第八十三話 消えた孫?②
外の日射しは暖かいけど、家の中は少しひんやりします(*´-`)春ですね〜
窓際で日向ぼっこは最高です_(:3 」∠)_
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ありがとうございます(*'ω'*)
アズが途中参戦したが、ワシらのやる事は変わらない。
新作スイーツの食べ比べじゃ!
「新作は少し甘さが抑え気味じゃな」
「ジュエルの味覚どうなってるの?いつもより甘いでしょう」
「この甘味は前回のと、また違う感じですわ」
「どっちも美味しいよ〜」
「それは確かであるな」
友と甘い物を食べながら、学業の疲れを癒す!これは至福であろうぞ。
「ところでアズは何でここに居たの?」
「ふぐぐ!」
「口の中がなくなってからで宜しくてよ」
「ふぐ!」
「慌てずともゆっくり食べるがよい。この後何か予定がある訳ではないからな」
「ぐ!」
自分と同じ大きさもあるケーキを頬張るアズ。
「しかし不思議じゃのう。このケーキは何処に入るのか?」
「それを言うならジュエルもだけどね」
「私もジュエルと同じ量は食べれませんわ」
「二人は少食なだけじゃろう。ケーキ4つくらい別腹ってもんじゃろう」
「さっきお昼食べたばかりなんだけどね〜」
「胃袋に入る量は一緒ですわよ」
オナゴの甘い物は、別腹と決まっておるはずじゃが。この世界にはその概念がないのじゃろうか?
「はぁ〜美味しかった!」
「え?もうないの?」
「ライドが遅いんだよ〜ケーキは飲み物よ」
「そうじゃな!」
「ジュエルもないのね……」
ライドとスノウの皿には、ケーキが2つ半分ずつは残っておる。
「そうじゃ。甘い物食べて脳に栄養も行ったじゃろう。アズは何故あそこに?」
「ん?えっと……あ!ツールだわ」
「ツールと一緒に居ったのじゃな。それがどうしたのじゃ?」
「ツールが消えたの!」
「逸れてしまったのか?」
「違うって!魔力感じないの!何処かに行ったんだって!」
「ツールが居ない?」
アズに言われて周辺の魔力を探る。
「……確かにここら辺にはおらんな。学園か?」
「ちょっと探してくるわ!」
「アズ!」
焦った感じでアズが学園まで飛んで行った。
「すまぬ。ワシも学園に戻る」
「分かった。私達も後から行くよ」
ライドとスノウに一言残して、ワシもアズの後を追った。
♢
学園に到着すると、じいじと学園長が学園の外で何かを話しておる。
「じいじ!」
「ジュエル?どうしたんじゃ?」
「ツールが消えたとアズから聞いたぞ」
「あーその事か。ワシも今さっき精霊のお嬢さんから聞いたところだ」
「最後にツールを見たのは何処?」
「ダンジョンの帰還した魔法陣近くよ」
「ならばワシはそこに行こう。ジャムついて来るのじゃ!」
「はい!お嬢様!」
「私も行くわ!」
「あ、おい!ジュエル!」
じいじが何か言いたそうだけど。ツールがいないのに悠長な事は言ってられない。
ジャムとアズを連れて例の魔法陣へ行く。
「ジャム魔力を流してみてくれんか」
「はい!」
魔法陣は何も起こらない。
「土系統の魔力に反応する訳ではないのじゃな」
「ワシがやってみよう」
魔法陣は何も起こらない。
「炎でもないか……」
「これは移動の陣だから、発動方法は別のやり方よ。ジュエルとジャム、そこに立ってなさい」
アズが魔力を通すと、突然の浮遊感の後に目の前が暗くなる。
「ここは?」
「ペンタゴンのダンジョンかしら」
「そのようです。部屋に私が用意した服などがありました」
「ツールは……いないわね」
「分かるのか?」
「ダンジョンの上下一層ずつだけどね。でも魔力反応はないわ」
「戻るぞ」
同じ方法で再びダンジョンを出る。
「やり方知ってたの?」
「今し方、アズが手本を見せてくれたじゃろう」
