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ジジ転世〜ワシがオナゴでふぁんたじー〜  作者: みけな
第二章 積み重ねる記憶
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第二十一話 お題は学園長の趣味?

仕事の環境が変わると、それについていくのがやっとです_:(´ཀ`」 ∠):

まずはスマホのバッテリー確保を……


ブックマーク、評価、読んでくれた皆様。

ありがとうございます(*'ω'*)

 そんなこんなで運動会みたいなクラス対抗の練習の時間なんじゃが……


「校庭は大渋滞じゃな」

「各クラスで割り振りとかされてないもの?」

「ぐぬぬ!こんな障害乗り越えてみせます!」

「盛り上がってるところ悪いが、校庭はどう言う基準で借りられとるんじゃ?」

「え?あらかじめ時間割を組んでて、各クラスと学年で被ったりしないように……調整……されてます?」

「なぜ疑問系なのじゃ?」

「確認してきます!」


 ワシらを置いて走り出す教える先生。昨日からよう走るのう。残されたワシらはどうすればいいのか。


「見ろよ。あのクラスの連中だ」

「そんな言い方するなよ。何かされても知らないぞ」

「おっと!」


 先に始めていたであろうクラスの数人が、ワシらに向かって言っておる。聞こえるように言ってるのであれば、ワシらは嫌われておるのか?


「まずいぞエル」

「何がだ?校庭は今、教える先生が確認中だ」

「今の聞いたかのう?ワシら嫌われておらんか?」

「さぁ知らないけど」

「我々は特別クラスだからな。授業内容も違えば、多少の贔屓があるのだと思われているのだろう」


 ワシの疑問にファクターが答える。エルはあまり気にしていないようじゃ。


「別にワシらは何も優遇されておらんが?」

「まぁ現実はそうなんだけど。そうとは思っていない人もいるんだろう。しかし、それの何が問題なんですか?」

「嫌われていては友達になれんのじゃ」

「まだそれ思ってたんだ」

「当たり前であろう!」


 むしろワシはそれが目的で学園にいるのじゃ。寂しい老後を回避する為には、人との付き合いが大切である。


 ―ダダダ……


「はぁ……はぁ……校庭の空きがありません!」

「どう言う事じゃ?」

「はぁ……校庭の事前に申請しないと、なんですが……してませんでした!」

「ふむ。それであればすれば良いだけじゃろう。今日はダメでも、別日に出来るじゃろう」

「それが……その〜……」


 何か問題があるのか、目を逸らす教える先生。何も言わなくとも、きっと悪い事なんじゃろうな。


「当日まで空いてなくて……」

「そうか。ならまずは、どんな競技か見て観察しようかのう」

「だな〜借り物なんとかもルールよく分かんないし」

「ルールなら俺が話そう」


 エルと話していると、それを聞いていたファクターが眼鏡をクイっと上げて近づく。


「借り物生産競争とは五人で一つのチームを作り、それぞれに役割をこなす。一つが借り物の確認と納品する者が一人に、その護衛が一人」

「護衛?」

「あぁ進路を妨害出来るからその護衛だ」

「邪魔が入るのか。面倒いのう」


 借り物はそんな物騒な競技ではなかった気がするがのう。


「次に依頼を受ける生産者。それを護衛する者が一人。資材を確保し補助をする者が一人と言う、計五人からなるチーム戦だ」

「生産者は決まりだな〜」

「…………僕!?」

「他に誰がいるよ」

「頼んだのじゃ!」

「あわわ!?」


 相変わらずのツールじゃが、他にできる者がおらんので仕方がない。土系統は使えるが、ワシは壊すの専門じゃしな!


