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「第二話 忌み子、呪いは輪廻する」-1

カレン 十五歳

黒髪ロングの清楚な美人系少女。身長は178cm。

[最近あったこと]:白髪交じりだった髪の毛が黒髪だけになった。

オイキャス 十五歳

黒髪、黒目の主人公。

[最近あったこと]:婚約していた彼女から急にノーを突き付けられた。

シオノ

カレンの推し。

[最近あったこと]:カレンちゃんの様子がおかしい……笑。

『第二話 ()()(のろ)いは輪廻(りんね)する』

「は?」

 困惑した表情で立つ、綺麗な鼻筋で顔の小さい少女──カレン。

「おぉぉぉぉい!火事だぞぉぉぉぉ!!!!早く逃げろぉぉぉぉ!!!!」

 カレンは今の状況を現実として受け入れてはなく、この場に立っているという事が理解できなかった。

 燃え広がる火が見えても未だ逃げようとは考ええることができない。


 は?どういう状況?

 いや、待って?……なんで?なんでオイキャスとシオノ君が実在してるんだ?

 そしてそれをなぜ当然かのように受け入れていたんだ?

 そういえば初めて目にしたときめっちゃ興奮(こうふん)してたな……。

 じゃなくて!

 本当にどういう状況なんだ?

 これって、もしかして……、転生してる?

 い、いやないって……、ないない!……ないよね?

 てか転生って普通さ、トラックにはねられたりしてするものじゃないの?

 違う?私ただ寝不足で寝ちゃっただけなんだけど?

 そうだ!寝てからここに来たから夢だ!きっとそうだ!だってトラックにはねられずに転生なんてしないよ!

 ……きっとそう。

 けど、何回も寝たし、何日も過ごしてる。しっかりと感覚もある。

 ……てか?なんか熱くない?

 臭くない?


 すんすんと鼻で呼吸すると焦げくささと熱さが鼻を通り頭に入ってくる。

「え?」

 眼前には木々が真っ赤に踊るように燃えている。

 ようやく現実に引き戻されたカレンは火事が起きているという事実を初めて認識した。

「え?まって?大火事じゃん……」

 ようやく逃げなければ命にかかわるという考えが脳裏を(よぎ)る。

「こんなところで立ってないで早く逃げなきゃ……!」

 燃え広がる視界と焦げ臭いにおいと肌を焦がすような熱さがアラートを鳴らしている。

 服で鼻と口を(おお)い木灰や煙が入らないようにする。

 すぐに逃げようとするが脳に黒髪黒目のくっきり眉毛の少年──オイキャスが崩れている映像が頭をかすめる。その事を思い出しカレンは首を振ると座り込んでいるオイキャスを確認する。


 助けなきゃ……!


「オイキャス!何してるの!」

 大きい声で名前を呼ぶが返事はなく廃人のようだった。

「もう……!何してるの……」

 カレンは服の一部をちぎりオイキャスの口にあて、背中に乗せ大量の汗をかきながら燃える中を抜け出す。

 がむしゃらに熱い火の中を駆け抜ける。

 火が届かない所でも熱さで()けそうになるがとにかく足を動かす。

 燃えている木々が「ミシミシ」と音を立てながら倒れているが無視してとにかく走る。

 うまく道を見つけながらあと少しで燃え広がる木から脱出できそうだったが、


 今日はとことんついていない。


「おい?何逃げようとしてるんだ?」

 前に立ち、逃げ道を(さえぎ)るのはクマのような大男──ザクルだ。

 カレンは先ほどまでと違い思考がクリアになっていた。

「そこをどいて!」

 カレンはザクルを横切ろうとするが行く手を(はば)まれる。

「邪魔よ!」

「うるせぇ……!ようやくお前らを処分できるチャンスなんだ……」

「なぜそんなに私達にこだわるの?」

「それはな……」

 話し始めたザクルの不意を突き、あごにストレートを入れるが、それをぎりぎりのところで(かわ)されてしまう。

「おいおい、不意打ちかよ……」

「余裕はないの……」

 カレンはオイキャスを下ろし今から決闘が始まろうとしていた。

 二人は足を軽く動かしながらお互いの出方を(うかが)う。


 仕掛けたのはカレン。


 一気に間合いを詰め、右ストレートを出す。思った以上の速度だったのかザクルは躱すことができず、両手でガードをする。


 ガードしたてうでにダメージを受け、ひざをついてしまう。


「い、いてぇ……」

 かたで呼吸するザクル。

 カレンは余裕をもって(かかと)落としをした。

 ザクルは意識を失うように倒れた。

「はぁはぁはぁ」


 意外とあっけなかったな……。


 カレンはザクルを火が届かないであろう場所に運んだ。

 オイキャスを再び背中に乗せる。オイキャスは気を失っていた。

「あれ?そういえばシオノ君は……?」


 なんで私は推しの事を忘れていたんだ……。

 全く何やってんの!

 周りには、誰もいないか……。

 めちゃくちゃ気になるけど、さすがに今はシオノ君の心配よりも自分の身が優先だ。


 安全であろう道をとにかく走った。

 そして烈火(れっか)の中からようやく免れることができた。

「はぁはぁはぁ」

 オイキャスをゆっくりと下ろし、膝に手をつく。


 なんとか耐えたぁ。


 燃え広がっていく火は誰にも止めることができずただ見守ることしかできなかった。

 住民の多くも家から飛び出しその状況を見守るしかない状況だった。


 しかし、突如雨が降り始める。大雨だ。


 その大雨は一瞬で猛火(もうか)を消した。

読了ありがとうございます!

次回のお話も楽しみ待っていただけると嬉しいです

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誤字や脱字がありましたら指摘をしていただき次第、修正いたしますのでご助力いただけると幸いです

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