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ジジ転世〜ワシがオナゴでふぁんたじー〜  作者: みけな
第一章 消える事のない記憶
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第二話 記憶があるのはなぜじゃろう?

梅雨明け猛暑日が続くみたいです。コロナでマスクもしていますし、気をつけてくださいね(・∀・)


ブックマーク、読んでくれた皆様。

ありがとうございます(*'ω'*)

 純二郎と言う名前に驚きすぎて、普通な事をスルーしてしまったわい。

 ワシ、おぎゃーと言ったのう?何と赤児ではないか?


 そんな事よりだ……ワシは死んだのではないか?平々凡々ではあったが、息子や孫に看取られた気がするのじゃが。




 そして大きくなるにつれ、疑問が確信へと変わる。前世の記憶がある。1度目には無かった事。

 やはりあの白い空間は夢ではなかったか。


「パパ。純二郎がまた難しい顔をしているわ」

「子供には不思議な事が多いのだろう。今からこれだけ考える事が出来れば、将来は優秀な子になるな」

「そうね。でも別に優秀じゃなくても、ママは良いけどね」

「そりゃ当然私もだ。どんな子であろうと私達の可愛い子供だ」


 そして2人に抱き上げられ、思考を止められる。まぁ物思いにふける子など、心配になるよのう……仕方がない。ここは全力で愛想を振り撒こう。

 そして幼少期は、どんな人にもお利口さんと言われる子になった。調子に乗りすぎて距離を置く先生もおったが、それはそれで仕方がない事。ふと、先生の会話が聞こえてきた。


「純二郎君だけなんか……子供らしくないと言うか」

「手が掛からなくて良いじゃない。他の子も面倒みてくれるから、私は助かるわよ」

「でも子供って好き勝手に動くものじゃないですか?なんか自分の芯がもうあるような」

「たまにそんな子居るもんよ。あなたも長くやってれば、色んな子供がいる事に気がつくわよ」

「そんなものですかね?」


 ふむ。うまくまとめてくれたようだな。人の考え方には色々あるようだ。もう少し子供らしく、年相応を意識しておこうかのう。




 ……そう考えていた頃があった。

 2度目は色々とやらかした。自分勝手に生きてみた。当然結婚はしない。何故か?

 自由が欲しいのじゃ!きゃっしゅかーどを取られ……預けて。大人なのに少ない小遣いをやりくりする生活とはおさらばじゃ!


 特定のオナゴを作らず、夜の遊びを堪能。世の中はオナゴで溢れておる。しかし病気を貰い、あの屈辱的なムズムズ感……ごほん。


 その後は誠実に生きる事を心掛けた。

 親や妹にその子供達を全力で課金……げふん!可愛がり恩返しに徹底。気の合う仲間と遊び、まぁまぁ楽しい生活をしていた。


 前世の知識があるからか、2度目の世界ではさほど苦労する事もなかった。学生はそこそこの点数で目立ちすぎないように。仕事も前世と同じものを選んだ。要領を知った仕事こそ、楽なものはない。


「飽きたのう……」

「だよな。毎日同じ作業やってると、違うことしたくなるよな。中身は微妙に違うけど」

「しかし大筋は変わらん」

「まぁ慣れだな。純二郎、今日飲みに行くか?変な居酒屋見つけたんだ」

「変な居酒屋かの?ならばこれもとっとと終わらせるか」


 こんな日々が続く。


 これはこれで楽しかったが、自由すぎるのも刺激が足りないと言うか。


「最後の時は……切ないものがあるのう」


 病院の天井をぼんやり眺める。ッピと機械音に静寂に包まれた空間。


「この空間どこかに似ているな……真っ暗ではないが、真っ白な……」




「お疲れ様です」

「そうそう、前回も挨拶されたのう。毎回丁寧な挨拶、感謝致しますぞ」

「やはり貴方でしたか」

「神様ではないか。久しいのう、80年ぶりか」

「憶えていたのですか?記憶は消えるはずなのですが……」


 やはり記憶は引き継がれないものなのか。


「まぁ良いでしょう。些細な事は気にしません」

「些細なのか?」

「気にしたら負けです。いやしかし、貴方と喋る事が出来るんですから、私には些細じゃないか……」


 姿は見えないが考えてそうな雰囲気。


「そうだ。バレないようにしちゃおう。これくらいいいでしょう」

「何かしましたか?」

「記憶所持が見つからないようにしただけだよ。生きていく上では何の問題もないさ」

「では気にしないでおきましょう」


 神様が何かするって凄い事なんだろう。まぁ生きる上で問題ないらしいから、ワシは気にせんでおこう。


 どれくらいか分からんが、神様と話をした。一生分話した気がするが、時間の感覚も無いからよー分からん。


「ははは。いやぁ一生分聞いてしまったよ」

「やはり話していましたか、お恥ずかしいですな」

「そんな事ありませんよ。自由とは不便な事、勉強になりました」

「それでは時間ですな。また会いましょうぞ」

「はい。気をつけて生きてください」

「ここへは死んで来る訳ですけどな。精一杯生きて参りましょう」




 ……そして真っ白な空間から、少しづつ色を認識し始める。


 ―パシ、パシ


 そう叩かんでも泣いてやろうではないか。見るがいい!二度の赤ちゃんを経験した、ワシの泣きっぷりを!


「おぎゃぁぁ!!」

「元気な男の子ですよ」

「あぁ……あぁ……よく頑張ったな純三郎」

「…………」

「あらあら、疲れたかしら?大丈夫純三郎」

「お、おぎゃー!」


 ワシとした事が動揺してしまった。二度ある事は三度あると言うじゃないか。純一郎がきて、純二郎がきたのなら、次は純三郎であると……次は四か?


 こうしてワシの三度目の人生は始まる。

純二郎「あの頃は若かった……自由とはある意味で呪いじゃな」

神様「はは。深いですね」

純二郎「これはお恥ずかしい限りで」

神様「いえ、面白いく興味深い。それで次はどうなったんですか?」


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