「第二話 忌み子、呪いは輪廻する」-11
今回長めです。
ようやく二話を書き終えることができました。
次の第三話でこのようなかたちは終わりになります。
読みにくく申し訳ありませんでした。
カレン 十五歳
黒髪ロングの清楚な美人系少女。身長は178cm。
[最近あったこと]:白髪交じりだった髪の毛が黒髪だけになった。
オイキャス 十五歳
黒髪、黒目の主人公。
[最近あったこと]:婚約していた彼女から急にノーを突き付けられた。
シオノ
カレンの推し。
[最近あったこと]:カレンちゃんの様子がおかしい……笑。
「起きられましたか?」
カレンは首を縦に振る。
「すみません昨日は取り乱してしまい。それと誘拐のことも」
正面に座る青年は頭を下げる。
この人まじめすぎるなぁー。
「もう過ぎた事ですし、昨日についても私も混乱していたので話にならなかったと思うので両成敗という事にしましょう……」
「御心使い感謝します」
青年は再び深々と頭を下げる。
「……それで、私はどこに連れていかれているのですか?」
「国の最東に位置します我が領土リベルパールです」
これまた聞いたことのない……。
「どんなところなんですか?」
「海に面する港を持ちどの境にも国境を持たない領土です。そして労働者が多いことで有名です」
「そんなところに私のような浮浪者がなぜ?」
「我々に協力してほしく……」
「何にですか……?」
「ここではまだ話せません。私には話す権利がないので……」
「……」
そしたら手紙にはなんて書いてたんだ?
仮に内容を書いてなくてそれで、はいそうです、って何かに了承できるわけないでしょ。
まさかただ、夜に冒険者ギルドの前に出てきてほしい、としか書いてなかったんじゃないでしょうね……。
もう今更考えても意味ないか……。
カレンは不機嫌そうにしたことで青年が、
「申し訳ありません、詳しく説明すると言っておきながら……」
「いいですよ……」
「……怒ってます?」
「……どちらでもないです」
カレンは窓のない壁を退屈そうに見つめる。
「私ってモテモテなのね……」
「やはり、ケーニッヒ辺境伯ともそういった話を?」
「知らないんですか?」
「一応耳に挟んではいますが、ご本人からは私は聞いていないので、あくまで諜報部隊の人間からしか……」
「部下?を信頼してないんですか?」
「そういったわけでは……、しかし自分で見聞きした情報は確たるものなので」
「じゃあ、ここで私がそういう話はない、って言ったらどうします?」
「精査します……」
「そうですか……、私も別に嘘つくつもりはありませんですし……。少し意地悪な聞き方をしてごめんなさい」
「いえ……」
「確かにケーニッヒから、勧誘はありましたよ」
「そうですよね……。どうするおつもりでした?」
「ほとんど決めていたんですけどね。けど未だに迷っています」
「なぜ迷っているのですか?」
「今日の朝に来客が来る予定だったんですよ」
「どちら様ですか?」
「誰かは知らないんですけど、まぁ多分不思議な人だとは思いますよ」
「その誰かも分からない来客とケーニッヒ辺境伯からのお誘いはどういう関係が?」
「その来客の話を聞いてから決めようと思ったんです」
「何故です?」
「分かりません。けどそのモノが私の道を示してくれるのではと直感で思ったので」
「そうですか。ちなみにどうするのが大枠の予定でした?」
「気になります?」
「返答次第では我が領土との間に亀裂が入ってもおかしくありませんから……」
「そもそも行為自体にケーニッヒは問題行為と思うでしょうけどね」
「それはお互い様ですけど、重々承知しています」
「何がお互い様なの?」
「……お話しできません」
「……そうですか」
「すみません……」
「もう大丈夫ですから。それに安心してください、確かに興味は湧いてましたけど、最愛の人と近くにいれないのはつらいものだと改めて実感しましたから」
「ということはケーニッヒ辺境伯のお誘いはおおむね断る予定だったと?」
