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「第三話 未〇△☐め@×択1」-2

カレン 十五歳

黒髪ロングの清楚な美人系少女。身長は178cm。

[最近あったこと]:白髪交じりだった髪の毛が黒髪だけになった。

オイキャス 十五歳

黒髪、黒目の主人公。

[最近あったこと]:婚約していた彼女から急にノーを突き付けられた。

シオノ

カレンの推し。

[最近あったこと]:カレンちゃんの様子がおかしい……笑。

 ピエスは革製のソファに手のひらを指し、ここに座れと合図する。

「話を聞いても納得できなかったら、今からでも返してもらいますからね……」

 カレンはもう振り回されまいと(わず)かながらに抵抗の意志を見せるがピエスは動じず、

「よかろう」と返した。

 カレンは案内された茶色のソファに腰かけローテーブルをはさみピエスと相対(あいたい)する。

 ピエスはメイドに何か耳打ちをする。

 うさ耳メイドは(うなず)き部屋の奥にあった扉を開きさらに奥に吸い込まれていく。

 ペローはピエスの後ろで休めの状態でめを閉じ立っている。

「まずは長旅ご苦労であった。トラブルがあったようだが概ね計画通りの日程で進んだようでよかった」

 先ほどまで謝っていたピエスの姿はなく、今から重要な話をする首長の真剣な顔に変わっていた。

 ケーニッヒとは違う威圧感があるとカレンは思った。

「私は乗っていただけなので……」

「急なことで混乱をしていただろう」

「いえ……」

「あぁそうだ」ピエスは何かを思い出したようにわざとらしく言い、続けて、

「君は今後私に敬語を使わなくていい」とカレンに言った。

 ペローの眉が一瞬動くが何も発言しなかった。

「そういうわけには……」

「慣れなければ敬語でいいがどうせ話していくうちに煩わしく思うだろうから最初に言っておこうと思ってな」

「そうですか……」

「私が信頼できぬか?」

「そういうわけでは無いですけど……」

 獣人メイドが湯気の立つカップを載せたトレイを持ちながら奥の扉から出てきた。

 そのカップをピエスとカレンの前に置く。

 紅茶だ。

「自由に飲みたまえ、お代わりが欲しかったらそこのオレヤに申し付けろ」

「分かりました」

 カレンはカップに口をつけ一口すする。


 美味しい……。


「さて、まず私からいくつか質問をしてもいいか?」


 はいはい、このパターンね。


「どうぞ」

()()が冒険者になったのはいつ頃だ?」

「えーと、三十日前とかですかね……?」

「うむ、そうだな。では質問を続けさせてもらう。冒険者になる前、夜に外を出歩いたことはあるか?」

「多少は……」

「そうか。次の質問だ、こちらに来るまでに不思議に思ったことは無かったか?」

「移動中ですか?」

「そうだ……」

「うーん?」

 カレンは考えているとペローは少し驚いた表情をする。


 何かそんなに違和感を覚えることはあったっけ?

 別に()()なかった気がするけど……。

 ……。

 あ~!そういう事?


 しばらく考えた様子のカレンは何かが合致したのか質問に回答する。

「モンスターに遭遇しなかった気がします……」

「ふむ、それは良いことだな」

「それだけですか……?」

「今ので十分だ」


 何のために質問したんだ?


