悪魔vs気弱純情刑事 3
「そんなはずないっス! 俺に悪魔召喚する度胸ないし!」
「だろうな・・・。 悪魔召喚した奴が、呼び出した悪魔に自分の母親が書いた童話の主人公の名前つけるとか、俺もあり得ないと思う。」
悪魔も同意した。
「だけど! 召喚の呪文を詠唱したのはお前だ! さぁ、おとなしく俺に願いを叶えてもらって魂よこせッ!」
「イヤっス~! 死にたくないっス~!」
俊平は横へ転がりその勢いで取調室のドアを蹴り開けた。
悪魔も続いて取調室から廊下に出る。
深夜で人はいなかった。
これ幸いと悪魔は二ィッと笑った。
その笑顔を見た俊平は泣きそうになった。
恐怖の鬼ごっこが始まった!
悪魔vs気弱純情刑事!
「さぁ、願いを言えッ! どんな願いも一つだけ叶えてやろうッ!」
「あんたは神龍っスかッ!」
飛びかかってきた悪魔をバックステップでかわす。
「三つにしてやらんこともないッ!」
「いい加減だなオイッ!」
再び飛びかかってきた悪魔を俊平はぶん投げる。
天井に衝突する悪魔。
しかし蛍光灯を足で挟み、ぶらりと手を放し宙吊りになる。
「わぁッ!」
「日本語で『フトッパラ』って言うんじゃないッ!? こう言うのはさぁッ!」