第九十一話 平和日常はどこに?
最近3日過ぎるのが早い気がする。ちっともストック書けないわ_(:3 」∠)_
ちょっと読みたい小説も積んできた……ギリギリを攻めすぎか?毎日書いてる人って凄いな。。。(*´Д`*)
ブックマーク、誤字報告、評価、読んでくれた皆様。
ありがとうございます(*'ω'*)
平和な学園生活を送る。久しぶりに教える先生の授業を受けておる気もするのう。
「あぁ……まずいこの日差しが少し眠たく」
……その平和もある人物との出会いで終わる。
―コンコン
「ん?」
「失礼致します。授業中にごめんなさいね」
「ルール先生。どうかされましたか?」
「至急案件でして……ジュエルさんを借りても宜しいでしょうか?」
「ワシか?」
突然の呼び出し、ルール先生について行くと学園長の部屋まで案内される。
―コンコン
「ルールです。ジュエル様をお連れ致しました」
「様?」
「……入れ」
―ガチャ
扉を開けると学園長と……
「また会いましたね……じじ語の少女よ。」
「どう言う状況じゃ?」
「やぁジュエルさん。突然呼び出して申し訳ないね」
黒髪の乳のデカいオナゴの後ろにはこの前の二人。やはりどこかエルとファクターに似ておるな。
「じっと見てなんだよ」
「知人に似ておってな」
「っは。ヒョロヒョロな人族が俺と似ている訳ないだろ」
「お?確かにそうじゃな。エルはワシのワンパンで沈まないのう」
「あぁ!?」
「なんじゃ?ワシに凄んでもしょうがないじゃろう」
―スパーン!
横に居たファクター似の男の子が頭を引っ叩く。
「連れがすまない」
「構わん。男とは存外そんなもんじゃ」
「心遣い感謝致します」
「ふはっ……いや、失礼」
このオナゴは魔王じゃったか?何故にワシは笑われた?
「それではジュエルさん。改めて紹介します」
「学園長さん。私からさせて頂いても?」
手でどうぞと学園長が促す。
「前回は対した挨拶もせず、申し訳ありませんでした。オーブ・プルードンス・ダークと申します」
「これは丁寧に…… ジュエル・ジョリー・イグニートじゃ」
久しぶりにフルネームを言った気がする。忘れてないか少しドキドキしたのはバレておらんだろうか?
「そして後ろに居るのは……」
「アルダーン・デル・ダークだ。俺の名前をよく覚えとけ。俺は魔王様の右腕!あのような失態は二度と……」
―スパーン!
「いってぇ!?」
「余計な事を言うな。こほん。ソース・ナイロン・ダークと申します」
「…………お主も中々に苦労してそうだのう」
「お恥ずかしい限りです」
「魔王様!もう一度やればあんな失態は!」
「黙りなさい」
―パチン!
魔王が指を鳴らすと、黒いモヤがあのうるさい奴の口周りを覆う。
「ほう……あの黒いモヤは何じゃ?雲?」
「これが見えるのですか?」
「見えるぞ?見えちゃいかんのか?」
「私には見えませんよ」
学園長が見えないと言っておるが、後ろにいたルール先生を見ると首を横に振る。どうやら見えるのはワシだけらしい。
「もしやと思いましたが……才能があるのかもしれませんね」
「どう言う事じゃ?話が全く見えんのじゃが?」
「順を追って話しましょう。まずはこちらの魔王さんがこの前の事情説明に来てくれました」
ワシにちょっかい出した理由を、説明すると言っておったな。
「ジュエルさん。魔導具って聞いた事ありますか?」
「魔導具?魔法が付与された道具じゃろうか?書物で読んだ記憶はあるのう」
「それですね」
「それとワシに何の関係が?」
「あれは魔界の上級魔族のみが使う代物なのです。そしてその中でも、禁忌とされたアーティファクトがあるのですが……」
禁忌のアーティファクト?何じゃか物騒じゃな。口元に手を持っていき考える。
「その腕輪もその一つです」
「これか?」
「……それをどこで?」
「だいぶ前に貰ったぞ?」
「誰にですか?」
「この街に居る道具屋の店主じゃが?」
「その場所は分かりますか?」
「うまく説明できんが……気がつけばそこにある感じじゃな」
「認識阻害……かなりの使い手でしょうか」
難しい顔で考え込む魔王。この腕輪そんなヤバいものなのか?まぁ魔力注げば入れ替えるなんてとんでも性能じゃし。普通でないのは確かじゃな。
「で?この腕輪がどうしたのじゃ?」
「そいつは魔界でも禁忌とされている魔導具なんだよ。それを探していたらアンタに会ったって訳さ」
「探すとな?どうやってじゃ?」
「魔導具はコイツで全て管理されている」
魔王の後ろからアルダーンが、分厚い本を取り出した。
「人族の方で使用履歴に反応があってな。悪用される前に回収するのが俺の目的だ」
「そうなのか。しかしこの腕輪は使い方が分からず、最近やっと分かったんじゃが?」
「反応があったのは別の魔導具だ」
「ジュエルさん。ペンダント型の魔導具持っていたりしますか?」
「これか?」
いつも首に下げておるネックレスを出す。
「それですね」
「ふむ。コイツは結構使っておるぞ……もしやこれも禁忌なのか?」
「禁忌とまではいきません。ですが国宝級のアーティストであります」
「凄い物じゃったのか。言われてみれば他にこの様な道具は見た事ないのう」
そしてそのまま服の中戻す。
「って戻すのかよ!」
「戻しちゃいかんのか?」
「ちなみにそれは二つで一つの魔導具です。もう片方はどなたがお持ちなのですか?」
「もう片方はツールに持たせておるが?それを聞いてどうするのじゃ?」
「出来る事であれば回収したいのです。国宝と言うだけに、そう数もありませんので」
これを回収すると?確かに効果で言えばもの凄いが、これはツールとお揃いで買った始めての物。出来れば渡したくない。
「そのツールと言う方は、貴女にとってどの様な方ですか?」
「ツールはワシにとって…………」
答えなきゃだめか?皆に注目されて言うのも恥ずかしいのじゃが……
「こ、こ……」
「こ?」
「って言えるか!」
「では私だけに……」
意図を読んでくれたか、魔王が席を立ちワシに近づいてくる。これは逃れられない!?
