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ジジ転世〜ワシがオナゴでふぁんたじー〜  作者: みけな
第三章 学び教える記憶
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第七十一話 初めてのボス戦②

担当店舗が増え……

なんかもう分かんなくなってきたわ!

ノリと気合で乗り切るしかないo(・x・)/


ブックマーク、誤字報告、評価、読んでくれた皆様。

ありがとうございます(*'ω'*)


 全体の構成は見た。ゴブリン達は全部で六匹。指揮官に戦士と盗賊。ハンターに攻守の魔導師が二匹。隠れて近づいて来た盗賊は壁に埋もれてまだ動く気配はない。


「そうなれば……やはり魔導師がセオリーよね。ツール!片手用の剣を!」

「分かった!」

「ジュエル?」

「ごめんねスノウ。私は奥の二匹と遊んでくるわ……」

「言葉が……いえ、分かったわ。気をつけて」

「スイッチ入ったのねジュエル!これは楽しくなって来たわ!」


 頭の上にいるアズが少し鬱陶しい。私が動けばついては来ないだろうから、少しだけの我慢か。


「ファクター!前に出るわ!」

「ジュエルの言葉が……そう言う事か。後ろは任せろ」

「任せた!」

「……出来たよジュエルちゃん!」


 ―ッダ!


 ツールの声と共に走り出す。地面に刺さった片手用の剣を掴み……


 ―パシ!


「《パワーライズ》《アトリビュートグラント》《ファイヤーソード》」


 ―ズボ……ボォウ!


 しっかりと手に馴染む。緊張もどうやら解けたようだ。魔力の流れも問題は全くない。いつも通り私好みのいい剣だ。


「ありがとうツール!」

「足りないところは僕が埋めるから、楽しんできて」

「ふふ。お言葉に甘えさせてもらうわ!」


 ―ダン!


 ツールにあんな事言われたら楽しむしかないわね!一歩につい力が入ってしまう。

 ツールが作った壁は崩れている。相手からは私の姿は見えているだろう。しかしそんなのは関係ない。


「今の私が見えるかしら?」


 ―ッサ……キィィィ……


 魔導師のゴブリンがいた所より、少しだけ通り過ぎる。何かと剣が当たった甲高い音が、少しだけ響く。それを止めるかの様に私は剣を振る。


 ―ブン!

 ―ギィ?


 短いゴブリンの声。


 その後すぐに何かが落ちた音。


 ―バタァァン!


 その場でゴブリンは前のめりに倒れて動かなくなる。


「ふふ。少し早過ぎたかしら?次は……」


 ―ギギャ!?


 隣にいたゴブリンが突然倒れた仲間に驚く。指揮官らしきゴブリンへと視線を向けている。


「あら?見えてないのかしら。私に背中を向けて……」


 ―ッサ……キィィィ……


「楽しむ時間も無かったわね」


 ―ブン!

 ―バタァァン!


 ―ギギィ!!


「何を言っているか分かりませんが……次はあなたが相手をしてくれるのかしら?」


 そして指揮官のゴブリンに向けて走り出す……


 ―ガコン!


