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ジジ転世〜ワシがオナゴでふぁんたじー〜  作者: みけな
第一章 消える事のない記憶
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第五話 興味が止まらない!

子供って予想もつかない事をするものですね(`・ω・´)


ブックマーク、読んでくれた皆様。

ありがとうございます(*'ω'*)

 母上が色々とご教授してくれる。時折、首を傾げるがそこは愛嬌で乗り越えるのじゃ。


「まま、しゅき!」

「あ〜もう可愛い!」


 そして魔法の練習を始めて数分。体に巡るマナは理解した。それを外のマナと繋げるのかがいまいち分からん。


「自然界に水はいつも一緒にいてくれるのよ。例えば雨はなんかそうね。湿った空気が空に上がり、雲になって草花に恵みを与えているの」


 成る程のう。自然界の雨なんかは間に見えるから分かりやすい。そうか自然界の元素か。水素と酸素を合わせるのだな。ふむふむ……


「《えありーどろっぷ》」


 ―ぷくぅ


「え?」

「あう?」


 出来てしまったワイ。もしかするとワシって天才……


 ―ぱぁん


 そして目の前のシャボン玉は、すぐに割れて無くなった。


「嘘?出来ちゃった?」


 母上が驚いておる。もしかしてやってしまったか?二歳で魔法が出来るなんて、おかしいのか?魔法と言う言葉に興奮しすぎて、自重する事を一切考えておらんかった。


「…………」

「まま?」

「天才よ!凄いはジュエル!」


 大喜びである。これはこれで良かったのかのう。


「ジョリーに教えてあげなきゃ!」

「あぁー」


 そのまま抱えられて、ワシは父上のところまで担がれた。



 ―コンコン


「空いているよ」

「ジョリー!」

「どうしたミラージュ。君がそんなに慌てるなんて珍しい」

「ぱぱー」

「おぉ、ジュエル。愛娘も一緒か。そう言えば、もうすぐ鍛錬の時間か」


 机に並ぶ書類をしまい、父上が立ち上がる。


「ジョリー!ジュエルは天才よ!」

「とりあえず落ち着け。どうしたんだ?」


 母上が父上にワシが魔法を使えた事を話す。落ち着かない様子で説明するから、困惑気味な父上。


 そして一緒に庭に出て来る。


「さぁやるのよジュエル!」

「あう?」


 とりあえず一度惚けてみる。言葉を完璧に理解はしておらんと言う、ワシなりの予防線を引いておく。


「やれと言われて出来んだろう。子供は親の真似をすると聞くが、きっとミラージュの真似をしたんじゃないか?」

「あ。成る程!」


 うむ。ナイスフォローである父上。


「ジュエル見てて……《エアリードロップ》」


 ―ぷくぅ……ぱぁん


 魔法の実演をする母上。期待した目で見てくる。これはやるべきだろう。


「あい……《えありーどろっぷ》」


 ―ぷくぅ……ぱぁん


「上手よジュエル」


 頭を撫でて褒められる。


「まさか、本当に出来るとは……しかもミラージュの魔法はレベル1とは言え、水と風の混合魔法だぞ」

「凄いでしょう!」

「あう?」


 混合魔法とは凄い事なのか?魔法についてはまだ勉強不足なワシには凄さが分からん。


「水と風持ちか……炎が使えるかと思ったが、遺伝でも何が扱えるか分からんしな」

「あら?それならジョリーの魔法を見せてみたら?案外使えちゃうかも知れませんよ?」

「三属性出来るのか?まぁ前例が無いわけではないが……どれ、一つ試してみるか」


 ふむふむ。父上は炎の魔法を使うのだな。ほれ、早く見せてみよ。


「危なくないものなら篝火だな。ジュエル行くぞ《バーンファイヤ》」


 ―ぼぉ


 掌でゆらゆらと小さい火が出た。


 ふむ。篝火とな。空気中の酸素を燃やし、大気を熱するイメージじゃな。


「あい!《ばーんふぁいや》」


 ―しゅぽ


 ライターくらいの小さな火が出た。


「小さいが立派な炎魔法だな……」

「可愛らしいじゃない」


 小さすぎたか。確かに父上と比べれば小さい。どれ、少し力を込めてみるか……


 ―っぼ


「「え?」」


 ん?大きくなったが、色が青いのう。酸素濃度が濃すぎたか……こうかの?


「たい!」


 ―ぼぉ


 うむ。今度はちゃんと赤い火が出た。


「ミラージュよ。俺は今、青い炎が見えたんだが?」

「私も見たわ。あれって何かしら?」

「俺も初めて見たが。炎を操る人の中には、温度を変えられるとか……親父でも出来ない事なのだが」

「あう?」


 必殺無垢な笑顔!


「これだけ可愛いのだ。三属性で希少魔法が使えて当然か」

「私とジョリーの子ですし。お爺様の血も受け継いでるわけですし」

「「仕方がない……」」


 ふぅなんとか乗り切ったわい。子煩悩な親で助かったわ。気を取り直し、魔法を学ぶ為には……やはり本を読まねばなるまい。剣もそろそろ学びたいところだが、今は玩具の剣で我慢するかのう。いやー異世界は実に興味深い。




 ワシの興味が歯止めを知らない中。

 母上と父上は何やら遠い目をしておったが、ワシは自重をやめただけである。と言っても両親の真似をしているだけで、実に微笑ましいじゃないか。


 そして少しずつ日課の魔法訓練は、少しずつ難易度を上げていく。


「《ふぁいやーぼーる》」


 ―ごぉう!


「……出来てしまうのか」

「ジョリー!攻撃魔法はやめて!」

「すまん。これは出来ないだろうと思って」

「ジュエルは見たものを真似ちゃうの。危ない魔法は極力撃たないで」

「そうだな……ジュエル。今の魔法は使っちゃめだぞ?」

「あい!」


 なんとも物分かりのいい娘である。今はこんなものでいいじゃろう。事故って家を燃やしたりしては、敵わんしのう。


「ジュエル。今から使うママの魔法を見ていてね。すぅ……《アクアシャワー》」


 ―ざばぁ!


「それもそこそこ危なくないか?」

「攻撃魔法ではないわよ。これは万が一燃えた時の対処法としてね」

「まぁ知っておくに越した事はないが、そんな勢いのある水魔法が出来るか?」


 父上がワシを見る。希望とあらば、やるとしよう。


「すぅ……《あくあしゃわー》」


 ―ざばぁ。


「少し弱いが、十分だな」

「私がこれを覚えたのは、学園に入ってからなんだけどなぁ……出来ちゃうのね」

「まぁ……」

「たぁい!」


 必殺無垢な笑顔!


「「可愛いからいいか」」


 こうしてワシは二人の真似をしつつ、魔力を高めるのであった。

ジョリー「子を持つとは大変なのだな」

ミラージュ「そうね。子供って想像をしない事をするものね」

ジョリー「俺も昔はこんなだったのか?」

ミラージュ「お父様に聞いてみてわ?」

ジョリー「なんだろう。親父に聞いたらいけない気がしてならんのだ」

ミラージュ「……なんか寒気が」


ジュエル「あぅ?」


ジョリー「親父には魔法の事は伏せておかないか?」

ミラージュ「私もその方がいい気がするわ」


ジュエル「たぁい!」

ジョリー・ミラージュ「「可愛い!」」

ジョリー「……なんの話だっけ?」

ミラージュ「なんでしたっけ?」

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