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「第一話 大勇者の誕生」-7

カレン 十五歳

黒髪ロングの清楚な美人系少女。身長は178cm。

[最近あったこと]:白髪交じりだった髪の毛が黒髪だけになった。

オイキャス 十五歳

黒髪、黒目の主人公。

[最近あったこと]:婚約していた彼女から急にノーを突き付けられた。

シオノ

カレンの推し。

[最近あったこと]:カレンちゃんの様子がおかしい……笑。

 シオノに会い離別(りべつ)イベントを消化しても夢から()めることはなくカレンはしびれを切らし始めていた。今から四日近く歩く体験をするのはごめんだった。

 長老の家の前で二人が待っていたので合流し、シオノの家の隣、オイキャスの家へ向かう。荷物を確認するために来たたが家の中はカレンがいた家とは違い焚火(たきび)をできるような場所と寝具に本棚、机や、椅子が二つと多くの物が置いてあった。

 ふかふかではない三人掛(さんにんがけ)のソファがあり、その近くに荷物が置いてあった。

 荷物は相当大きくおそらく登山用(かばん)の二倍ほどの大きさはあった。

 カレンは鞄を持ち上げると案外軽いなという印象だった。

 (ふところ)にしまっておいた本を鞄に収納しておく。

 右手の中指をこすり違和感を覚える。

「重かったら声かけろよ」

 鞄を背負ってみたところオイキャスからの提案は不要そうだったので、

「大丈夫」と断った。

 その返答が当然と言わんばかりに、

「怪力女だから逆にオレの荷物を持ってほしいけどな!」

 笑いながら言い放つオイキャス。

 シオノのいる前で『怪力女』と言われるのは不服だったがそういわれる意味は自分が理解した。重そうな荷物が軽く感じた。

「カレンちゃん、無理しないでね?重かったら全然言ってくれていいからね?」

 キャーーーー!!!!!!!!

 私の推し優しすぎだろ……!!!!

 最高かよ……!!!!

 表情はお(しと)やかな笑顔を(よそお)っているが、心の中では完全に高ぶっていた。

「う、うん……。重かったらお願いするね……!」

「そういえば、カレンちゃん白い毛無くなったの?きれいな黒髪だね!」

「そ、そう?ありがとう……」

 顔は完全に乙女の顔だったと思う。

「イチャイチャするな」

 楽しい時間に終了を告げられる。

「はいはい、悪かったわねー」

「ごめん……、そんなつもりはなかったんだ、ごめんね」

「あー、あ。いや、そういうつもりで言ったわけじゃないんだ……。こっちこそ悪い」

 若干の静けさと気まずさが場を支配し三人はてきぱきと荷物の確認をすませオイキャスの家を出る。

「よし、いけるな?」

「大丈夫」

「私も~」

 カレンはもう少しこの村を堪能(たんのう)したかったが、そうはさせてくれなかった。名残(なごり)()しいがこの村を出ることにする。

 歩いていても、ものすごく重いはずの鞄だが上背のおかげかさほど重さは感じなかった。

 この村に来た時とは真反対の方角に向かった。先ほど別れた川が村のわきを縁取(ふちど)り自然の防波堤(ぼうはてい)として機能していた。その川に沿うように再び村を出る道が引かれていた。

 村と道の狭間には門があり門番もいた。

 そこに向かって歩いていると、稽古をしていた子どもたちから「がんばってねぇ~」と束になった声が聞こえた。三人で手を振りながらオイキャスは、

「ありがと~!行ってくる~!元気でな~!」

 大きい声で応えていた。オイキャスは愛されていたのだろうとカレンは思った。

 原作にはないイベントだ。

 この村には関わりはないがカレンもなぜか元気が出て誇らしく感じた。

 小さな女の子がカレンの元へ()()り、

「カレンおねぇちゃんまたあそんでね」

 涙を我慢しながら言う幼女に、カレンは嬉しいと同時に申し訳なさを感じた。遊んだ記憶は一切ない。

 カレンは少女の頭をなでながら、「うん」と(かえ)した。

 アラサーにこの手の仕込みはきつい。

 三人は村が完全に見えなくなるまで大きく手を振った。

読了ありがとうございます!

次回のお話も楽しみ待っていただけると嬉しいです

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誤字や脱字がありましたら指摘をしていただき次第、修正いたしますのでご助力いただけると幸いです

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