「そうです。けど結局その最愛の人とははぐれてしまったけど」
「本当に申し訳ありません……」
「めんどくさい絡みしてすみません。愚痴を少しだけ言わせてほしくて」
「いえ、我々に否があるのでその程度のことは何とも」
しばらくの沈黙が流れる。
「それで、そのリベルパールにはどのぐらいかかるんですか?」
「今からこのペースですと、あと十日から十三日を予定しています。補給や休憩の場所もございますのでご安心を」
「結構遠いですね」
「最西領土から最東領土までですから、それにこうやって森の中を強引に行くので速度もあまり出せないですから」
青年の言うようにカレン達を乗せた車両は自転車と同じぐらいのペースで安全に森の間を走っていた。
「何かありましたら、いつでも申し入れてください」
「えぇ……」
あー、どこかで見た事あるかと思ったら、この人あれだ、ケーニッヒの側近と一緒に残ってた軍隊の青年だ。
カレンが誘拐され四日目。長時間座っている体は血が固まりむくみや肩こりなどが多くなったがそれでも歩いているよりはマシだった。
何時間かに一度の休憩で体を伸ばしたりしていた。
カレンはいくつか青年──ペローに質問をしても「私には答える権利はありません」と突っぱねられた。
もはや彼らの常とう句として受け入れていた。
そのためほとんど会話はせずにいた。
あ、そういえば。
カレンはふと、気になっていた事と気付いた事が繋がり質問をしてみる。
「ねぇ」
「なんですか?」
「ペローははどうして私より早くここに乗っていたんですか?」
「どういう事でしょう?」
「あなたはケーニッヒの軍隊にいましたよね?」
「覚えていましたか……」
「一瞬忘れていたけど。私を説得もとい誘拐するまでの時間、ケーニッヒを足止めするためには公式に接触できるあなたが最初に何かして時間を稼いがないといけないと思うの」
「なるほど……」
「特に私が村を出るまではケーニッヒに外に出られると困るから。そうすると出発は必ずあなたの方が遅くなる」
「だから、私が先にここに乗っていたことに疑問を持ったというわけですね?」
「そう」
「ではどうしましょう……。何から話すべきか……。我々の軍隊が使っていた動物について覚えていますか?」
「えぇ、最初はオダナグラベルかと思っていたけど少し違っていたから、覚えています」
「そうです、あの動物はオダナグアラタブと言って、軍隊専用に特化したオダナグラベルを改良した動物になります」
「そうなんだ」
「はい、詳しい話を聞きますか?」
「聞いておきましょう」
「では……
だからですねカレン様より早く私の方が先に着けたというわけです……」
「そういう事だったの、ためになりました」
「よかったです」
ふとカレンは自分でも思ってないことを口にしてしまう。
「そういえばあっちはどうなっているんだろ?」
なんで私勝手に口走ったんだ……。
「気になります?」
「……それはね、仲間を置いてきているから」
「そうですよね失礼しましたカレン様」
もう話さないことには慣れたけど唯一この様呼びだけはやめてほしい。
ここ数日で聞けた話は少ないけど対応とか話した感じ誘拐して私を脅したいというより、協力をしてほしかったというのに嘘は感じられなかった。
常々思うけどなんで私なのかはさっぱり分からないけど……。
「しかし、まだ情報が入っていないという事はもしかしたらトラブルがあったかもしれませんね」
事故は到着寸前のところで起こった。
「ドスン」という低い音とともに車体が傾いた。
外に出て状況を確認するとどうやら脱輪したようだった。
「すみません……不甲斐ないです」
申し訳ないと謝るペロー。カレンはこの姿をもう何度も見た。
「仕様がない、事故はどれだけ技術が進んでもあり得るのだから」
「そうですね……」
「ペローは直せないの?」
「私はそのような知識を持っていないです。すみません」
「別に怒っているわけでは無いの……」
「御者の者も運転はうまいのですがこういう技術を持っていなくてですね……」
