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「第三話 未〇△☐め@×択1」-3

カレン 十五歳

黒髪ロングの清楚な美人系少女。身長は178cm。

[最近あったこと]:白髪交じりだった髪の毛が黒髪だけになった。

オイキャス 十五歳

黒髪、黒目の主人公。

[最近あったこと]:婚約していた彼女から急にノーを突き付けられた。

シオノ

カレンの推し。

[最近あったこと]:カレンちゃんの様子がおかしい……笑。

「……はい?今なんて言いました?」

 聞いたことのない単語が並べられカレンは何を言っているのか理解できなかった。

「君は魔法精霊消失事件の首謀者である」

「……なんですか?そのまほーせーれーしょーしつ事件って……?」

「……知らないのか?」

「はい……」

「そうか……。なら説明しよう」

 カレンは視線を感じ、それを捕えようとするがすぐに逃げられてしまった。

 長い話が始まるとカレンは冷め始めた紅茶をすする。


 うま。


「今から十五年前。世界では魔王軍と人間が積極的に戦争をしていた。人間には戦略を立てる者、魔法ができる者、指揮を執る者、それぞれが得意なことをこなすことで多くの戦況を有利に進めていた。しかしある日突然、人間側のほとんどの者が魔法を使えなくなった……。すると各地で戦況は一気にひっくり返り魔王軍はたちまち進軍。多くの人間や亜人は魔王軍によって殺された。なんとか耐え忍んだ人間側は数年後、再び魔法を使えるようになり今の均衡した状況が続いている」

「突然魔法が使えなくなったのは……」

「魔法精霊消失事件による弊害だ……」

「なるほど……」

「聞いたことは無かったか?」

 カレンは首を横にゆっくりと振る。

 話を自分の中で整理し気になったことを質問する。

「話を聞く限りだとモンスター側は魔法を使えたんですか?」

「そうだ」

「どうして?」

「人間とモンスターとでは魔法の発動方法は違ったんだ。我々人間は勘違いしていた、自分達で好き勝手に魔法を扱えるものだと過信をしていた……」

「魔法の発動方法が違う?」

「あぁ。私達もなぜ自分達だけが魔法を使うことができないのか初めは戸惑っていた。魔王軍側は通常通り使えているのに自分達だけ使えない状況に魔王側の工作を疑った。しかしそれ以前、魔法の発動に関わる根本が違ったんだ……。モンスターは何も介さずに魔法を発動できた。しかし我々人間は魔法を発動するためにはあるもの介さないと発動できないことが分かった」

「それが、魔法精霊……」

「そうだ。世界各地にいるあらゆる魔法精霊が急に消失した……、だから多くの人間が魔法を使うことができなくなり、それによって魔王率いる軍勢に多くの戦局で敗北を喫し大量の死人が出た……。これが魔法精霊消失事件の主な概要とそれに付随する戦争の話だ」


 そんなおっかない事があったの……。

 え?その首謀者が私!?

 相当な大罪人なんじゃ……。


「すまない。聞こえが悪かったな」

「い、いえ」

「結局我々が魔法精霊について知ったのは今から十年前、事件から五年後のことだ。それによって徐々に事件の実情を明らかになっていき魔法精霊が世界各地から消えていたことを突き止めた。ようやく我々が魔法精霊無しでは魔法を使うことができないことも判明した。しかしなぜ魔法精霊が突然消えたのか、その原因が結局分からずじまいで最終的には当初の結論の魔王側の工作ではという説が我々の中で多く認められていた……」

「けど、私が現れてその考えが変わった……」

「その通りだ。我々の研究は、まだまだ発展途上だ。私達人間は魔法のことについて知らなすぎる。君の体の中にある()()()()()についても我々はまだ研究中だ」

「私の中の特別なもの……」

「先ほど言ったがモンスターは人間と違い魔法を何も介さずに発動することができる。それは例の事件ではっきりとしたことだ」

「……」

「しかし人間にも本当にごくわずかだが事件の直後でも魔法を使える者がいた。その者達の体とモンスターの体の構造を調べると、胸のあたりに何かがいることが分かった。我々はそれを大精霊と呼ぶことにし、それを持つものは魔法精霊を介さずに魔法を発動できると分かった……」


