誰が未来に導くのか?
千理 正((せんり まさ))は帰りのバスの中で、指令の言葉を思い出しながらボーっとしていた。
「君には対魔術師抑制組織に属し、科学の力を行使し、魔術師に対抗してもらいたい。」
正はいぶかしげに答える。
「資料は読ませてもらいました、ですがいまだに魔術などがあることなど信じれません。」
「それは私も同じだ、だが科学では説明できない原理を使い、彼らは行動、それを実行している。」
「この機械はなんです?」
正の問いに指令は。
「君の遺伝子をサーチして起動する機械だ。遺伝子が複雑で読み取りにくいことが適正だ。」
正「……」
指令は話を続ける。
「これで君に魔術師達に対抗してもらいたい。指示と任務は私が指定する。」
「この銃はなんです?この丸い機械は?」
正はさらに問う。
指令は淡々と説明する
「この銃はビーム兵器だ、暗い所だとより一層威力が増す。明るい所でも、威力低下は気にしなくていい威力だ。そしてこの丸い機械は空間爆破装置、制御範囲は5メートル、10メートルが効果範囲、5メートルを超えると爆破規模、威力の制御が難しくなる、普段は5メートルでリミッターをかけてるから大丈夫だ。」
「この2つの武器の名前は何と呼べばいいのですか?」
指令は答える
「名前は教えられない、研究、機名、一切極秘だ。」
「そんなので、あなた達を信じることができるとでも?」
正がそういうと
「今まで、君を保護し、育ててきた。君がどうしてもと言うなら無理にとは言わん、保護も続けよう。しかし、今、この瞬間にも魔術師と我が組織は戦っている。力を貸してくれないか?」
「俺に何のメリットが?」
それに指令が答えた
「お前は、7年前事件に巻き込まれた・・・もう引き返せないのだよ。」
正は指令に言う
「7年前のことを知っているのですか?」
「知っている。だが今は話すことはできない。」
「いつもそうやって隠す。」
まさの言葉に指令が答える。
「君も隠している。」
「俺が?何を?」
「君はあの事件だけは否定する。」
指令の言葉に正は思う。あの事件はすべて妄想なのだと。
何も見ていないと。
「俺の妄想を聞いて何が楽しいんですか?」
「妄想ではない現に君はあの事件に関わっているのだから。」
「混乱していただけです、妄言は妄想と変わりありません。」
「そうか……」
指令はそういうと
「しかし、君はいつかあの事件の真実にたどり着くべきだ。」
「俺に知って何をしろと?」
「知らないでは済まされない・・・いつか真実にたどりついてほしい、君のためにも。君があの事件を繰り返さないためにも。」
正がいぶかしげな声をだす。
「繰り返す?」
「そうだ。」
正は悪夢を思い出しゆっくりと指令言った
「わかりました、引き受けましょう。しかし、全てが終わったら話してください。」
「いいだろう、追って指示は出す。」
指令の言葉に
「了解しました。」
正が出て行って静かになった部屋で指令が静かにつぶやいた。
「なぁ、君が導く未来は幸せな物かい?」