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「だれ、だ……?」


『あなたは……佐藤一は……元の世界で若くして死亡してしまった……しかし、あなたにはチャンスが与えられる……』


この声、スキル鑑定の時に聞いた声と同じだ……心地いい……脳に抵抗なくするりと入ってくる感覚だ。


『この異世界に蔓延る魔物どもと、その元凶である魔王を倒しなさい……そうすれば、生きて元の世界に戻れるでしょう……』


『さあ、起きなさい。セシル・ウォーカー』


神とされるその声を、僕は抵抗なく真実として受け止めた。僕が起きる頃には、決意が固まっていた。


「魔王を倒そう」


僕は見知らぬ世界について情報収集をしようと、冒険者ギルドの図書館で色々な資料を集めた。曰く、この世界には人間、魔人、魔物、魔王がいるらしい。魔物というのは、魔王から産み出された人ならざる者共。基本的に人型では無いらしく、昨日出会ったグリーンドラゴンはこれに分類されるらしい。


魔人というのは、魔王から産み出されていない人ならざるもの。人型に近いものが多く、魔人の中でもさらに様々な種族に分類される。蛮族、龍族、死霊族、妖精族、獣族など。ライオリアさんは、魔人の中の蛮族に分類されるようだ。尖った耳、強烈な身体能力、浅黒い肌、紋様などが特徴だそうだ。そして、気になった一文。


「蛮族というのは、魔人の中で最も劣り、野蛮で忌避するべき生物……だって?」


他の書物も見てみたが、似たように記されていた。僕が推察するに、この世界で蛮族は、人間から所謂差別を受けているようだ。


「あんなに優しいライオリアさんや、その仲間がこんなふうに捉えられてるなんて……」


僕が少し悲しい気分になっていると、さっきの職員さんが話しかけてくる。


「おはようございます!――ぁ、名前聞いてませんでしたね!それより、冒険者になるんですか?ならないんですか?ならないなら冒険者登録用紙に情報を書いてここの列に並んでください!あ、鉛筆はこれです!はいどうぞ!登録料のようなものは取りませんよ!」


「うわわわっ、いやっ、ちょっと待ってくださいそんな急かされても……」


しかし、本を読み込んで見た限り、僕のような身元不明の若者がまともに合法で働けるのは冒険者くらいみたいだし、魔王を倒すにも冒険者はいい職業かもしれない。……押しの強い職員さんに押されてるだけかもしれないけど、僕は用紙にパッシブスキルや年齢、名前……セシル・ウォーカーと記入して職員に手渡す。


「さて、パーティに入らないと……」


僕みたいな戦闘経験も欠片もない、スキルもあまり強そうじゃない人間は、少なくともしばらくの間はどこかのパーティに入った方がいいだろう。僕みたいに弱くなくても、冒険者はパーティに入るのが一般的みたいだし……僕は早速その辺にいた冒険者に声をかけた。

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