「いや、にしたって出来るもんじゃないわよ」
「そんな事、今はいいのじゃ。他にツールが何処に行ったか考えねば……」
「魔力探知も引っかからないし、連絡手段もないとなるとね」
ダンジョンや学園に居ない事が分かっているだけで、ツールを探す方法が他に……
「これか!」
ペンダントに魔力を流し、ツールの反応を待つ。
しかし結果は何も反応せず。
「何故じゃ?何故反応せんのじゃ?もしや!これが使えない程の状況なのか?」
「お嬢様!落ち着いて下さいませ。ツール様は大丈夫です」
「そうよ。あの子は努力していたのをジュエルは知っているでしょう?今はそんな事考えている時間はないわ」
「そうじゃな……ありがとうジャムにアズ。少し落ち着くか」
少し焦ってしまったが、慌てて良い結果になるはずもない。ペンダントがダメなら、別の何かで探すまで。
「別の何か……行く価値はあるのう」
「お嬢様?」
「すまぬ。行かねばならぬ場所が出来た」
「ご一緒に行きます」
「私も行くわよ!」
「いや、ワシ一人で行く。ジャムはここで待機じゃ。アズは仲間にツールの事を伝えてくれ。何か分かったらジャムに情報を集めて欲しい」
「畏まりました。お嬢様、お気をつけて」
「ジュエルが言うんなら……すぐ行って来るわね!」
ワシはある事を思い出す。
「欲しい物がある時……」
ワシは真っ直ぐ走り出した。何処をどう走ったか正直分からん!
♢
辺りは少しだけ暗くなっている。灯はあまりないが、ワシは迷う事なく目的地に到着する。
―バン!
「店主!」
「びっくりした!なんだジュエルさんか。また来たの?」
「必要な物ができたのじゃ!」
「お?やっと私の道具が生きる時が来たんですね」
「そうじゃ!何かないか!?」
「いやいや、どんな物が必要か聞いてないんだけど?」
「ツールを探すアイテムが必要じゃ!」
店主にこれまでの事情を話す。と言ってもツールが居なくなって、探したいとしか伝えられんが。
「それは連絡つかないのかい?」
「そうなのじゃ。魔力を通しても反応がないんじゃ」
「距離の問題かね?圏外なのかもしれないね」
「これは距離があったのか!?」
「そりゃそうだよ〜アイテムは万能じゃないからね」
「知らんかった……」
「言ってないからね!」
言ってないからね!じゃない!!あーでも今は構ってる場合じゃない。
「それならそれは?」
「それ?」
気付かなかったが、腕輪が少し光っておるぞ?
「成る程ねぇ〜これは近いと反応しないのか。遠距離用のアクセサリーだったんだね」
「分からんかったのか?」
「動いてみないと分からないんだよね〜」
「そうか!それでこれはどんな能力があるんじゃ?」
「さ〜?それを調べるのはジュエルさんでしょ?」
「うわぁ……投げやりじゃな」
しかし道は開けた気がする。これは使わない手はない。
「ではやってみるかのう!」
「その思い切り!流石です!さてどうなるか!」
―キラッ……キィィィ……
腕輪が光り眩しさから目を瞑ってしまう。
「どうなったのじゃ店主?」
目を開けるとて……
「何処じゃここ?」
自然に囲まれた外におる。そして店主もいなければ、建物すら見当たらない。
結局これは何の効果があったのか?一人持ちの中で首を傾げるのであった。
バーン「ジュエルは何処に行ったのじゃ?」
アズ「何処かに行ったわよ」
バーン「まさかジュエルも行方不明に!?」
アズ「一人で行きたいところがあるって言ってたわ」
バーン「一人じゃとぉ!?何をしておるのじゃ!危ないじゃないか!」
アズ「街には居るんだし……あれ魔力が感じない?」
バーン「何じゃとぉぉ!?ジュエルゥゥゥ!!」
ペンタゴン「あれ?バーンは何処だ?」
アズ「ジュエルを探しに行ったわ」
ペンタゴン「あの一族はじっとしていられないのか……」
アズ「あー無理じゃない?」




