マントくじら
洗濯物を畳む時の風はヒンヤリとして
蚊取り線香もいらなくなった
すっかり暮れている夜空
疲れた時は
空に大きく広げたバスタオルの上で
大の字になって ゴロンとしたい
今宵この時少しだけ
ふたりきりになるとシャイなあなたの
大胆さを待ってみたくなる
大きくバスタオルをはためかせ
空を泳がせながら畳んだわ
大きく大きく 広げて
はためかせ マントみたいに纏って
遥か遠く感じてたのは昨日のこと
優しいひとになれないなんてもう嘘みたいよ
あの言葉だけでも 羽ばたけるほど嬉しかったわ
夜空に浮ぶ白い雲が
クジラのかたちをしていた
その尾ビレがなんともクッキリとしていた
何処までも泳いで行けそうなほどの
そういえば くじら座が今の時期から空に昇るとある詩人さんの詩を読んで教えてもらった
あのクジラの雲はその遥かな繋がりの光にまで還るのかもしれないね
わたしはバスタオルをマントしてあのクジラ雲のようになりたくて大きく大きく手を振った




