1/1
前置き
……俺の物語は、世間が見れば実に他愛ない
当たり前の日常生活であったとしよう。
それはきっと、特筆するに値しないもので、
ありきたりのことしか書いてないのだとしたら
そもそも、俺の存在価値はここにない……。
自虐的で滑稽なヤツだと言ってくれたら、
どれだけ嬉しいかなんて、あえて言わない。
自分が喜んでどうする?
少なからず、この物語に目を通すヤツも
もしかしたら、いるだろうに……。
まあ、所詮俺はこの物語のただの主人公で、
ただの学生で、ただの世間知らずのガキだ。
どこにでもいそうな……いや、
さすがにそんな事があってたまるかと思う、
理想主義よろしくご都合主義者だ。
……非凡でいて、奇妙で不気味な……
……ある意味汚らしいヤツ。
言うならば、『最悪で最凶で最低の人種』
……そんな俺の物語だ