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ジジ転世〜ワシがオナゴでふぁんたじー〜  作者: みけな
第二章 積み重ねる記憶
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第二十六話 集え!クラス対抗戦〜借り物生産競争 ③

久しぶりに晴れた〜って感じがします。

しかし寒い(´-`)布団から出たくないと思うのは、いくつになってもかわりませんなー


ブックマーク、評価、読んでくれた皆様。

ありがとうございます(*'ω'*)

 引き当てたライドが中々こちらに戻っ来ない。エルと何かを話しているようじゃが……


「ジュエルちゃん等身大ってどうする!?」

「普通に作るのじゃ。ツールなら大丈夫じゃろう」

「ジュエル。さすがに銅像みたいな繊細な物、さっきみたいな事は出来ないわよ?」

「なーに、そこはワシに考えがある。ライドがあのお題で決めるようであれば、動くつもりじゃ」

「ライドは何をしているのかしら?あ、動いたわね」


 ―お題を確定させたライドが、猛スピードでワシらの元に来る。顔を真っ赤にして、そこまで慌てる事もないだろうに。


「お、お待たせ!!」

「どうしたのライド?顔が赤いわよ」

「な、何でもないの!ないのー!」

「そう?」


 少し遅れてエルが到着する。


「エルよ。護衛役が追いつけんでどうする?」

「だってライドが突然走り出すし、さっきよりも早くてさ」

「ライドが本気を出せばそうなる可能性はあるのう。まぁ納品時は少しゆっくりになるじゃろうし、その時は遅れるでないぞ」

「分かってるよ」


 さてでは次はワシらの番じゃな。


「このお題で良かったかな?」

「問題なかろう」

「でも等身大だよ?さっきの大剣より大きいでしょ?」

「生産側は問題ないぞ。むしろライドは運べるかが問題じゃが。出来るからここまで来たのじゃろう?」

「走れるかはやってみないとだけど。持っていくくらいは出来ると思う」

「ならば早速やるかのう」


 みなから少し距離をとり、隣のクラスに近づく。


「ひぃ!?来るぞ!皆!」

『おーっと!ジュエル選手がまた動き出しました!今度は何をやると言うのかー!!』


 解説者がワシの行動にいちいち期待をするようで、少しやりにくいのう。


「いくぞい!怪我せんようにな!」

「「「ひぃ!!!」」」

「すぅ……《アースウォール》」


 ―ズドン!


 地面に思いっきりパンチをしただけじゃが、それっぽい魔法を唱えてみた。


 ―ズズ……ドゴォォン!!


 地面が割れて、ワシを隠すように大きな山が現れる。ワシはその山の上に立つ。


「隣のクラスまで届かなかったわい!失敗じゃ〜」

『なんと地面を砕き校庭に山を作ったぁ!!どうやら不発だったようですが、あれが他クラスへ行っていたらと考えると……やはり凶あ……豪快な魔法です!』


 解説者はワシの思惑通りの解説をする。凶悪と言う点は聞かなかった事にしよう。


「ツール!後は分かるな!」

「うん!」

「腕がなるわね。私も頑張らなきゃ」


 ツールが生産に入り、スノウがその様子を見守る。テンションも上がりいい感じじゃ。


「成る程なぁ〜掘り起こす手間を省いた訳か」

「エルダーンはジュエルがこうすると分かっていたの?」

「いや、何をするか知らないけど。ジジは出来ない事は出来ないって言うから。なんとかするんだろうと思っただけ」

「ふーん。信頼してるんだね……」

「信頼って言うのか?まぁ頼りにはしてるところはあるな」

「そう……」


 テンションが高いように見えたライドは、少し様子がおかしい気がするのう。どうせエルが余計な事を言ったんじゃろう。


「像ができたら運ぶのはライド任せになる。出来るかの?」

「うん。大丈夫……」


 さっきの元気はどこ言ったのじゃ?エルの方を見ると、何も変わらずぼーっとしておる。


「どうしたのじゃライド?」

「なんでもないわ」

「ふむ。これは……」


 ワシにも分からん!今はオナゴじゃが、ずっと男をやってきたワシには難易度が高いのじゃ!


