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「第一話 大勇者の誕生」‐3

カレン 十五歳

黒髪ロングの清楚な美人系少女。身長は178cm。

[最近あったこと]:白髪交じりだった髪の毛が黒髪だけになった。

オイキャス 十五歳

黒髪、黒目の主人公。

[最近あったこと]:婚約していた彼女から急にノーを突き付けられた。

シオノ

カレンの推し。

[最近あったこと]:カレンちゃんの様子がおかしい……笑。

 これほどまでの悪夢を今まで見たことがあるだろうかと憂鬱(ゆううつ)な気分になったカレン。

 推しが死んだという事件の次に最悪なことが起きている。

「今まで、好きだったみたいな言い方やめてくれる?」

「本当に急にどうしたんだよ……」

 オイキャスはカレンの態度にただただ困っている様子だった。

 カレンは彼のことをbot(ボット)にしてしまっていた。

「急にも何もないの」

「分かった。どこか体調悪いのか?」

「あなたの存在以外は何かストレスを感じるようなことは無い、いたってふつうの健康体よ」

「……ひどくない?」

「ひどくないわ」

「顔がまじなんだけど……」

 カレンは元からオイキャスというキャラが嫌いだったわけでは無い。

 オイキャスは戦々(せんせん)恐々(きょうきょう)となりながらカレンに一番気になっていたであろうことを聞く。

「じゃ、じゃあ結婚するって約束も嘘だったのか?」

「……は?」

 数秒ぶりの衝撃がカレンを襲う。鬼の形相(ぎょうそう)だ。

 くそな設定を通り越しもはや、つまらないとすら感じた。

「残念だけど私はそんな約束をした覚えはない」

 当然だ。カレンは本当に知らない。

 はっきりと言葉にされたオイキャスは明らかに狼狽(ろうばい)していた。まるで(たましい)が口から出ていくようだった。

 そんな彼をよそに無神経にカレンは質問をする。

「旅立つって?今から?」

 その言葉にオイキャスは何かを思い出したのか、急に大きな声で、

「そうだ!」

 急にうるさい声を出さないでよねと、手で耳を(ふさ)ぐカレン。

 飛んでいった魂は一応帰ってきたらしい。

「何よ?」

「ここで立ち話している暇じゃなかった!」

「なに?」

「とっとと村に行くぞ!シオノが待ちくたびれてる!」

「そうだね!すぐにシオノ君のところにいこう!」

 急に元気になったカレン。

 このくそみたいな設定の悪夢の中でオイキャスに会った時から見出(みいだ)していた可能性。

 シオノはこの天国にもいる!そう確信し今までのことはどうでもいいことになった。

 自然と笑みがこぼれ、浄化(じょうか)される気分だった。

「え?何急に?お前ってシオノとそこまで仲良くなかっただろ?」

「そうなの?」

 何をやっているんだこのくそ設定の悪夢は……。夢ならもっと自分の都合のいいような設定にしてほしかった。

 何をやっているのよ、と地獄に毒を吐く。

「とりま早く行こ!」

 会えればそれでいい、夢の中でも……。今まで夢に出てくるなんてことなかった。

 カレンは夢で人目会えるだけで満足であった。

 それに早くしないと夢から覚めるかもしれない。

 けれど……。

 カレンは、この後の展開をわかっている、とそう自分に言い聞かせる。絶望をしないように。

「……」

 急に無言になるオイキャス。

「どったの?」

「なにも……」

 とりまという言葉の意味が分からなかったのだろう。

「とにかくいくぞぉ」

 カレンは触りたくないオイキャスの背中を押す。シオノのために……♡

「あ、その前にちょっといい?」

 足を止め、声を掛ける。

「なんだ?」

「忘れ物」

「忘れ物?」

「うん」

「何を?」

「本」

「本?」

「あなたにはどうでもいい事よ」

「はぁ?」

「そういえば旅用の(かばん)ってどこ?」

「昨日のうちにオレの家に集めといただろ」

「そっか」

「早くしろよ」

「もちろん!」

 早くシオノ君に会いたいからね!

 カレンはアプローチを通りドアを開け本棚の前に立つ。

 本は七冊置いてあるが分類するなら二種類に分けられる。

 一つ目は印刷されたおそらく大衆品(たいしゅうひん)。この世界に書店があるのか分からないがそういう店があれば売っているであろう物だ。

 もう一つは手書きの日記のような物。四冊ある。

 夢だと思うようにしたため必要ないのかもしれないけど一応これを持っていけば何かにつながるかもしれない。

 本を(ふところ)に入れ再び家を出る。

読了ありがとうございます!

次回のお話も楽しみ待っていただけると嬉しいです

”X"(旧Twitter)にて設定や補足を公開予定ですのでぜひフォローの方をよろしくお願いします!


誤字や脱字がありましたら指摘をしていただき次第、修正いたしますのでご助力いただけると幸いです

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