第六十四話 伝説のクラス
どうしたものか。問題のコンボが続く(;ω;)
仕事を何だと思ってるのか。
とっても難しい問題です(´ω`)
ー第三章 学び教える記憶ー
始まります〜
ブックマーク、誤字報告、評価、読んでくれた皆様。
ありがとうございます(*'ω'*)
月日は経つのは早いものじゃ……
「ワシの記憶を持ってしても進級出来んとは……」
「お嬢様……」
冬季休みで色々とあったからのう……まさか試験の問題が一問も分からず、実技試験で熱を出すとは夢にも思わなかったのじゃ。
「と言う夢をみた。寿命が縮んだわい」
「お嬢様に限って、落第するとは私も思ってません。エルダーン様ならあり得る事ですが」
「ジャムはエルに厳しいのう。あやつもここ数年で成長はしているだろうに」
あれから3年の月日が経ち、ワシらは全員中学年へと進級した。
「ワシももう時期10歳か。あまり実感はないが、早いものじゃな」
「そうですね。あっという間ではありましたが、お嬢様は変わりましたね。見た目以外は」
「ぐふっ!?これでも8センチも伸びたのじゃぞ!」
ワシはもう時期10歳を迎えようとしておる。しかしワシはあまり変わらず。身長は約130センチと少し伸びておる。オナゴの特徴は総じて変わっておらんが。自身の胸を触ってみる。
「大丈夫です。女の子は15歳まで成長すると言われています。お嬢様もきっと奥様のように……」
「母上も背はあまり高くないし、胸もあまりなかった記憶があるのじゃが」
ジャムの身体つきと自身を比べる。ジャムは身長が165センチとオナゴの中でも大きい方らしい。胸は下から覗いて顔が見えんくらいにはある。別にこの歳であんなにあるのは異常じゃが。しかしこのまま歳を重ねても、ジャムのようになるとは思えない。
「何故じゃ……同じオナゴとしてこうも違うのか?」
「私はその……もう成人していますから」
「何を食えばそうなるのじゃ?ミルクか?やはりもっと摂取せねばならんか?」
「それは何とも言えませんが……」
人の成長には、十分な食事と適度な運動。後は睡眠をとる事のはず。食事は甘いものが少しばかり多い気もするが、肉や魚も好き嫌いなく食べてはおる。運動だって人よりたくさんしておるし、夜更かしもそんなにしておらん。
「まぁ考えても仕方がないのう。人の成長は神のみぞ知るじゃ。では準備して学園に行くとするかのう」
今日から新学期だから、少し早めに教室へ向かうとしよう。ワシらも中学年になったからには、他の者への示しというのも大切じゃしな。
教室の戸に手をかける。
―ガラガラ
「一番乗り……」
「おはようございますジュエル」
「スノウはおるよな。おはようなのじゃ」
「ごめんなさい。今日から中学年となるので、小学年の示しと思いまして」
「考える事は一緒じゃな」
ワシと同じ考えを持っているとは、さすがはスノウ。クラスのお姉さんポディションは揺るがないのう。今朝話したからではないが、改めて見ると……
「どうかなさいましたか?」
「スノウは変わり過ぎではないか?」
「何の話ですの?」
今朝の話をスノウにする。するとスノウは口に手を当てて、クスクスと笑う。その笑みは嫌味などは一切感じられない、上品なお嬢様そのものじゃ。
「人の成長はそれぞれです。私は少しだけ早いだけですわ」
「とは言えのう。身長もワシより高いし、胸も……」
「これはこれで変な視線を集めるので、私はあまり嬉しくはないですが」
「ないよりは良いじゃろ?」
「それも相手次第と言うものですわ。ツールさんは何と?」
「何故ここでツールが出てくるのじゃ?」
「何故ツールさんかと言われると。それはジュエルが一番分かっているのではなくて?」
ワシが一番分かっておるって……スノウは何を言うんじゃろうな。
「ワシは……」
「おはよう!あれ?二人だけ?」
「おはようございますライド」
「おはようなのじゃライド」
勢いよく扉を開けたライド。ワシがスノウの席近くで立っているのを見て近づいてくる。
「何の話?」
「成長の違いについて話していたのじゃ!のうスノウ?」
「ふふ。そうですわね」
何か含んだ言い方をされるが、何とかツールの話題を変える事が出来たかのう。
「成長?そんなの気にしてるのか?」
「そんなのとは……」
そう言うライドは、このクラスで誰よりも背が高い。背もじゃが、問題の胸も……
「成長期なんて人それぞれじゃん?ジュエルもこれから伸びるって!……多分な!」
「多分なのか?」
「女の子なんだし、背が低い方が可愛らしいし。これもない方が動きやすいから良いと思うけどな」
パシンと胸を叩き、弾き返す弾力を持っておるライド。別にそこまで欲しいとは言わんが……言わんが!
