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師匠はどエロくだらしない

「んじゃエロ弟子、行くぞ。」

 全裸だった僕が学生服に着替え終わるのを見て、おっぱい様こと僕の師匠となったヴェネーラさんはそう言う。

「行くって…どこへ?」

 そう質問した僕の頬にスパッと紙で切った様な傷ができ、ジワッと血が流れる。

「お前に質問する権利はない。師匠には絶対服従だって言っただろ。二度目はないからな。」

 ゾッとする程の冷たい目でおっぱい様は言う。

 そういう性癖の人ならたまらないだろうけど、生憎と僕はそうではないのでガチでビビり、後悔しながらおっぱい様の後ろを慌ててついて行くのであった。 


 暦では8月中旬、地球沸騰化と称される程の猛暑にヒートアイランド現象が加わり、地獄の様な熱に汗が吹き出す。

 一度死んで、2ヶ月後に蘇った僕は素晴らしいおっぱいの持ち主である師匠の後ろをついて、大都会東京の街を歩く。

 生前の実家は埼玉だった為、地元ってわけではないけど、ある程度知った土地であるそこは、一回死ぬ前と何も変わっていなかった。

 変わったのは僕だけだ。


 駅周辺の喧噪を抜け、大田区の中でも閑散とした住宅街に入る。

 古めのマンションやアパート、昭和を感じさせる一軒家が並ぶそこでそこそこ高いマンションの入口で師匠は立ち止まる。

「ここが私の根城だ。」

 過酷な炎天下を歩いて来たのに汗一つかかず、涼しい顔でそう言うおっぱい様は、

「んで、お前は居候で弟子。師匠で大家の私の機嫌を損ねない様にしろよ。」

 僕に意地悪く笑い鍵を投げる。

「ちょっと散らかってるけど、気にすんな。」

 エレベーターの中でそう言うおっぱい様。僕はこのけしからんおっぱいと同居するということに理性を保てるか、野生の本能との戦いで聞いていなかった。


 マンション最上階、そこに扉は一つしかなく、フロア全部を打ち抜いた巨大な部屋だと入口だけでわかる。

 ガチャ、と開いた扉。これから始まるエロい日々を夢見て、僕は扉を潜った。

「汚な…」

 物やゴミが散乱した部屋は足の踏み場もない。

「汚くねぇ!機能美だバカ野郎!!」

 師匠はそう怒鳴り、僕の頭を叩く。

「あぁ~、クソ面倒くせぇ~!!飲まなきゃやってらんねぇわ!!」

 ゴミの散乱する汚部屋をズンズンと進み、冷蔵庫からビールを取り出し栓を開けるおっぱい様。

「とりあえず座れよ。」

 ドカッ、とビールの缶で埋め尽くされたテーブルに肘を置き、椅子に腰掛けビールを煽りながら師匠はそう言う。

「失礼します…」

 ゴミを避けながら椅子に座る。

「先ずは自己紹介だ。」

 師匠は飲み干したビールの缶をテーブルに置き、僕に言う。

「はい…僕は青郷尊です。16歳の…」

「エロガキだろ。趣味は18禁のAV鑑賞。16歳の誕生日に登校中、突然テクノブレイクして死んだ変態。」

 ケケケと意地悪く笑い、虚空から2本目のビール(500ml缶)を取り出す師匠は、

「あっちぃな…」

 そう言ってシャツを脱ぎ捨てる。

 ド派手な黒いブラに包まれた巨大過ぎる双丘が表れ、もうひとりのぼくが元気になった。



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