「へ?」


 走り込んだ二歩目の床が突然なくなる。


「ボス部屋に罠とか頭おかしいのじゃぁぁ……」

「ジュエルちゃぁぁん!?」

「ふぬ!」


 ―ザク!ザザザ……


 何度も落ちて慣れたワシに、不可能なんぞないのじゃ!持っていた剣を壁に突き刺し勢いを止める。そしていつもの様に空中に足場を作る。


「とう!」

「ジュエルちゃん!」

「安心せい!無事帰還じゃ!」

「ぶは!ボス部屋でも罠にかかるとか!あはは〜おかしい」


 ワシの姿を見て安心そうな顔をするツール。そしていつの間にか居なくなってた、アズがその頭の上で笑いこける。

 今すぐツールの元へ行き、アズを握りしめたい。しかし罠があるなら周りに迷惑がかかる。下手に動いてこの状況を悪化させる訳にはいかん。


「ファクター!どうすれば良いのじゃ?」

「そこから動かず援護出来るか?」

「任せよ!」


 今立っておるのは三匹だけじゃ。指揮官はツールと一緒に牽制すれば何とかなるじゃろう。


 後はあの二人次第じゃな。




 ♢




 ジジがいると言うだけで安心出来る。スノウに近づいた一匹のゴブリンを蹴り飛ばし。魔導師二人もあっという間に倒しちまった。


「勝てないなぁ……」


 子供の頃はいつも一緒に稽古をしていた。そんなに差は無かったはず。

 しかし魔法の事になると、あいつは何でもすぐに出来てしまう。負けないように努力もしてきた。その結果がこの差である。


「ゴブリン一匹で躓いてたらダメだよな」


 一人で何を言っているのか。でも言わないと何でも出来るジジに嫉妬で……


 ―ガコン!


「へ?ボス部屋に罠とか頭おかしいのじゃぁぁ……」


 綺麗に目の前から消えるジジ。

 そして何事もなかったかのように帰還する。


「はは……しまらねぇなジジは」


 完璧に見えても運に恵まれてなかったり、たまに馬鹿をするところは昔から変わらない。


「誰でも完璧って訳じゃないんだよな……」


 目の前のゴブリンを見る。俺の攻撃を捌かれているけど、攻撃に関してはその隙を与えていない。


 俺に出来る事を着実に積み重ねるしかないな。


「悪いがここからは本気でいかせてもらう!」


 ―ギギィ!


 言葉が通じていないはずだが。相手に返事をされた気がした。一人の戦士として……俺の戦いはこれからだって感じた。




 ♢




 エルの方を見ると、何やら邪魔してはいけない雰囲気じゃ。まぁ見た限りは優勢であるし、ほっといていいじゃろう。エルはあれでかなり強いからのう。


 そうなるとライドの方は……


「よっは!せあ!」


 ―ギギャ!?


「ライド〜手伝うか〜?」

「いらないわ!ジュエルの援護だと当たりそうで怖いから」

「失礼な!そんなノーコンではないのじゃ!」

「冗談よ!こいつは私一人でやらせて欲しいわ!」

「分かったのじゃ」


 そうなるとこの指揮官を何とかすればいいか。


 ツールとワシに挟まれ、先程からその場を動かない。何かあるんじゃないかと思う。

 あ、罠があったな。


「近づけないのは面倒じゃな……いっそ」

「ジュエルちゃ〜ん!皆が動けるようになるまで、そこから動かないようにね〜」

「分かったのじゃ〜」


 最近のツールは、ワシへのエスパー力が上がっていると思うのじゃ。何かしようと考えると、それに合わせて声をかけてくれる事が良くある。


 こうなると魔法を工夫して戦うしかないか。

 その場を動けないのであるとしよう。あの場一帯を焼き払う大型の魔法で……


「あ、そうだ!広範囲な魔法もダメだからね〜僕らも皆巻き込まれちゃうから!」

「も、もちろん分かっておるのじゃ〜」


 どう戦えば良いのじゃ?考えねば……誰にも迷惑にならない魔法を……うーむ。



 無くない?



アズ「はぁ〜お腹痛い」

ツール「そんなに笑っちゃダメだよ」

アズ「でもブレないわね〜って思うじゃない?」

ツール「ジュエルちゃんは素直なんだ……あ、そうだ!広範囲な魔法もダメだからね〜僕らも皆巻き込まれちゃうから!」


アズ「さっきからよく気がつくわね」

ツール「相手の気持ちを考えると、多分こう感じてるんだろうなって分かると思うけど」

アズ「ジュエルの気持ちね……」

ツール「そうだ、アズ様。ジュエルちゃんに伝言をお願い出来ますか?」

アズ「仕方がないわね。私が助言してあげるわ〜」

ツール「アズ様が頼りです!お願いします!」

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