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ジジ転世〜ワシがオナゴでふぁんたじー〜  作者: みけな
第三章 学び教える記憶
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第八十七話 言葉にしなくても

連休中は家に居ただけだけど。思った以上に短く感じた。

なんだかんだで忙しかった気がする_(:3 」∠)_

5月投稿再開致します!次回は12日の12時予定です!


ブックマーク、誤字報告、評価、読んでくれた皆様。

ありがとうございます(*'ω'*)

 あれからどれくらいの時が経っただろうか。ツールはずっと手を握ってくれている。


「良かったですお嬢様」

「これで我がイグニート家も安泰じゃな!」

「覗くなら最後まで知らないフリをしてあげないのですか?」

「…………どこから見てた?」

「初めからですよ。お嬢様」


 ―ボン!


 顔から火が出るとはこういう事か!


「恥ずかしがる事はないぞジュエル。ワシも若い頃は婆さんと情熱的な恋愛をしたもんじゃ」

「あれが情熱的ねぇ……」

「まずはアイツと……」

「ん!お嬢様が見つかった訳ですし。そろそろ帰りましょう」


 じいじの話をバシッと切って、ジャムが話を進める。ばあばの話は長くなるからのう。


「仕方がない。ではジャム頼んだぞ」

「じいじは帰らないのか?」

「ワシはペンタゴンと、ここの調査を続けるぞい」

「それならワシも行くぞ。何も分からないままでは、気持ちが悪いしのう」

「しかしジュエル。びしょびしょではないか。このまま放っておいたら風邪をひいてしまうぞ?」

「それくらい何とかなるのじゃ」


 風と炎の混合魔法。暖かい風で。


「便利な魔法だね。前に見た時より進化してますね」

「じゃろう?服もこの通り……」


 ―バサッ

 ―ッサ!


「おっと。スカートなの忘れておった」

「お嬢様。スカートは必ず抑えて下さい。男性がいる時なら尚更です。ツール様のは良いかも知れませんが、学園長もバーン様も居るので」

「はは。私は見えてないので大丈夫ですよ」

「ワシは気にせんぞ。おしめを交換してたからな」


 咄嗟に魔法を使ったからな。気にしておらんかったわ。

 学園長の目はジャムが隠しておったし、じいじは今更じゃな。

 ツールは……手で隠しておるが、顔が真っ赤じゃ。


「見たか?」

「み、み、み、見てないよ!」

「まぁワシのミスじゃからな。さぁこれで大丈夫じゃろう。魔物の血の臭いが少しするが……」

「お嬢様。こちらを」

「準備が良いのう。ありがとうなのじゃ」


 ジャムが持っていたのは臭い消し変わりの香水。いつもの匂いじゃ。


 ―グゥ……


「お嬢様。クッキーとおばちゃんのおにぎりです」

「さすがはジャム!腹は空いておったのじゃ」

「でかい鞄だと思っておったが」

「お嬢様の為に備えは怠りません」


 ジャムにはいつも助かる。ここぞの品揃えは商人か?ってくらい持っておる。


「もぐもぐ……ごくん。ツールはどうじゃ?」

「僕はジュエルちゃんが行くなら行くよ」

「すまんな。正直、いてくれると助かる」

「うん。僕も今はジュエルちゃんと居たいから」

「ツール……」

「はいはい。付き合い始めて楽しいのは分かりますが、帰ってからにして下さいね〜」

「「つ、付き合う!?」」

「え?あんな事して付き合ってないの?」


 どういう事じゃ?いや、どういう事もないか。しかしワシは言われてないぞ?


