第五十二話 安静と言う休息②
今期のアニメは豊作だ!なんと言っても!待ちに待った無職転生が始まった( ^ω^ )
1話見たけど、ダイジェストなあの作品とは違って良い!期待できますね!
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ありがとうございます(*'ω'*)
食事を置いていったジャム。扉の奥から母上の声も聞こえたが、どうせ聞き耳でもたてていたのじゃろう。親とはそんなもんじゃ。今回は不問にしようかのう。
「はい。ジュエルちゃんの置いとくね」
「すまぬツール」
ベットの横に置かれた朝食。湯気が出ている暖かいスープ。新鮮な野菜と肉を挟んだサンドイッチ。
―ぐぅ……
お腹を抑えていた手を伸ばした途端に鳴った。なんたるタイミング!
「昨日から何も食べてないんだし。しょうがないよ」
「そ、そうじゃよな!」
「だから慌てずゆっくりで良いからね」
―ぐぅ……
ワシのお腹は我慢と言う言葉を知らんのか?続け様にこれでもかと鳴る。先にスープを飲んで胃に何か入れなければ……
―カタカタカタ……
スプーンを持つ手が震える。なぜじゃ?走ったはずなのに、手がこうなる理由は何なのじゃ?
―カチャン
スプーンを落とした。
「なぜじゃ?手が……」
「ジュエルちゃんのお母さんから聞いてるけど、走る際にバランスや勢いをつけるために腕を振るらしいよ」
「確かにそうじゃな」
「足は走ったりしているけど。腕を振る事は普段からあまりやってないはず。だから足以外の部分に負担は大きいって聞いたよ」
成る程。それは納得じゃ。
普段のランニングも腕を振って走ったりはせん。筋肉をつけすぎると背が伸びないと思って、あまり筋トレもやらんかった。剣の素振りもしておるが、あまり激しくはやらんようにしておったしな。
そんな後悔を今してもしょうがない。それよりこのままではご飯が食べれない事が問題じゃ。こうなれば強化して、無理やり動かすしか……
「ジュエルちゃん。魔法はダメだからね」
「んな!?使う訳なかろう!」
「使おうとしたんだ。ダメだよこれ以上は無理させないからね」
「う、うむ」
そうなると困った。スプーンを握れず落とす。そうなれば、サンドイッチも手で持ち食べる事も出来ん。積みじゃ!
「今日はその為に僕がいるんだから」
「それはどう言う……」
「はい。どうぞ」
スープをスプーンで掬い、ワシの口元までツールが持ってくる。
これは俗に言うあーんではないか!?前世でもやった事がないあの……
「ほらほら。溢れちゃうよ?」
「むぅ……あーん」
口の中に広がるスープの香り。舌を通過し、胃に流し込まれる優しさ。
「美味いのじゃ」
「ふふ。それじゃもう一度」
「あ、あーん」
あぁ染みるのう……恥ずかしい事には変わりないが、今は空腹を満たす事が先決。致し方ない!
「サンドイッチは少し大きいから、一口サイズに切っちゃうね」
「あーん」
「すぐ切るから待ってね。はいどーぞ」
うむ美味いのじゃ!空きっ腹が満たされていく。その後も食べ終わるまでツールが食べさせてくれた。
たまにはこんなのも悪くは……
―コンコン
「失礼します。お着替えとお湯とタオルこちらに置いておきますね」
「んぐぐ……」
サンドイッチを頬張りすぎたか。喋れん。
「ん?ありがとうございます?」
「ツール様。宜しくお願い致します」
そう言えば、なぜこのタイミングなのじゃ?ワシが食べ終わるのを待っていたかのような……そして着替えとお湯とタオルを置いていった意味はなんじゃ?
「これどうするんだろう?口でも拭くの?」
「お湯とタオルは体を拭いたりする時に…………」
「え?」
「え?」
そう言えばあれだけ走って、ワシは風呂に入っておらん。それでお湯とタオル……いやいや、冷静に考えるのじゃ。ワシは臭うか?
「臭くはないが。風呂に入っておらんのは気になるのう」
「それじゃ僕は出て行くね」
―ガチャ
「あれ?開かない」
「申し訳ありません。誤って鍵が閉まってしまいました。マスターキーを持って来るので、その間ツール様に拭くのをお任せ致します」
「お任せってちょっとジャムさん!?」
扉の向こうから聞こえたジャムの声。気配が少しづつ遠のいてくのが分かる。まぁ良いか。とりあえず上を脱ぐ……う、腕が上がらん!?
