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ジジ転世〜ワシがオナゴでふぁんたじー〜  作者: みけな
第三章 学び教える記憶
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第七十九話 ワシが優しいが故!

今日は余裕もって投稿!この時間に予約するって久しぶり?w


ブックマーク、誤字報告、評価、読んでくれた皆様。

ありがとうございます(*'ω'*)

 新学期が始まり、いきなりの課外授業と忙しく日々は過ぎていく。


「おはよう御座います。お嬢様」

「あぁ……おはようジャム」


 今日は何か機嫌が良いかのう?いつもよりニコニコしておる。


「どうかしたのか?」

「いえ。今日は如何しますか?」

「今日は学園も休みだからのう……」

「何かご予定は?」

「少し遠くまで走るかのう」

「今日はやめた方が良いかと。天気が崩れるかも知れません」

「夏じゃしなぁ……急な天候で濡れるのも面倒じゃな」


 ジャムが言うならその可能性が高いと言える。別に濡れる事自体は良いのじゃが、泥濘みを走るのは好きじゃない。


 それであれば道場で訓練でもするかのう。


「あれは……エルとライドか」


 遠目から二人が訓練しているのが見える。あの二人はよく訓練を共にしている事が多い。それに今日はそれ以外にも訓練しておる者がいるようじゃ。


「仕方がないのう。今日は図書館へ行くとしよう」


 ジャムが雨予報をしておるのだ。室内で大人しくするしかないのう。




 ―ガラガラ


 図書館扉を開けると、満席状態である。


「この図書館がこんなににぎわった事が未だかつてあっただろうか?」


 中を少し覗くと、席に人が集まっておる。


「あれはスノウとファクターか」


 後輩に勉強を教えておるのか?順番待ちが出来るくらい大盛況である。


「ここも人が多いのう。邪魔しても悪いし、違う所に行くとしよう」




 それにしても今日はどこも混んでおる。休みだと言うのに、何故こんなに学園に人がおるのか。


 行き場がなくそのまま学園の外に出る。


「そうは言っても行くところがないんじゃが……」


 街をふらふらと当てもなく歩く。


「休日に一人と言うのも、久しぶりじゃな……ん?あれは?」


 キョロキョロと周りを警戒しながら、脇道に入って行くツールを見た。


「そう言えば、今日はツールに会っておらんな」


 学園に人が多いから、ツールも外に出掛けたのか?それであれば、ワシを誘ってくれれば良いのに……ってワシも誘ってないし。言っても仕方がないじゃろう。


「暇だのう…………」


 キョロキョロと目だけで周りを警戒する。誰もワシを気にしているものはおらんようじゃ。それであれば……


「どこに行くか追いかけてみるか」


 特にやる事も無いので、ツールの尾行をしてみることにした。


「ツールも街に買い物とか来るんじゃなぁ。ずっと訓練しているかと思ったぞ」


 ん?それはワシが付き合わせているからか?ここ数年は休みの日も一緒に居るからのう……


「む?店に入ったぞ?あそこは……彫金の店か」


 アクセサリーに興味があるのか。知らんかったな。


 アクセサリーに関しては今も普通にしておるからな。魔力を通せば声が届くネックレス。未だに使い方が分からんブレスレット。


「もしやブレスレットの使い方を調べておるのか?三年も経つのに今更?あ。出て来た!何かを持ってこちらに……」


 振り返れば人混み。曲がり角もないし、隠れられそうな場所もない!


「《パワーライズ》!逃げ場なら上!!」


 ―ターン!タッ!


 周りにいた者がワシを目で追い上を見上げる。


 ええい!見るでない!バレるではないか!っと手でツールを指差す。すると街の者は何かに頷き前を向く。


「こんにちは!」

「やぁツール君。お買い物かい?」

「あ、はい!そうです」

「随分と嬉しそうだね」

「予約したのがやっと来て。今日に間に合って良かったです。そう言えば上に何か……」

「おっとツール君。よそ見をしてそれを落としたら大変だよ。前を向いて歩く方がいいぞ」

「そうですね。ありがとうございます!それじゃ!」


 グッジョブじゃ街の人!ツールはそのまま学園の方へと歩いて行った。


 ―シュタ!


