のことには触れないでくれ、後魔術解析だけじゃなく、科学解析にも詳しくなってくれ、これからは魔術と科学の衝突が予想される。」

楠木は

「無理言わないで下さい、私はやれるだけのことはやってます。」

隣の部屋沙河利の声「つ……」

グラン・ガーシェル「起きたようだな、今日は栄養のある物を食べさせてやれ、だが、以降は本部に引き渡すまでは野菜とおかゆだ、拘束している者に元気を出されても困る。」

千花「わかりました。」

グラン・ガーシェル「情けはかけるなよ。」

そう言ってガーシェルは資料に目を落とした。

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