「では次の質問だ冒険者はなぜいると思う?」


 急に概念的な話になった……。


 カレンは再び考え、

「……便利屋ですかね?」

「それもあるだろうが……」


「あとは……強力なモンスターを倒すため?」


 ピエスは納得した様子で頷き、

「……私も同じように答えるだろう、だがあえて反論をしよう、それは軍隊がやればいいものではないか?」

「確かに、そうですね……」

「ではなぜ冒険者はいる?」

「……極論を言うなら魔王を倒すためですかね?」

 ほんの少しにやついたピエス。カレンは話を続ける。

「一般の人に危害を加えるものを軍隊が倒す。間違いを恐れずに言うならば国防をするのが軍隊、積極的にモンスターを倒しにいくのが冒険者というイメージでしょうか?」

「私も全く同意見だ。守りの軍隊、攻めの冒険者。対モンスターはそういう認識なのは私も同じだ。しかし不思議に思わなかったか?」

「なにがです?」

「君も小耳に挟んだのではないか?冒険者が最近人員不足と……」

「聞きました……」

「にも関わらずだ、君達がここへ来るまでにモンスターの襲撃はなかった……」

「……確かに不思議ですね。普通冒険者が減ればモンスターは活発になるはずです……」

「そうだ。しかし実態は君達が体験したように夜であってもモンスターに襲われる事が減っている。逆転現象が起きているこの状況君ならどう分析する?」

 カレンはしばらく考えるが、

「……分からないです」

 カレンには当然分かる訳がなかった。現在起きている事にどのような背景があるのか知らないのだから……。

「実はこの前、とある国と魔王との間で密約が交わされた、という情報が入った……」

「密約が手に入るのはどうなんですか……」

「それについてはとりあえずスルーしてくれ……」

「すみません。それでどのような内容だったんですか?」

 ピエスは「ふぅー」と息をはき、今から言う事の重大さを強調する。


「今後百年、その国と魔王軍との間で戦争を起こさない、互いに攻め込まないと……」


「え!?」


 カレンはローソファーから立ち上がる。

 ピエスは深刻そうな表情で話を続ける。

「私も初めて聞かされた時驚いた……。何をやっているのだと……。君も知っての通り冒険者ギルドはこの世界のすべての国で管理している、にもかかわらず一国のみがそのような締結をしては混乱が生まれるだけだ……」

 カレンはピエスの話を聞きながら静かに腰を下ろす。

「おっしゃる通りだと思います……」

 先ほどの話と繋げるようにピエスは、

「我々はその密約が要因でモンスターの生成速度が格段に下がったことと推察している……」

「で、でもピエスさん、ちょっと話がかみ合わないものが……」

「王都の件だろ……」

「王都の件?」

 ここで初めてピローが話を遮った。

「そうか、お前のところにはまだ話がいっていなかったか」

「どういった話なんですか?」

「王都周辺にモンスターが増えているという情報がある」

「確かにそれは今までの話と矛盾してますね……」

「あぁ、現在調査中だが、他にも問題があちこちにあってな……」

「……チェリーもこの一件に?」

「それについてはまだ分かっていない。本当に一気に事案が起こりすぎてこちらも手いっぱいでな……」

「チェリーというのはいったい?」

 ピローが再び質問をする。

「無差別に冒険者を狩っている人物です……」

「チェリーに関しては、目撃情報が不確かすぎるからあまり積極的に動けていないんだ」

「そうだったんですね……。もしかして冒険者が足りないのって……」

「チェリーもその肩を持っているが、()()国が関わっているのも違いないだろう。被害の規模からみて一人で行えるものではないからな……」

 一度に色々なことが起こり参っているといった表情のピエス。

「我々としてはこれだけあらゆる混乱が起きているのは確実に隣の国と魔王との間で交わされた密約が原因であるとしている。これに対して何かいい解決策があればよかったのだが……」

 今からさらに不穏なことを話そうとしているピエス。

「しかしその決定に対し我が国ではありえない方針を立ててしまった……」

「ありえない方針……?」

 カレンは再び紅茶をすする。


「我が国では、魔王を討伐しない方向で調整するように決まった……」


「それは本当ですか……!?」

 カレンは唾をのむ。

「あぁ……、私は反対したがな……。詳しい条約の情報はまだ判明していないが、我々の見解では十中八九魔王側から締結国側に対して魔王討伐に際して何らかの要求が条約に盛り込まれているとみている」

「だから、その魔王と締結した国と戦争を起こさないようにこの帝国でも魔王を討伐しない方針を打ち出したと……?」

「あぁまだ完全に決まったことではないが概ねその方針は固まっている……」


 確かに理にはかなっているけど……。

 魔王を倒さないという決定を国単位で決定していい事なの……?

 分からない。

 私のバイアスがいけないのかもしれない……。

 まぁ最初の決定は隣の国か……。

 隣の国の条約がこれだけ混乱生み出しているとなると、密約ではなくわざと情報を洩らしている……?


「なるほど……?でもこの話に私は何も関係ないと思うのですが……。確かにそのような緊張状態であるのはうかがえますが……」

「残念ながら関係なくない。君が現れて確かに危惧することが増えた」

「……?」

「我が国の決定に、君という存在は悩みの種だ……」


 どういうこと?


「私がですか……?」


「あぁ……。君、すなわち『魔法(まほう)精霊(せいれい)消失事件(しょうしつじけん)』の首謀者が冒険者ギルドに現れた……」

読了ありがとうございます!

次回のお話も楽しみ待っていただけると嬉しいです

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