 胸のあたり……。


「その大精霊が私の中にもいると……?」

「いかにも」

 ゆっくりとピエスは頷き話を続ける、

「ただ大精霊がどのようにして形成されるか何故人間にも宿るのかまだまだ研究が進んでいない。大精霊を宿している人間が少なすぎる」

「その研究を私でしたいと……?」

「その決定を皇帝がしてくれればよかったんだが……」

「私を大罪人として扱うことにした……」

「そうではない。確かに不当な扱いを受けただろうし、先ほど私が首謀者と紛らわしい言い方をしたあくまで君ではなく君の中にいる大精霊が首謀者という事だ。すまない、言葉選びを間違えてしまった」

「別に大丈夫です……」


 多くの人がなくなったのは悲しいことだし、お前が大量殺人の犯人だって言われたら心地よくないけど、全く自覚できない、関与してない事象だから他人の罪を擦り付けられている感じに近くて、何の感情もわかないかも……。


「今まで大精霊を宿したものを確認したのは我々が知る限り八例。その八例ともに魔法の規模も発動速度も桁違いでとても破壊的だった。我々が魔法を使えない間でも彼らのいた戦線は五分五分以上と個人の力としては圧倒的だった。そんな彼らの過去を調べると面白いことが分かった」

 カレンは今までの話から総合してその面白いことは一つの事しか考えつかなかった。

「……その彼らが生まれた時、周りでは魔法が一時的に使えなかった」

「その通りだ……。戦局を一人で五分五分に持っていけるほどの実力がある大精霊所持者ですら魔法が使用できなくなるのは僅か街一個分程度の規模でしかなかった。しかし君の中に宿る大精霊は世界丸ごとだ。したがって私達は君の大精霊を規格外であると見なした。そのため我が国の皇帝は君が魔王を討伐ひいては世界を滅亡へと導いてしまうと危惧し、心を折る作戦へ出た」

 話が一つ繋がった。

「魔王を討伐しないという国の方針をもとに私の存在が邪魔だった。それが理由で私達へ不当な扱いをした……」

「そういう事だ」

「けど、自分で言うのはあれですけどそ圧倒的な力に対してあの程度の対応でよかったんですか……?話の規模感が違う気がします」

「まぁ普通はそう思うだろうが君の態度に出ているように今は大精霊を使えないのではないのか?」

「……」

「むしろ君は存在自体を知りもしなかったように見えるが」


 当然知るわけないじゃん。

 私が生まれたのってつい先月だよ……。


「そもそも私の中にそれだけ危険な大精霊がいるといつ分かったんですか?」

「君は冒険者ギルドへ登録しただろ?」

「はい」

「その時に水晶に手をかざさなかったか?」

「しましたけど……。その時?」

「あの水晶は君にある情報をほとんど読み取ることができる……」

「本当ですか?あの水晶にかざしただけで私の中に大精霊がいてそれが休止していることが分かるんですか?」

「そうだ」

「大精霊が休止しているのに存在が分かるものなんですか?」

 どういう原理の物かカレンには分からなかった。

「普通なら分からないかもしれないが、あれだけの規模の事件を起こすほどの大精霊だと断定できるぐらいに君の中にいる大精霊は異常だった。確かにあの水晶非常に便利なものではあるが、君の大精霊は規格外だった」


 そんなものが私の中に……。


「話が逸れてしまったが、皇帝はいろいろな事を総合的に即座に判断して君達の心をへし折る作戦を採用した」

「何も、あの子達まであんな事にする必要はなかったんじゃ……」

「それは皇帝に聞いてくれ……。受付も大慌てだったそうだ……」

 バラバラだったピースが徐々につながり始めているが、

「なんとなく魔法精霊消失事件?については理解できました……。自分の置かれている状況についてもある程度把握できました。けど結局なんで私にここに来てほしいか分からないです……。ピエスさんの話を聞くと私はこの国からしたら邪魔な存在なんじゃないですか?皇帝は私を完全に壊すために動いていました。そしたらむしろ私なんかを生かすような選択は取ってはいけないと思うんですけど……」

「普通ならそう判断するだろうな……。しかし私は国の方針に疑問を抱いている……、確かに世界を崩壊させるような力は封印せざるを得ないだろうが、それでも魔王討伐を良しとしない国の考えには私は完全に反対だ……。弱腰すぎる」

「分からなくはないですけど……」

「そこで我々は慎重に協議、議論しとある決定を下した……」

「とある決定?」

 ピエスの口から話された言葉は衝撃的なものだった……。


「リベルパール領とマンケステル領で現皇帝を暗殺し皇帝選挙を起こすことにした……!」

読了ありがとうございます!

次回のお話も楽しみ待っていただけると嬉しいです

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