「そっか、まぁ仕方ないよね……」
「なるべく駆け足で来てしまったのが原因でしょう……」
「そうね」
カレン達は三日前にすでにリベルパール領地内に入っていた。
移動は順調にいっていたがカレンが誘拐されて六日目に連絡が入った、「ペローの出身地が割れ、目的地がリベルパール領という事があぶり出されてしまった」というものだった。
そのため駆け足で領地を目指したことでオダナグラベルの体力の消費が激しく補助班は領地が入ってから一度休憩することにした。ついでにカレンの荷物もそちらに置いてきてしまった。
そのためアクシデントに対応する補助班が近くにいない。
「補助班が来るまで時間がかかるかもしれません、どうします?」
「でしょうね……。ここから歩いていけない距離ではないんでしょ?」
「そうですね、あともうすぐで都市に着くと思います」
「じゃあ歩いていきましょう」
「左様ですか?」
「えぇ」
「せめてオダナグラベルに乗っても……」
「私は乗ることはできないし、少しぐらいはこの地の事を知っておきたいの……」
「分かりました、では歩きましょう」
カレンとペローは歩く。
御者とオダナグラベルは待機して補助班を待つことにするそうだ。
しばらく歩いていると、クリーム色の石造りの立派な建物が一つポツンと建っていた。
「これは?」
カレンはペローに尋ねる。
「教会ですね」
「あ、確かに言われてみれば」
とんがり屋根の下には立派な鐘が付けられていた。
カレンは立ち止まり教会を見ていると子ども達がはしゃぎながら建物から出てきた。
少女らは楽しそうに外で動き回っている。
すぐに紫髪の大人の女性が建物から顔を出し温かい表情で子ども達を見守る。
しばらくその様子を眺めていたカレンは違和感を覚える。
皆、髪色が紫だ……。
この世界の人間は髪色が特殊な者が多いが紫色の人は見たことは無くましてや教会から出てきたすべての人間の髪色が紫である事にカレンは不思議に思った。
楽しそうにしていた少女らは次第に飽きてきたのか建物の中に入っていったが、一人の女の子が外に出てきたとたんに皆がその女の子の周りに集まった。
その女の子は手を前に突き出して何かを口にする。
突如、
女の子の手から水の塊が出てきて少し飛んで地面に落ちた。
少女らは楽しそうに、そして羨望の眼差しで女の子を見つめていた、「もう一回やって」の声がかかるが水を出した女の子は疲れた様子で教会の中に入っていった。
カレンは一瞬何が起きたのか分からなかった。
起きた事象は分かった、しかしどういう原理で起きたのか分からなかったが、次第に理解していく。
あれは魔法だった。
「あれが、魔法……」
カレンはこの世界に来て初めて魔法を目にした。
あっけにとられていた。初めて魔法を目の前にしてようやく自分が異世界に来たのだと改めて自覚をした。
やっぱり私は異世界に来てしまったんだ……。
カレンが立ちつくしていると、歩いてきた道とは逆、つまり今から向かう方の道から一人の、とてつもなく美人な女性が赤子を抱きかかえながら教会に入っていく姿を見た。カレンが見とれるぐらいえらく美人だった。
カレンは母親と思われる美人の女性が教会へ入っていくことも気になったがそれよりも女性に髪が生えてなくそして何よりとても悲しい表情をしていることが気がかりだった。
カレンは女性が何者であるか考えていると、
「痛ッ」
突如、右手の中指に痛みを感じた……。
なんで……?
熱い……!熱い……!
痛い……!
するとカレンの視界に霧のようなものが出てくる。
今度は何!?
彼女の目の前にゲームの説明テロップが出るよう……。
今!?
『第二話 忌み子、呪いは輪廻する』終
『残り三話での打ち切り確率20%』
「……なんで?」
読了ありがとうございます!
次回のお話も楽しみ待っていただけると嬉しいです
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