「スノウよ。ライドが元気がないのじゃが、どうすれば良い?」

「ライドが?エルダーンさんに何か言われたのではないですか?」

「やはりエルの仕業か!よし、少し話を……」

「待って!」

「ぐぇ」

「あ、ごめんなさい」


 突然首根っこを掴まれ、首が少々苦しかったぞい。


「ジュエルが行くのはやめた方がいいわ。エルダーンさんがなんとかするから、見守るだけでいいのよ」

「そんな技量がエルにあるのか?」

「あら?エルダーンさんは馬鹿ですが、ライドの扱いは上手よ?」

「扱いって……」


 スノウは何か分かっておるようじゃ。さすがずっとオナゴをやってきただけあるのう。


「出来たよスノウさん!」

「今行くわ。ジュエル。もどかしいけど、見守るのがお友達ですわ」

「よく分からんが、了解なのじゃ!ワシはワシの仕事を全うしよう」


 迫り上がった山から、スノウが器用に学園長の像を取り出す。地面から掘り起こすより、楽そうに見えるのう。思いつきでやったんじゃが、いい方向にいっておる。


「ライド!任せたわ!」

「あーうん」


 ライドは気の抜けた返事で学園長像を持ち上げる。


「っぐ。さすがに重いね」

「どうしたライド?ダメそうか?」

「さすがに走れなそうだけど、持てなくないかな」

「そうか。なら自分のペースでゆっくり行け。お前は俺が必ず守ってやる!」

「っう……エルダーンはずるいよね」

「ん?何か言ったか?」

「何でもないよ!ほら行くよ!」

「ん?ああ」


 何か元気が出てきたライドは、学園長像を軽々持ち上げ走り出す。今の会話に元気になる要素がどこにあったと言うのじゃ?


「ね?」

「ね?と言われてものう」

「ジュエルはもう少し女心を学ぶべきね。ツールさんが可愛そうよ」

「ちょっとスノウさん!?」

「なぜここでツールの名がでてくるのじゃ?」

「頑張ってツールさん」

「スノウさん!?」


 顔を真っ赤にするツールに、ニヤリと笑うスノウをワシは訳も分からず見る。これが見守ると言う事か?


 ―ボォウ!


「くそ!あの像は納品させる訳には!」

「これならどうだ!」

『Sレアの学園長像に攻撃が集中するぞ!しかしそれを全て防ぐエルダーン選手!ポイント10はでかいだけに、各クラスが慌てて妨害をします!』


 各方面から学園長像目掛けて魔法が飛び交う。さすがのレア度ってところかのう……しかし負におちんことが一つある。


「何故に生産してる途中で邪魔をせんかったのじゃ?」

「それは……ねぇ?」

「ジュエルちゃんに挑む人なんてもうこの学年にはいないと思うよ」

「そんな!ワシはまだまだ暴れ足りんぞ!」

「これは戦う競技じゃないのよジュエル?」


 くぅ〜エルの護衛役をかわりたかったぞ!そうすれば少しは……ん?原因がワシなら同じ結果か?




 Sレア学園長像を納品したワシらは、その後もポイントを重ね勝利を掴んだ。


 妨害されぬのであればするまで!ワシは試せる範囲でいろんな魔法を使い妨害した。それ以前に他のクラスがポイントを取る事は無かった……


実況者「実に清々しい戦いでした。競技そっちのけで、妨害なんてあまり見ない光景でしたね」

学園長「次の試合に行きたいところだけど。この状況じゃ継続できないよね。あはは〜」

副学園長「笑い事じゃありませんよ。どうにかして下さい」

学園長「大丈夫。もう手配はしてあるよ」

副学園長「え?どなたに?」

学園長「壊す人の世話が得意な人?」

副学園長「それって……」


ジャムストーン「僭越ながら、私がお嬢様の惨劇を納めてまいります」

学園長「彼女は説明いらないよね?時間はどれくらい必要だい?」

ジャムストーン「5分頂ければ」

学園長「だって。誘導5分後に頼むよ〜」


実況者「こんな無茶苦茶な校庭が、そんな時間で元に戻る訳が……」


ジャムストーン「終わりました」

実況者「早!?え?嘘!?」

学園長「さぁ!第二学年いってみようじゃないか!」

実況者『二学年入場です!』


二学年「「「(この空気の中……やり辛い!!)」」」


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