「安心せい。ツールはワシが守ってやる」

「ジュエルちゃん!」

「それなら補助は私が」

「うむ。頼むぞスノウ」

「納品は私が突っ走るよ〜足なら早い方だし」

「後は護衛か……」


 走るのなら強化型のライドが適任じゃろうな。エルかファクターが護衛じゃが。


「俺が護衛やろうか?相手を倒せばいいんだろ?」

「では任せた」

「いいのか?ファクター出たいだろう?」

「俺は争いや運動は苦手だ。作戦や指示出しは任せろ」

「自信満々に言う事か?まぁいいけど、綱引きとリレーは出ないといけないからな?」

「……皆が頼りだ!よろしく頼む」


 潔いくらい頼りっぷりじゃ。まぁこのクラスじゃと、フォローはなんとかなる気がするのう。


「私も走るのや力を使う競技は得意ではないですわ」

「僕も運動はちょっと……」

「……ライド、エル頑張るぞい」

「あはは〜これ勝てるのかな?」

「二人がいれば、なんとでもなる気がするけどな」

「エルも頑張るのじゃぞ?」

「まぁ頑張るさ」


 少し不安な布陣じゃが、なるようにしかならんじゃろう。


「良いですね!皆やる気で!先生の為に……いえ、教室の窓の為に頑張りましょう!」

「そこは負けたら先生の自腹で頼むのじゃ」

「えぇ!?」


 驚いてもダメじゃ。壊したのは教える先生じゃないがのう。


「しかしこれでは走る練習は出来ないな。生産の練習でもするか」

「そうじゃのう。端でやれば邪魔にならんじゃろう」

「それでシエル先生。生産はどんな物を作るんですか?」

「私も今年から配属されたので、去年がどうだったか分かりません」

「…………まずは観察から始めようじゃないか」

「そうじゃな」

「あれ?私、役立たず?」


 教える先生はとりあえず放っておいて、皆は何をしてるのかのう。

 目の前で練習している者達は、花瓶やら皿などやけに日常で使う物が多い。


 しかし……


「あれはなんじゃ?」

「奇妙な形をした……なんだろうな」

「造形物ではあるようじゃが、人かのう?」


 一人の生徒が作る物は明らかに他とは違う。日常で使う物が多いのじゃから、きっと見た事はあるはずじゃが。


「分からねば聞けば良い。もし、そこの者」

「え?俺?」

「そうじゃ。すまんがあれは今何を作っておるのじゃ?」

「あれは学園長の銅像だよ。去年そのお題があったみたいで、作ってみてるのさ」

「そんなお題が……」


 あの学園長は何をしたいのか。しかしそんなお題がポンポン出てきたりは……


「結構そのお題があるみたいで、謎にポージングの指定もあるとか」

「学園長は何を考えておるのじゃ?とにかく感謝する。助かったのじゃ!」

「あ、あーうん」

「顔が赤いのう?大丈夫か?」

「なんでもない。大丈夫だ!」

「そうか?無理はせんようにするんじゃぞ!ではな!」


 戻って皆にこの事を話す。


「ジュエル。あの子まだこっちを見てるわよ?反応してあげては?」

「それなら手でも振ってあげれば〜」

「手か?」


 よく分からんが、スノウとライドが言うのじゃから、何か意味があるのじゃろう。さっき良くしてもらったし。


 ワシは言われた通りに手を振る。

 ん?全力で目を逸らされたぞ?


「ふふ。ジュエルは可愛いから。言葉は変だけど」

「だな〜ちっさくて守ってあげたい感じだよね。言葉は変だけど」

「二人とも何を言っておる?」

「「なんでもない〜」」


 二人が言うからやったのに、この振った手はどうすれば良いのじゃ。


「むぅ。僕頑張ります!」

「ツール?」

「それ!」


 ―パン!


 地面を手に付き、何かをしたツール。


「出来ました!」

「出来ましたとは……」


 地面には何か手のような物が生えておる。キモいのじゃ。


「これは何かしら?」

「銅像です!」

「手だよね?」

「はい!」

「パーツで組み立て式とかか?」

「違うよエルダーン君。ちゃんと一体型だよ」


 皆で見るが、やはり手の部分しか見えん。するとファクターがその手を引っ張る。


 ―パキン


 音を立てて手が取れた。


「すまん」

「別に練習だし。全然良いよ」

「引っこ抜けるかと思ったのだが……」

「地面にくっついてんじゃないか?ほら、ジュエルが剣抜いた時と一緒で」


 そうなると、作る物全て発掘せんといかんのか。


「地上に作れたりしませんの?」

「それが練習したんだけど出来なくて」

「これはスノウが発掘しないといかんな」

「私が?」

「ワシがやっても良いが、その場合は護衛役をスノウに任せるぞ?」

「やってみますわ」


 ―ブクゥ……ザパァ


 地面が少し湿った。しかし硬い地面は掘る事も出来ん。


「これは……どうすれば?」

「練習じゃな」

「これ、勝てるのか?」

「れ、練習しかないだろう」

「皆、頑張って!」


 何か諦めたか、涙目の教える先生。そんな必死に訴えなくとも、練習はするぞい?


 初日から課題だらけの結果となった。場所がない中でどれ程の練習が出来るか。ワシらはまだ何も出来ておらん訳じゃが……大丈夫かのう?

ジュエル「しかし、ファクターは詳しすぎるのう」

エルダーン「興味ないそぶりして、めちゃくちゃ楽しみとか」

ジュエル「その方が子供らしいではないか」

エルダーン「何度も言うが、同じ歳だからな。ジジはどうなんだ?このクラス対抗」

ジュエル「ワシはいいのじゃ。強いて言うなら……やるからには勝つ!それだけじゃ」

エルダーン「なんだ。ジジも楽しそうじゃん」


ツール「皆はいいね……僕、緊張で吐きそう」

ジュエル「ワシがおる。ドンと構えておれ」

ツール「頼もしい……」


エルダーン「なんか絵が男女逆な気がするが……」

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