「ジュエルちゃん!」

「ひゃい!」

「僕と付き合って下さい!」

「はい!」

「ごめんね。言ってなかったから、きっちりしておきたくて」

「良いの。私もそう思ってたから……嬉しい」

「はい。それじゃ行きましょう!」


 せっかくツールが言ってくれたのに、学園長が流れを遮り先に進み始める。


「行こうか」

「はい」


 せめてもの対抗で手を繋いで進んで行く。


「ところでジュエルさん。ここに来て気になる事ってありましたか?」

「ふむ。魔物がやたらとワシに攻撃してくると思ったくらいじゃな。ワシが居る場所も分かっているようでのう」

「それは誰かが意図的にジュエルさんに……」

「まぁ魔物の血を浴び過ぎて、臭いがついていたからだろうがな。雨で洗い流したら、魔物が来なくなったしのう」

「それは私達が居るからと考えられますが」

「それもそうじゃな」

「意図的か偶然か分かりませんね……」


 言われて改めて考えたが、誰かが操作していた可能性があるのか。そうなれば誰かが監視をしているはずじゃが……


「帰り道と魔物を倒すので忘れておったな。一度見てみようか《サーチエネミー》」

「それは?」

「風と音の振動を使って、人や魔物を探す魔法なのじゃ……ん?人型が二人?」

「え?人型?」

「居るな。ここから1キロくらい先じゃが」

「そんな先まで……行けますか?」

「行けなくはないが……」

「婿殿はワシに任せろ!」


 ツールをじいじが抱える。

 ワシの魔法に気が付いたかも知れんし、急ぐ必要があるのう。


「少し飛ばすぞい。ついて来れるかのう?」

「がはは!ワシは後から行く。ジャムとペンタゴンはついていけるよな?」

「お嬢様の行くところなら何処へでも」

「誰にものを言ってるんですか?」

「だそうだ。全力で行くはよい!」

「うむ!では……」


 ギアを一つ上げて、対象まで真っ直ぐ走る。山道に木々が邪魔であるが、ワシには関係ない。


 視界良好。ワシの進む道には何もない。綺麗な空じゃ……あそこに見えるのは空に浮かぶ2人の人間?


「おい。あれ見ろよ」

「なんだ。今、次の作戦を考えているんだ」

「それはもう使えないと思うけど」

「何を……」

「お主らは誰じゃ?」


 短髪の黒髪とパーマの男が二人。どこか見た事があるような気がするのう。


「な、な!?」

「ほらな。さっき空気が震えたから、もしかしたらって思ったんだよね」

「何で言わなかった!」

「いや、まだ時間はあると思うじゃん。でも空飛んで来るとは思わねーじゃん」

「飛んで?」


 今ワシは空に立っておる。


「これは空中に足場を作っておるだけじゃ。空は飛べんさ」

「そうなんだ。そりゃ凄いね」

「感心している場合か!これじゃ魔王様に怒られるじゃないか!」

「だから相談なしで突っ切るなって言っただろう」


 話を聞いておると、色々とやばいワードが聞こえてくるのう。これ聞かなかった事にして帰り…………


「魔王だと……」

「物騒な話ですね」


 学園長とジャムが聞いてしまった。これは聞かなかった事に出来なさそうだ。

 どうしようかのう……戦わずして終われればってこれは考えてはいけない。


 そうするときっと……


「「やるしかないか」」


 口に出していないのに……やっぱりこうなる運命?


「どうするのじゃ?戦うのか?」

「私の意見としては捕まえて行きたいけど」

「しかし空を飛ばれていては少し不利でしょうか」

「戦うとなるなら落とすが?」

「出来るんですか?」

「どうじゃろうなぁ……」


 戦う気があるのか二人はこっちを見ておる。何かを伺っておるのか動く気配はないように見える。


「どう見ても怪しいからのう。捕まえて聞き出すしかないか……」


 ワシは真っ直ぐ二人を睨む。


魔族A「何かもの凄い睨まれてるけど?」

魔族B「怖すぎるだろう!?」

魔族A「いや、びびりすぎだろう」

魔族B「あいつやばいって分かんないのか?」

魔族A「ん……分からん。どこがやばいんだ?」

魔族B「あんな少女なのにジジ語だぜ。な?やばいだろ」

魔族A「俺はお前のな?がやばいと思う」

魔族B「そんなのいいから。全力で逃げで作戦頼む」

魔族A「お前の勘は当たるからな。仕方がない。その方向で考える」


ジュエル「もういいかのう?」

魔族B「出来ればもう少し待ってくれ!」

魔族A「そんなの聞き入れてくれる訳が……」

ジュエル「仕方がない。5分だけじゃぞ!」

魔族A「えぇ〜…………」

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