「お任せしますって……どうしようジュエッ」
「とれんのじゃ。引っ張ってくれツール」
服を脱ごうとして、腕がうまく伸ばせず頭が引っかかる。もがいていると、ツールが服を引っ張り……
―ガバ!
「おぉ?なんじゃ脱がせたのではないのか?」
元に戻された。
「さっきの食べさせるのに照れてたのに、なんでこっちは平気なのさ!」
「平気とは?」
「体を拭く事だよー!」
何かと思えばそんな事か。あーんに関しては気恥ずかしい気持ちがあったが、体を拭くくらいで大袈裟な。
「別に子供同士じゃし。一緒に風呂も入れるじゃろう?」
「出来ないって!」
そんなものか?小学生の低学年なんぞ、親と一緒に銭湯で入るものでは?大人の体であれば分からなくもないが、つるぺたな体を見てもどうとも思わんはず。
「良いから!簡単に見せちゃいけないんだよ!」
「そうかのう?」
「分かった?」
「ツールが言うなら仕方がない。すまぬがジャムを呼んできてくれるか?」
「すぐに呼んでくる!」
―バタン!タッタッタ……
大慌てで出て行ったツール。なんか悪い事でもしたかのう?
入れ替わりにジャムが入って来る。
「お嬢様……ツール様に何をしたのですか?」
「何もしておらんぞ?ただ体を拭いてもらおうと、服を脱ごうとしたくらいじゃ」
「まさか顔や腕を拭くのではなく体を?」
「そうじゃ。何かおかしいのか?」
「おかしいです。私が紛らわしい言い方をしたのが、いけなかったですね。後でツール様に謝罪をしないとですね」
「こんな幼児体型、見ても何にもないじゃろうに」
「……」
なんかジャムが黙ったぞ?
「お嬢様。ご自身が魅力がないとお思いで?」
「ないじゃろう。まだ七歳じゃぞ?」
「ふぅ〜ツール様の苦労が分かる気がします」
「苦労とはなんじゃ。ほれ、良いから体を拭いてくれなのじゃ。臭わんが、不潔なのは嫌われるのじゃ」
「ん〜気にしているか、気にしていないのか。お嬢様は分かりにくいですね」
「分かりにくいか!そうじゃろう!」
「なんで喜ぶのですか?」
散々分かりやすいと、色々な事を言い当てられたから。ジャムの分かりにくいと言う言葉が嬉しく思う。
「女は少しくらいミステリアスの方が魅力的なのじゃ」
「お嬢様は変な事ばかり憶えるのが早いですよね」
「変とはなんじゃ。本から学ぶ事は多いんじゃぞ?」
「……今度私が本を選びますね」
「ジャムのお勧めか?楽じゃのう」
ジャムと話をしながら、綺麗にしてもらった。体はまだ動かしにくいが、たまの休息も悪くはないもんじゃ!
ワシのいないところで、凄い話が広まっているのは今はまだ知らない…………
ミラージュ「それでどうだった?」
ツール「どうとは何でしょうか?」
ミラージュ「朝食よ。食べられたかしら?」
ツール「朝食ならちゃんと食べてもらいましたよ」
ミラージュ「そう。それなら……」
ツール「スプーン持てなかったから、少しづつですが飲んでくれたし」
ミラージュ「そう。飲んだんじゃなくて、飲んでくれたね」
ツール「サンドイッチは一口サイズに切ってあげました」
ミラージュ「いいなぁ〜いいなぁ〜ねぇ?あ・な・た?」
ジョリー「俺には何が良かったのか分かんないんだが?」
ミラージュ「分からないかしら?ツールさんはジュエルに食べさせてあげたのよ」
ジョリー「そうか……なんだと?まさかジュエルにあーんしたのか!?」
ツール「はい。しましたけど」
ジョリー「堂々とした態度!?」
ミラージュ「だから私もして欲しいなぁ〜」
ジョリー「ツール君が見ているじゃないか」
ミラージュ「良いじゃない。私達は夫婦なんだし」
ジョリー「っぐ!?男は度胸!あーんだミラージュ」
ミラージュ「んぐ……ふふ。若い頃を思い出すわ。ジョリーてば顔を真っ赤にして、可愛かったわ」
ジョリー「勘弁してくれ」
ツール「ぼ、僕こんな事してたのか……」