「それに相手次第だろう。ツールは何て言ってんの?」
「ライドまで……」
「なんだ?ツールは大きい方が好みなのか?」
「そう言う訳じゃないと思うのじゃが……」
「ふふ。ね?私と同じ意見でしょう?」
「気になるなら聞いてみようか?さっき追い抜いたから、もうすぐ来るはずだぞ」
―ガラガラ
ライドが言った後、すぐにツールが教室に現れる。
「この話は終わりじゃ!良いな?」
「仕方がないですわね」
「聞かなくて良いのか?」
「やめてくれ……」
「嫌ならしょうがないな。おはようツール!」
「おはようございますツールさん」
「おはようツール」
「スノウさん、ライドさん、ジュエルちゃんおはよう」
三人で集まっている席に向かう事なく、ツールは自分の席に行った。
「ツールはデカくなったよね」
「それは私も思いました」
「そうじゃな。最近隣にいると首が痛いと思う事があるぞい」
「隣にねぇ……」
「素敵ですわね」
「すぐそっち方面に話を持っていくのじゃな!」
チラッとツールの方を見る。ここ三年でメキメキ伸びたツールは、今やライドの次に背が高い。
体つきも一緒に走っているからか、がっしりしているけど細身である。
目を隠すような髪型は変えてないけど、チラッと覗く目にドキッとする事も……
「「じー」」
「な、何じゃ?」
「ジュエルはツール見過ぎじゃない?」
「そうですわね。私達が言わずとも意識してますわよね?」
「いやいや!ツールも背が伸びたな〜って見ていただけじゃ」
「そうか」
「そうですか」
ぐぅ〜この二人には勝てそうにない。
―ガラガラ
「おや?皆様お揃いで。おはようございます」
「おう。ファクターおはよう」
「おはようなのじゃファクター」
「おはようございますファクター」
ファクターも挨拶だけして自分の席に行った。
「ファクターはあまり変わらないよね」
「そうじゃな」
「そんな事ありませんわよ。背も一年で3センチ伸びてましてよ」
「「……」」
「それに髪も伸びてますし。少し筋力もついているんですよ」
「「そ、そうか」」
スノウはこう言うところも変わったのう。恥ずかしがる事もなく、堂々とファクターの事を語る。聞いているこっちが恥ずかしくなるわい。
「そう言えばエルはどうした?」
「さぁ?寝坊じゃない?」
ライドに聞いてみたが、あまり興味なさそうな返事が返ってくる。
「ファクター。エルはどうした?」
「俺は起こしたぞ。一度は……な」
「やっぱり寝坊だ。まぁそのうち来るんじゃない」
そう言ってライドは自分の席に戻る。話はここまでかのう。ワシも席に戻るとしよう。
そして始業の時間が迫る。
―キーンコーン、キーンコーン
「やはり来ないか。寝起きが悪いのは仕方がない事だ」
「そうかな?もう来ると思うけど」
「ライド何を?」
―ガラガラ
窓を開けるライド。そして飛び込んでくる影。
―ゴォウ!ズザァァ……
「だぁ!間に合った!」
「ほらね」
「ナイスだライド!」
「始業式に窓ガラス破られたくないからね」
―ガラガラ
「みなさん揃ってますね。少し焦げ臭いですけど」
「何故でしょうね」
「エルダーンさんは後で職員室に呼び出すとして。朝礼です。皆様移動しましょう。伝説のクラスを待ってますよ」
「伝説とか大袈裟じゃて」
「あれだけの事をしておいて、今更ですよジュエルさん」
あれだけの事って、ワシらはただ普通に生活しただけじゃがのう。
「今日は壊れてませんが、教室は100回以上壊したんですから」
「それはエルのせいじゃろう」
「ここの教室に限らないですよジュエルさん」
「……すまんのじゃ」
「小学年で壊した数々の施設。伝説と言わず何と言いましょうか」
壊す度に給料から引かれた教える先生。向こう何年もただ働きコース……恨み言の一つくらいは受け止めようぞ。
「ツールさんとジャムさんが直してるから、良いんですけどね」
給料は無事出るようになり、このネタで毎回黙らされる。
「シエル先生。そろそろ移動した方が良いんじゃないですか?」
「そうですねツールさん。行きましょうか」
「ツールに激甘じゃな」
「…………ジュエルもね」
「何じゃスノウ?」
「ささ。向かいましょう」
皆で教室を出る。
今日から中学年!新しい一日がまた始まる。
スノウ「先に行くますわよ」
ライド「置いて行くなって」
ジュエル「さっさと行くかのう」
エルダーン「はぁまた職員室行くのかぁ」
ファクター「朝早く起きれば良いだけだろう」
ツール「そうだね。朝早く起きて一緒に走ろうよ」
エルダーン「ジュエルと走ってるんだろう?朝早いし、走るのも速いし俺はもうきつい」
ファクター「昔は一緒に走ってたんだろう?」
エルダーン「あの頃はミラージュ様が止めてくれたからね」
ジュエル「ツール!」
ツール「ジュエルちゃんが呼んでるよ。皆行こう」
ファクター「呼んだのはツールだけだがな」
エルダーン「まぁいつもの事だ。行こうぜファクター」