「助かったぞ」

「別に見つかっても良いんじゃないか?」

「そうかも知れんが、誘われていないのに後をつけたと思われたくないしのう」

「はは。そうだな。乙女は大変だな」

「なんじゃそれは?」


 とにかくツールの尾行はこれでおしまい。やる事なくなったワシは次はどうするか考えておると……


「む?あの店のたたずまいは?」

「どうした?」

「なんでもないのじゃ!ではな!」

「おう。またなジュエルのお嬢さん」




 街の人と分かれて、路地の奥にある店に入る。


「いらっしゃい……って君か。久しぶりですね」

「店主も元気そうじゃな」

「私はいつもこうですよ」


 いつかツールと来た怪しい店に入ってみた。どうせ暇だし、よく分からん物を見てれば時間も潰せるじゃろう。


「何か探し物かい?」

「そんなんではないぞ。暇つぶしじゃ」

「はっきり言うなぁ〜暇つぶしで来れるとこじゃないんだけど」

「オナゴの買い物なんぞ、8割は暇つぶしじゃて」

「はは。確かに〜」


 他愛もない会話をしつつ、店の中をぐるぐると見ていく。


「そう言えば店主よ。このブレスレットは何に使うんじゃ?もう三年も経つが、使い道が分からん」

「私に言われましても。何もないなら、まだその時じゃないだけですよ」

「いつか役に立つのか?」

「それは貴女次第ですよ」


 何とも煮えきらない回答。まぁ変なデザインでも無いし。ツールもつけておるから、その時が来るまでつけていよう。


「しかし、代わり映えせんのう」

「模様替えとかダルじゃ無いですか〜欲しい者があれば言って貰えれば探しますし」

「そうじゃなぁ……何か面白そうなものはないか?」

「面白そうなって。漠然としても……あ、これなんてどうです?呪われた指輪シリーズ!」

「お主は客に呪われたシリーズを売るのか?」

「面白そうな物って言ったじゃないですか。何の効果があるかは貴女次第!どうです?」

「さりげなく進めるでない。外れんかったらどうしてくれる?」

「…………さぁ?」


 この店主は……引っ叩いてやろうか。


「そう言う訳で、必要な物が無いとこの店では暇つぶしも出来ないって事ですよ」

「自分の店をそこまで言うか?」

「私は嘘はつけないので」

「まぁ仕方がない。少しは話し相手になってくれたし。暇つぶしのはなったかのう」

「そう言ってくれると嬉しいですね。ジュエルさんはお得意様ですから」

「二種類しか買ってないがのう」

「いえいえ、ここに来て頂くだけでも……ね」


 よく分からんが、潰れず今も健在であればそこそこ売れておるのじゃろう。


「ではな。今度は何か欲しい物を探しに来るぞ」

「はい。ジュエルさんが気に入りそうな物を用意出来るよう、全力で頑張りますね」

「はは。期待しておる」


 そのまま店を出る。前回同様ただ真っ直ぐ歩く。何故かは知らんが、そうしなければいけない。ただそう思ったから…………




 そして学園に到着した。


 さっきまで沢山いた学生達が嘘のようにいない。


「これであれば、訓練所も校庭も開いておるじゃろうな。その前に……」


 ―ぐぅ


「ワシとした事が朝食を食べておらんのう。腹時計的には昼飯か」


 真っ直ぐ学食に向かうと、エルとファクターが入口におる。


「二人も昼食か?入らんのか?」

「あーえっと、入るぜ。だがな準備が……」

「エルダーン!ごほん!おばちゃんが清掃中だから、少し待って欲しいと言われていてな」

「そうなのか。であれば、ワシも手伝いを」

「それは良いそうだ!」

「いつもテーブル拭いたりお手伝いは出来るぞ?」

「とにかく待って欲しいそうだ!」

「まぁそう言うのであれば、無理に入るつもりはないが」


 エルとファクターが大きく息を吐く。何か二人ともおかしいぞ?何かを隠しておるような?


「何か隠し事か?」

「「んな!?」」

「二人とも分かりやすいのう……そうなると朝に訓練所も図書館も混んでいたのは、誰かの差し金か?」

「そんな事はない」

「そうだぜ!今日はたまたま皆の時間が被っただけだって」


 もはや隠すつもりがないのか。いや、この二人だからこそか?無理に暴くときっとライドやスノウが起こるだろう。


「まぁ何かあると思うが、詮索せず待ってやろう」

「助かるジュエル」

「サンキュージジ!」

「二人も大変じゃのう。そう言えばツールは一緒ではないのか?」

「いや、いるが……」

「あーすまん。それ以上は聞かんよ」


 そして再び安堵の息を吐く。ワシがガツガツ行くタイプであれば、二人には止められんじゃろうな。これはワシが優しいが故!


 ―ガチャ


「もう良いわよ」

「どうぞ入って下さいな」


 なんてエルとファクターと待って数分後。ライドとスノウが学食の扉を開け、中へと向かい入れる。


 ―パァァン!

 ―パァァン!


「うぉ!?なんじゃ!?」

「「「お誕生日おめでとう!」」」


 学食に入ると、そんな事を言われて気がつく。


「今日……誕生日じゃったか」

「そうだよ。十歳の誕生日おめでとう」


 ツールからプレゼントを貰う。


「開けても?」

「どうぞ。喜んでくれると……」


 中を開けると、何かが入った小さい箱が入っている。それを取り出して、蓋をそっと開けてみる。


「指輪……」

「つけても良いかな?」


 呪われた指輪シリーズが脳を過ぎったが。スッと右手の薬指にはめてくれるツール。


「綺麗……ありがとうツール。大切にする」

「うん」


 ツールから貰った物であれば、呪われていようと関係ない。それにこんな綺麗な指輪がそんなはずない。


 私は今日で十歳となりました。

エルダーン「なんとか秘密は守りきったな」

ファクター「エルの慌てようで、俺は緊張しっぱなしだった」

エルダーン「ファクターだってあわあわしてたぞ?」


スノウ「結果はあの顔見れば分かりますよ」

ライド「そうだな。ジュエル嬉しそうだ」


エルダーン「なぁファクター。ちょっと」

ファクター「あらたまってどうした?」

エルダーン「指輪ってやっぱり嬉しいものか?」

ファクター「それは……どうだろうな。女の子は欲しい物なのか?」

エルダーン「分かんないから聞いてんだって。でも指輪つけると、槍を振る時邪魔そうじゃないか?」

ファクター「それもありそうだな。もしかして、杖を握る時に痛かったりするのか?」

エルダーン「知らないって……後でツールに聞くか」

ファクター「そうだな」


ツール「ん?視線が?」

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