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「第一話 大勇者の誕生」-17

カレン 十五歳

黒髪ロングの清楚な美人系少女。身長は178cm。

[最近あったこと]:白髪交じりだった髪の毛が黒髪だけになった。

オイキャス 十五歳

黒髪、黒目の主人公。

[最近あったこと]:婚約していた彼女から急にノーを突き付けられた。

シオノ

カレンの推し。

[最近あったこと]:カレンちゃんの様子がおかしい……笑。

 事件は一週間過ぎた時に起きた。

 不満が溜まっていたカレン達は不平を言うために採掘ギルドの代表──ザクルのもとに訪れていた。

「代表。ちょっといいか?」

 怒気(どき)を含んだ声で話しかけるオイキャス。

「あぁ?」

 急に声を掛けられたザクルは睨みつけるように声の主を見た。

「オレ達さすがに長くないか?」

「なんのことだ?」

 脈絡(みゃくらく)のなかったオイキャスの主張に興味がないように自分のやっていた作業を続けるザクル。

(とぼ)けるな……!」

 冷静でないオイキャスを手で制止し、カレンは前に出て代わりに話す。

「私達よりも後から始めた冒険者ギルドのクエスト参加者達はもうすでに終了してるのよ?なのになんで私達はまだ終わってないの?」

「そうだっけか?覚えてねぇな。気のせいだろ?」

「ふざけんのも大概(たいがい)にしろよ……!」

 オイキャスの震える体は我慢の限界を表していた。

「そんなのギルドの連中に聞けよ、俺は知らん」

 あくまで自分は知らないという立場をとり、耳を小指でほじる。

「そんなのとっくに聞いた。そしたらギルドは『採掘ギルドの代表に聞いてください』って言った」

 カレンは冷静に主張した。

「でも、仕事の依頼自体は冒険者ギルドの管理なんだろ?なら俺は関係ないだろ?」

「それも聞いた、そしたら『それも含めて一任してる』って」

「じゃあなんだ?俺が嘘をついているとでも?」

二分一(にぶいち)だったらあんたの方が可能性は高いでしょ?」

「お前らが冒険者ギルドの連中と俺と関わり始めたのはのはほぼ同時期だろ?だったらギルドの連中を信用しすぎじゃねぇのか?それに世話してるっていうなら俺の方がお前たちをよく見てるだろ?」

 にやついた表情で、これまでの高圧的な態度とは違い理論的に反論する、見た目や今までの言動とは裏腹な発言だったが、カレンはなぜか妙に今のザクルの方がしっくりときた。

「その面倒を見られている時間に嫌がらせをされてるから信用に値しないって言ってるの」

 しかしこれはこれ、それはそれで反論を続けるカレン。

「あぁ?笑わせるな……、お前らは黙って作業していればいいんだよ」

 今度はいつものように語気を強く、冷たい声で威圧(いあつ)する。

「もううんざりだ!オレ達は王都に戻るぞ!」

「勝手にしろ」

「あぁ、勝手にしてやる」

 その場を三人は立ち去ろうとすると、

「……、ふふふ」

 急に小さく笑いだし、

「アハハハハ」

 なにがおかしかったのか大声で笑うザクル。

「……なんだよ?」

「いいや……、おかしくってな」

 笑い涙を人差しゆびで拭い笑いをおさえる。

「何がだ?」

「いいことを教えてやる……、お前らが受け取った王都への入国書類は使い物にならねぇ……」

「どうして……?」

 カレン達はどういう意味だという表情をした。

「渡された書類はすでに期限が切れちまってるからな。だから王都には戻れねぇよ」

 種明かしをするように説明するザクル。

 カレン達に衝撃(しょうげき)が走る。

「……なんだよ!なんなんだよ!オレ達が何をしたって言うんだよ!」

 なぜ自分たちがこのような理不尽に()わなければならないのか理解できなかった。訳も分からないぐちゃぐちゃの怒りと驚きから、オイキャスがザクルを殴ろうと飛び出したため慌ててカレンが羽交い絞めし制止する。

「オイキャス、それはだめ……耐えて……!」

 あくまで話し合いで解決をするべきだと考えるカレン。

 カレンは文字を理解できたらこのような事態にならなかったのではないかと反省する。

「おいおい、女に制止されてるじゃねぇか?そんなでよく冒険者を名乗れるな」

 言葉の挑発とともにオイキャスにゆびをくいくいと(あお)るザクル。

「こ、こいつっ。カレンのことをバカにするな……!」

 オイキャスは羽交い絞めを解くためより力を入れるが、カレンはそれをより強い力で抑えている。

 今にも衝突(しょうとつ)が起こりそうな緊張の最中……、


「パチンっ」


 乾いた音があたりを支配した……。

 シオノがザクルに平手打ちをした。

 全員何が起きたのか理解できていないように立ち尽くしたが、直後ザクルがシオノに(おお)いかぶさりマウントを取る。

「シオノ君!」

 上からひたすらにこぶしを下ろす、次第にシオノの顔面は赤く()れ、血が()き出している。

「シオノ君に何してんだ……!」

 カレンは怒りに任せ、羽交い絞めしていたオイキャスを突き飛ばしシオノの元へ勢いよく向かおうとするが十人近くの採掘ギルドの面々に止められ地面に押さえつけられる。

「何すんだっ!てめぇら……、この、離せ……!」

 そのまま三人はなす術なくリンチされた……。

読了ありがとうございます!

次回のお話も楽しみ待っていただけると嬉しいです

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誤字や脱字がありましたら指摘をしていただき次第、修正いたしますのでご助力いただけると幸いです

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