「第二話 忌み子、呪いは輪廻する」-10
カレン 十五歳
黒髪ロングの清楚な美人系少女。身長は178cm。
[最近あったこと]:白髪交じりだった髪の毛が黒髪だけになった。
オイキャス 十五歳
黒髪、黒目の主人公。
[最近あったこと]:婚約していた彼女から急にノーを突き付けられた。
シオノ
カレンの推し。
[最近あったこと]:カレンちゃんの様子がおかしい……笑。
高速で長い時間走り続ける乗り物に乗せられたカレンはそろそろ酔いそうだった。
夜は黒に染まりわずかな星々が道を照らす。
右手の中指に着けている指輪のサイズが不気味なほどちょうどはまり、気味が悪かった。
一度止まってからカレンの体感でさらに二時間程で二度目の減速をし止まる。
扉が開かれた。
「長い間すみません。今出しますね……」
誘拐にしてはずいぶん丁寧な扱いで、体を支えられ、外に出る。
どのくらいの距離を走ったか分からなかく、周囲は当然見慣れない景色だった。
どこか分からないけど、どこも同じようにしか見えないのよね森だと。
今までは一応車が走るための道を使っていたようだが、男に手引きされどんどんと森の中に入っていく。
手錠もされ暗く足場が悪いところを歩かされる。
警戒をした方がいいんだろうけど、どうせ今は何もできないからなるようになれ、ね。
しばらく歩いて周りから隠すように生えられた木々の中にオダナグラベルを四匹連れる車両があった。
外装は暗くてよく見えなかった。
「これに乗ってもらえますか?」
「……わかりましたけど」
「疑問に思っていることは今からゆっくりと移動中にお話しいたします……」
「そうですか……」
手錠はまだ外せないと言われたが、どうせここで外されたところでどこかに逃げることはできないから意味がないとカレンは思う。
現代の車のように側面に扉があり、それを開けると明かりが中を照らしている。中には一人の青年がいた。
その青年に手を引かれステップを使ってキャビンに乗り込む。
内装ははまるで中世の貴族が使うように施され綺麗だった。
見ただけでもわかるほどふかふかな青いソファがスペースの多くを使っていた。
広いスペースではなかったが二人が乗る分には十分だった。
カレンは進行方向が前になる方に座る。
この車両にも窓はなくやはり外からは見えないようになっていた。
「大丈夫ですか……?」
正面に乗っていた青年に話しかけられた。
「だ、大丈夫です……」
見覚えのある青年だったがカレンは思い出すことができなかった。
青年が体をねじり、御者席との間ある小窓を開け、御者に「走れ」と命令をする。
命令通りにゆっくりと走り出した。さっきまで乗せられていたものとは違いとても快適だった。
ただ今度は道ではなく強引に森の間を縫うように進んでいるようで体で感じ取れるほどの障害物を踏むことが多かった。
しばらくして正面の男が、
「さて、まずは我々へのご協力感謝いたします」
「あの……、なんの話ですか……?」
「ご冗談を」
青年はハハハと笑いながら、
「あのお手紙を読まれましたでしょ?」
「あのお手紙……?」
「ほら、ギルドから渡されませんでした……?」
それか……。
「渡されはしましたけど、まだ中身を読んでいません……」
というより読めません……。
「う、嘘でしょう……?」
先ほどまでのさわやかな笑顔は消え、一瞬で焦った表情に変わった。
「嘘じゃない、です……。ただ外に出たら連れ去られたんですよ……」
ほんとに誘拐された気分だった。
いや、普通に誘拐されてるよね。
「では、我々と合意したからあの場にいたわけでは無いという事ですか……?」
「そうですけど……」
結構強引だったよ。
確かに明かりが少ないから用事がなければ夜の時間、外に出ることはないかもしれないけど、でも冒険者ギルドの前に来たから何かに合意しましたって、都合いい解釈過ぎない?
ギルドの前なんて目的がなくても出ることあるでしょ。
「はぁ、なんという事だ……」
なんでこんなことが起こってしまったのかと、下を向き、首を横にゆっくりと振る。
「本当に申し訳ない」
仲間の失態を詫びるように頭を下げる。
「まぁ、もういいですよ……諦めたので」
「そ、そうですか……本当に申し訳ない……」
「だから…、いいですって……」
「今から引き返します?」
「聞き方が卑怯……。もういい。言ったでしょ、諦めてるって……」
「す、すみません」
重い沈黙が支配する。
カレンも未だになぜ自分が連れていかれているか分からなかったが、目の前にいる青年もまたなぜこうなったのか分かっていなかった。
説明をすると言われたがもはや会話は進むわけがなく、カレンは何かを聞く事を諦めていた。
とりあえず何でもいいから早く手錠を外して……。
うとうととしていたらいつの間にか眠ってしまった。
何かにぶつかるとさすがに揺らされたが、ふかふかのソファは寝るのには十分の品質だった。
カレンはもう受け入れることしかできなかった。
ずっとそうだった、カレンには環境を変えるほどの理不尽な力はなかった。
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