第二十二話 並び学園長像
忙しくてすっかり忘れていたけど。
PS5の抽選結果来ないなぁ〜
当たった!ってTwitterで見るけど、私のところには何もない(`・ω・´)もしかして、迷惑メールBOXに......なかったですorz
ブックマーク、評価、読んでくれた皆様。
ありがとうございます(*'ω'*)
クラス対抗まで残り一週間。ワシらは日々鍛錬をするようにした。今までは父上や母上に、じいじとエルじゃった。
「同じ世代との鍛錬は、また違って良いのう」
「……ぜぇ……はふぅ。死ぬ」
「大袈裟じゃな〜学園の周りを走っただけじゃろう?」
「いや……魔法を使ってるんだよ?それに、何周したと……」
「はて?そんなの数えておらんわい」
「一時間も走って、どうしてそんな涼しい顔してんの?」
「ランニングは鍛錬の基礎じゃぞ?毎日走ればライドもワシのようになるぞい」
「無理だと思うけどな」
地面に大の字で寝転がるライド。死ぬと言っていた割に、呼吸ももう整ってきておる。ライドもそれなりに鍛えてはおるのじゃろう。
―タッタッタッ……
「ふぅ……やっぱりまだ慣れないな」
「エルは繊細さが足りん。魔力は一定に、体を巡らせるように言っておろう」
「いや、簡単に言うけどさ〜」
「慣れじゃ慣れ。ほれ、もう一周」
「鬼だー!?」
「ワシも付き合うぞ?」
「大丈夫!行ってくる!」
逃げるように走り出したエル。別に取って食ったりせんのに……ただ後ろから魔法は撃つつもりじゃったが。今はライドがおるからいかんけど。
「こっちは結構仕上がってきたけど、あっちはどうなのかな?」
「向こうはファクターがおるんじゃし。大丈夫じゃろう。本当はワシが指導しても良かったのじゃがな」
「ジュエルが行っても壊すだけだよ」
「酷いのじゃ。ワシだって剣ならちゃんと発掘できるぞ」
「今回は戦うのとは違うし。芸術だよ?」
「ワシのはわからんと言うのか?芸術くらい分かんじゃがのう」
「確かにジュエルの絵は芸術っ……なんでもない」
以前に学園長を題材に、ツールのイメージ力アップの為描いてみた。
しかしワシの描く絵だけは、誰一人として良しとは言わなかった。皆の感覚がお子様なんだと、絵をジャムに見てもらった時の「これは誰かの下書きですか?」と言われようやく気づいた。
ワシに画力はないのか!と悟った瞬間でもあった。
「それは、さておきじゃ。そろそろエルが帰ってくる時間じゃな」
「まだ数分しか経ってないけど……」
足音が聞こえん。途中でへばったかのう?
「すまんがエルの事頼んだぞ。ワシは向こうの様子を見て来る」
「え?行くの?」
「大丈夫じゃ。ワシは何もせんよ」
「そう言う事じゃなくて、エルダーンと私だけに……」
「よろしくなのじゃ!」
起き上がるライドを置いてワシはツール達のところへ向かう。
♢
校庭のどこかにおるはずじゃが……
「ジュエルちゃん!」
手を振りワシを呼ぶ声に、そちらの方を見る。
「ふむ。だいぶ調子がいいようじゃな」
「僕はいつも通り作るだけだし」
「スノウは……」
「ご機嫌ようジュエル」
気に持たれて座るスノウ。
「顔色は悪くないが、大丈夫かのう?」
「ええ。とは言っても魔力は空っぽですけど」
「これだけやればそうなるじゃろう」
「あら。でもツールさんは平気そうよ」
「え?ぼ、僕は慣れてるから!」
確かに魔力を使うと言う点では、スノウと条件は同じはずじゃな。スノウに比べ、ツールにはまだ余裕が見える。
「ツールはいつからこの魔法を使っておるのじゃ?」
「いつからかは分からないけど。今で誰も僕の魔法に気づいてなかったし。ここに来たのも魔力量が多くて、使い方を学ぶ為だし」
一つの魔法のみ鍛錬をしておった事で、魔力量が上がったのじゃろう。系統の確認の時も問題なく測定出来ておったし。水晶が割れておらんところを見るにエルの少し後……五歳前後なんじゃろうな。
「そう言えばファクターはどこへ行ったのじゃ?」
「ファクターさんなら……」
「戻った。ほらスノウ、これでも飲んで休んでいるんだ」
「ありがとうございますわ」
「俺はただ飲み物を持ってきただけだ」
スノウの笑顔に顔を赤くして、目を逸らすファクター。スノウは美人さんじゃからのう。あんな笑顔を向けられたんじゃ男子はああなるのじゃろう。
二人はとりあえず放っていいて、ワシはツールが作った作品達を見る。ずらりと並ぶ学園長像を……
「これだけ並ぶと気持ちが悪いのう。これは何の像じゃ?」
「これはドラゴンに向けて魔法を撃ってる時で、こっちは机で書類整理している学園長。それでこれが息抜きに本を読む学園長」
「ツールには学園長がこう見えておるのじゃな……」
どれも表情はキリッとしており、勇ましさや儚さと言った妙な本人とはかけ離れた気がする物ばかり。
「ワシもあまり知らんが、もっと天真爛漫な感じな気がするがのう」
「そう?学園長って偉大な感じだと思ったけど。皆もそんな感じだって言ってるし」
「そうだな。学園長の武勇伝は割と世でも有名だしな」
「武勇伝とな?」
「あぁ。このドラゴンに関しては、勇者様達と共に戦ったと言う話だ。ここから先は見た事はないが、全ての属性を使うんだし知的なイメージはぴったりだと思うが」
ファクターが語る学園長のイメージに、ワシは少しだけ鳥肌が立つ。人それぞれとは思うが、じいじと同じ匂いを感じるんじゃがのう。
「今日はこの三種類なのか?」
「他のは壊れてしまったわ。成功した物だけ取って置いてるわ」
「壊れちゃたものは地面に戻して、また使うようにしてるんだ」
「土に戻すか……器用な事をするのう」
「そうかな?だって勿体ないじゃん」
再利用はいい事じゃ。物は極力大切にする気持ちはワシにはよく分かるのじゃ。ワシも前世ではフィギュアやプラモを並べておったわい。
「気に入ったのならいる?」
「いや、学園長はいらんのじゃ」
これらが部屋に並んでいるところを想像する事もせず断る。しなくても分かる!気持ち悪いのじゃ!
「それじゃジュエルも来た事ですし。再開いたしましょう」
「無理はしてないか?まだ休んでても良いんだぞ?」
「ありがとうございますわファクターさん。でもせっかくジュエルがいるのなら、成功率を上げなければなりません」
少し休んだスノウは立ち上がる。練習熱心なのはいい事じゃ。でも無理をしているようなら、しっかり止めねばな。オナゴには優しくせんといかんしな。
ファクター「スノウは大丈夫だろうか……」
ジュエル「お主、そんな心配性じゃったか?」
ファクター「さっきの魔力が空っぽと言う事で休んでいたのに」
ジュエル「本人がやると言っておるのじゃし、大丈夫じゃろうて」
ファクター「心配だ……」
ジュエル「ツールはどうなんじゃ?」
ファクター「ん?ツールは平気だろう。本人の意思に任せるさ」
ジュエル「男女で反応の落差が酷いのう……」