「恋人……」
「あら。何も恥ずかしがる事はないわよ。素敵じゃない」
「魔王様。この者は何と?」
「っちょ!?」
「言わないわよ。女同士の秘密よ。しかし、そうか……そんな手があるのね。今度私も…………」
「魔王様?」
「何でもないわよ!別に渡したい人がいる訳じゃないんだから!」
顔が赤い魔王。成る程……これは渡したい人物がおるんじゃな。魔王とは言え、オナゴである事には変わりない。
「して、何の話じゃったか?」
「私から説明しても?」
「頼むわソース」
「それでは……そのネックレスも腕輪も元は魔界の物です。それは盗難された物の可能性があります。我々はその魔導具を管理しており、盗んで利用している者を消し去る。それが私達の仕事です」
「成る程のう……消し去る?」
「魔界では国宝級アーティスト、および禁忌のアーティストを盗む事は大罪です。当然一番厳しい罰が……」
「消される訳か…………」
ここまで聞けば今までの事が全て繋がる。いや、疑問も残る。
「殺されそうになったのは分かった。そちらからすれば、大罪人を処刑するという仕事を全うしておるだけじゃろう」
「簡単に言えばそうね」
「直接手を下さなかったのは、泳がせて仲間を見つけるつもりじゃったか?」
「今の説明でそこまで分かるの?」
「ここからは憶測じゃが……始めはツールを見張っておったのじゃろ?それでこんな子供が盗む事が出来るのか?と考え、能力を確かめる意味も含めて、魔法陣に干渉してドラゴンを送った。そして、それが討伐され、黒と判断したお主の部下が行動を起こした。」
何か引っかかる。じゃが、今の状況はこんな感じか。
「驚いたわ。考えもしっかりしていて、言葉遣いもじじ語。その上で魔力の扱いに長けていて、私の闇属性も目視出来ると……実はエルフで何百歳とかないかしら?」
「言葉遣いは関係ないじゃろう。この通りワシは十歳じゃ」
「見た目だけだと……そうね」
「魔王よ。今どこ見て言った?」
「別に体が幼いとか思ってないわよ」
それは幼いと思っておると言うもの。
自分の胸を触り魔王のを見る。後ろにおったルール先生も……大人になればワシだって!
「そこは年相応女の子ね。大きさなんて関係ないわ。貴女が想っている人は……」
「う、うるさいのじゃ!その胸……もぐぞ!」
「そんな怖い事言わないでよ。冗談よ」
ワシの隣に座ってきて、ワシを弄ぶ魔王。大人のオナゴの余裕か。
魔王「ところでその……どうやって彼をゲットしたの?」
ジュエル「ゲットって。その胸……美貌であれば引くて数多じゃろう?」
魔王「そうよね。男って胸好きじゃない?スタイルには自信がって……なのに誰もアタックしてこないんだけど。だから貴女に聞きたいの」
ジュエル「であれば原因は他に……」
アル「魔王様?人族とそんなに仲良さそうに……」
魔王「少し黙りなさい。大事な話をしているのです」
アル「はいぃ!」
ソース「学べよアル。あの顔の魔王様はそっとしておくのだ」
アル「はぁ〜俺にはよく分かんね〜」
ソース「だからお前は怒られるのだ。魔王様にもアイツにも……」
アル「今、アイツの話は関係ないだろう?」
ソース「関係があるから話しているのだ。少しは学べ」
ジュエル「魔族も色々と拗れておるんじゃな」




