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とある教会

作者: 笹かま

昔、世界に魔王が蘇り、世界には魔物が溢れました。人間は軍を率いて戦いましたが何度も負け、民間人を頼りました。そして彼らは冒険者、中でも優れた者は勇者と呼ばれました。冒険者たちの活躍により、魔物は少しずつでも数を減らしていきました。しかし冒険者たちも無事ではなく、傷つき、死ぬ者も多くいました。

そんな冒険者達の助けは、教会に行くと貰える聖水でした。聖水を傷ついた部位にかけると傷が瞬く間に塞がるといった優れ物で、冒険者達の必需品でした。

そんな世界である以上、教会はとても大事な物でした。しかし、とある小さな町の教会はとても貧しく、理由としては隣にある大きな街が原因でした。そんな状況でも優しい神父は聖水を配りつ続けていました。

とある日、その神父は日々の生活が祟ったのか、倒れてしまいました。その教会にいた修道士達は神父を寝かし、自分達だけで何とかしようと決心しましたが、聖水は神父しか作り方を知らず、神父に聞こうとも神父は寝たきりでどうしようもありません。村人からの寄付も貰えず、教会は今瀕死の状況でした。

そうして何も出来ずにいると、とある冒険者が教会に乗り込み、こう言いました。

「おい…聖水をくれ。怪我しちまった…」

修道士は申し訳無さそうにこう言いました。

「すいません、今神父が倒れてしまい、聖水が作れないのです。」

冒険者は荒ぶりこう言いました。

「ああ?何言ってんだ、入らせろ。」

冒険者は我が物顔で、神父が寝ている部屋に入り、神父にこう言いました。

「おい!早く起きて聖水を作れ!」

神父は咳き込みながらようやく起き上がりこう言いました。

「ああ…すいません。私はもう神の所に行かなくてはならない様です。あなたに…これを渡します。聖水の作り方です。あなたには私の代わりとして神父になって頂きたい…」

「はあ?」

冒険者は断ろうとしましたが、聖水を作るだけで生きていけるのならば、それも良いと思い、冒険者はその誘いに乗りました。

冒険者が神父になった後、冒険者の男は生活に苦しむこととなりました。何故なら、村人からの寄付が貰えないからです。男はだんだん弱っていき、最後に神父がくれた紙をもう一度見ました。するとその裏にこんな事が書かれていました。

[1番大切なことは人々の信頼を得ることである]

男はその瞬間倒れてしまいました。

そして数日たったある日、教会の戸を開ける者がいました。

「怪我をした…聖水をくれないか。」

修道士はこう言いました。

「すいません。今神父が倒れてしまいまして…

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