第5話: いつまで続くんだろ
タキとは相変わらずで、タキもタキで相変わらずいろんな女とよろしくやって、あたしんとこにも来る、って、そんなことが続いていた。
でも・・・
あたしは、もう、結婚したいって思ってたし、このままどうなんのかな?って疑問も膨らんで来ていたんだ。
そんな頃、仕事でも若干21歳のあたしが、顧客を100件近く抱えるようになっていて、その一つの企業のご子息に会うようになって、その紳士的なところになんとなく魅かれていくようになっていったんだ。
タキの、率直な、本当に真っ直ぐなところとは間逆な、大人の対応をしてくれる彼。
あたしの5歳上の人だった。
それまでのあたしは、大人の男の人との付き合いをしたことがなかったし、何しろ本当は父親の愛情を受けて育っていないから、ファザコンの帰来があったのは否めなくて。 その人にどんどん魅かれていくのを、自分自身感じていた。
タキとのデートは、ファミレスか、居酒屋。 そのあと、タキんちに行くか、ラブホ。
でも、その人は、フレンチかイタ飯か、カレーならば、本格的なインドカレー、そんな感じだった。 新鮮だったんだ。
しかも、そうそう簡単に手を出さない。
そこがまた、あたしには嬉しかった。
その人と、暫くデートを重ねる毎に、どんどん魅かれて行ったのに、どこかにタキがいるんだ。 それがまた、悔しいっていうのか、虚しいっていうのか。
あるとき彼と会って、家に帰ろうとすると、あたしの駐車場にタキが車に乗って待っていることがあって、すんごく驚いたことがあった。
「何してんの?!」
「待ってたんだろ?」
「はぁ? なんのために? タキも彼女いんでしょ?」
「別れた」
「別れたって・・・ でも、あたし、今付き合ってるんだよ?」
「別れろよ。行こう」
ふざけないで!
そう言いたいのに、あたしはまたタキの車に乗ってた。
なんなんだろう?あたしは。
タキとは離れられないのかな。 そう、思った。