表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔の責任  作者: 判じ者
6/26

悪魔vs気弱(略)

 「……ずいぶんコミカルでファンシーな味だな?」


 「そ、そうっスか? 悪魔はどうなのか分からないっスけど、少なくても人間の血はそんな味っス。」


 首をかしげつつも、少しも怯えた様子がない青年。

 そんな青年に、悪魔は興味を持った。


 「そういや、お前名前なんて言うの?」


 「え、俊平っスけど」


 青年――俊平は明らかに悪魔の雰囲気が変わったことは気にも留めず、変わらずへタレ口調で答える。


 「しゅんぺい、か。俺は ――――・―――――――― だ」


 「え?」


 「あ、いっけね。人間には低級悪魔の名前が聞こえないんだっけ。」


 「低級?」


 「そう。俺、もとが人間だったから力があんまりねーんだよ。だから低級なのな? まぁ、このままじゃ呼びにくいから・・・・・・そうだな。俺のことはゴルゴとでも……」


 「じゃあピノって呼んでいいっスか!?」


 「へぇっ!?」


 思わず悪魔は奇声を発した。


 「どうっスか?」


 「な……」


 「?」


 「な、なんでピノなんだ??」


 「あぁ。俺の母親が童話作家で、主人公の名前がピノ = フィオッキっいう子供なんっス。」



 ――――――はぁ!?



 ――――――お、おかしい。おかしいぞ!?



 とても自分の願いを魂と引き換えにかなえようとしているようには見えない態度に、悪魔は今さらながら気がついた。



 ――――――なんだ? なんなんだ?!


 「と、ところで・・・・・・」


 「なんっスか?」


 「お前の願いはなんだ?」


 「へ? 無いっスけど?」


 「……………………え?」


 沈黙


 「……いやいや、呼び出したのお前だろ?」


 「え?」


 「ほ、ほら! 魔法陣だって!」


 足元の魔法陣が書かれた布を指差す。


 「え?」


 「………ぇ?」



 ――――――よ、呼び出したのは、先輩のはず。



 俊平は違和感を覚えた。


 「なのなぁ! 呼び出された俺には分かる。お前だ。お前が呼びだしたんだぁ!」





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