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第34話「一方の川西 幸斗」

 Side 川西 幸斗 一尉


 困った事になった。


 ユリシア王国の人間が観戦武官として派遣されて来たのだ。

 そしてその面倒をスカイピアのアティなどの面倒をなし崩し的に見ている幸斗が面倒見ることになったのだ。


(上の連中、厄介ごと俺に押し付ければいいやとか思ってないか?)


 などと苦笑して思いながら搬入された機体を幸斗は見る。

 Fー4JC戦闘機も悪くないのだが、相手は古代兵器やらスカイピアの連中も視野に入れないといけない。


 なので最新鋭機のNFJー4 ファントムファイターに乗る。

 デザインは同じシリーズの後継機のため、桜木 美琴二尉が乗っているNFJー1ネクストファイターに似通っている。

 

 ネーミングがファントムなのは機体は設計段階で終戦を迎えたのでペーパープランでのみ存在していたからだ。

 再び日の目を見たのはこの異世界での激戦を知ってロールアウトされたと言う経緯がある。

 様々な最新鋭技術を惜しげもなく積み込んだ結果、アニメに出てくるようなスーパー戦闘機になった。


「これに乗るんですか?」


 と、物珍し気な視線をNHJー4に送りながら言う美琴。


「バルニアの時の事を考えると愛機に拘りどうこうとか言ってられないからな……」


「確かにそうですね」


 バルニアの戦いを思い出して幸斗と美琴の二人は苦々しい表情になる。

 特に古代兵器の戦いの時だ。

 被害は奇跡的な数値に収まったがそれでも弾薬費はとんでもない事になった。

 

 しかも今回はその古代兵器が複数。

 最悪連戦も考えられる。

 レールガンや反物質砲とかSF兵器が解禁する気持ちはよく分かる。


「ねえ、アース? これって凄いの?」


 隣にいたアティが不思議そうに首を傾げながら腕のデバイスに尋ねる。

 アースと連絡を取っているのだ。


『様々な機器から観測した結果、とんでもない性能を持っていますがフルにその性能を引き出すには相応の腕が必要になります』


「エース専用機ってことね?」


『その通りです。アナタが乗ってる最新鋭機のグリファー以上でしょう』


「ちょっと、そんなに?」


『はい。宇宙人とでも戦争をおっぱじめるのかと言うぐらいの性能ですね』


「そうなったのって半分ぐらいは私達のせいよね」


 頭を抱えながら苦し気にアティは言った。

 アティが言うように半分ぐらいはスカイピアが、日本が当初考えていた以上の想像以上の兵器を投入したせいもある。

 もう半分は何度か話に出てきているバルニアの古代兵器の影響だ。


 アティは「とんでもない連中を敵に回したのね」と複雑そうな心境でボヤいている。

 まだ色々と心の整理を――スカイピアを敵と割り切れていないのだろう。


「これが異界の機械式飛行機ですか――こうして間近で見ると――まるで剣のように洗練されたデザインですね」


 と、ここで場違いなドレス姿の少女、ユリシア王国の第2王女「アイナ」が現れる。

 傍には護衛である赤髪のボブカットの女騎士「クレア」がいた。


「――初めまして。ご活躍は聞いております川西様、桜木様」


 若干照れくさそうな姿勢で気品溢れる挨拶をするアイナ。

 それに倣ってクレアも礼をする。

 

(まさか王女様が観戦武官とはね……)


 第2王女様であるアイナ。

 ユリシア王国と日本の架け橋となった王女様であり、日本とっては恩人のような存在であり、重要人物である。


 この分だと日本側の護衛も周囲に厳重に隠れ潜んでいる感じだろうと幸斗は思った。


 何しろ日本の行く末を左右する超重要人物が固まっているのだ。

 何かあれば外交問題とか色々な問題が起きるだろう。


 だったら最前線に送るなとか、アティなんかは日本の本土で匿えばいいだろうとか言う声がありそうだが政治、外交的なアレコレがあるのだろう。


(早く作戦始まらないかな――)


 などと川西 幸斗一尉は心の中で愚痴を零しながら表面上は作り笑顔を保ち、溜息を堪える。 

  


  

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― 新着の感想 ―
[良い点] 川西バクハツシテクダサイ [気になる点] 誤字報告。 感染武官→観戦武官では?
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