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ジジ転世〜ワシがオナゴでふぁんたじー〜  作者: みけな
第二章 積み重ねる記憶
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第十五話 先生を仕切るドン

窓を開けるだけで、だいぶ涼しくなってまいりました。良い温度感です_(┐「ε:)_


ブックマーク、評価、読んでくれた皆様。

ありがとうございます(*'ω'*)

 どうやらワシらの教室は一番端にあるらしく、結局一階を練り歩く形になってしまったわい。


 そしてジャムの案内で、二階にある職員が集まる部屋へと辿り着く。しかしこの学園の構造はどうかしておる。回り道をせねばならぬとは。ジャムが居ったから良いもの……ワシ一人じゃ迷子待ったなしじゃな!


 さて気を取り直していくとするかのう。


「頼もう!」

「なんだ?」

「道場破りみたいな事をするのはどこの誰だ」

「ひゃぁ!?す、すみません!私のクラスですー」


 突然の訪問者に睨みを利かせる職員達


「あれらが学園長の言う特別クラス……」

「まだただの子供に甘すぎるのでは?」

「も、申し訳ありません!私がしっかり言っておきますので!」

「ふん。新米になんとかなるものなのか?」


 ―パンパン


「皆様、生徒達の前ですよ」

「す、すいません」


 奥の席から誰かが喋ると、教師達は縮こまる。あれがここの偉いものじゃな。


「子供のする事をいちいち声を荒げる事はありません。このクラスについては学園長が決めた事です」

「「「…………」」」

「初めまして。小さな生徒達……私はストリクト・ルール・ストーム。この学園の副学園長をやっているわ」


 副学園長と言う事は、学園長の次に偉い人なのじゃろう。その目は子供を見る目ではないが……


「早速じゃが、魔法を使う為の許可はどうすれば良いか聞きに来たのじゃ」

「あら?それは伝達するように伝えたはずですが?」


 ワシは何一つ話を聞いておらんかったから分らんが、ファクターが聞いておらんなら言ってないのであろう。


「まだ授業は始まっていないので……今度でいいかなって」

「伝達して下さいと、私は言いましたが?」

「ひぃぃ!?申し訳ありません!」


 目を逸らして言い訳した教える先生は、何かを感じとったか土下座をする。


「ファクターよ。あのご婦人は凄い人なのか?」

「凄いで片付けていい人ではありませんね。自身を守る為の繊細な風から、敵を殲滅する為の荒々しい魔法を好んで使う。レベル三の風系統の使いですよ」

「ほほ。エアリアル家の時期当主様に知って頂いて光栄ですわ」


 何かバチバチするものが見える気がするのう。ファクターはまだ子供ぞ?大人気ないと思うが。

 それに物怖じせんとはファクターの胆力は中々じゃ。隣におるツール・チャーム・ランドー君なんぞ、ワシの服を強く握りガクガク震えておるのにのう。


「早速じゃが副学園長殿。ワシらは自主練習をしたく思う。その為に魔法の許可が欲しいのじゃ」

「殿?」

「あージジの言葉遣いは気にしないで下さい。これが普通です」

「そうですか…………」


 何かを考える様に副学園長が腕を組む。


「あなた達はまだ魔法を習ってはいません。その状況での使用を認める訳にはいきませんが……特別クラス」

「あのー皆さん。授業が始まってから練習してもいいのではないでしょうか?授業であれば私も居ますし、それまでには訓練場も使えるかと思うし」

「それはいかん。魔法の鍛錬は日々行う事で磨かれるものじゃ」

「それはそうですけど……ってジュエルさんは魔法を使えるのですか?」

「使えるぞい。それが普通であろう?」


 目をパチパチする教える先生。他の教員も同じ様な顔をしておる。ん?ワシ何か間違ったかのう?


「そこで俺を見るなよ。俺も使えるんだから」

「そうじゃよな」


 ここは一番常識人ぽいファクターに聞いてみるとしよう。


「私も簡単なものであれば使えます」

「ライドとスノウはどうじゃ?」

「私は強化を少しだけかな〜」

「私も大した事は出来ませんが、水を出すくらいのことであれば」


 なんじゃ、皆出来るではないか。先生方は何を驚いておるのだか。


「そう言えばツール・チャーム・ランドー君は何か出来るのか?」

「ぼ、僕ですか!?僕は物を作る事しかできません」

「なんと!修理ではなく作れるのか!凄いではないか。ワシはまだ上手くできんのに」

「そ、そんな事ないです」


 もじもじと照れておる。掴んだ手が緩み、震えも止まっておる。


「いいでしょう。私が監督します。ウォー先生も着いて来なさい」

「はいぃ!!」




 ♢




 副学園長と教える先生と一緒にワシらは外に出た。


「広いのう。走るにはもってこいじゃな」

「お。ジュエルも走るの?今度一緒に走ろうよ」

「ライドも走るのか。いいのう一緒に走るのじゃ!」

「それは後で話そうか。ほら、着いたみたいだ」


 校庭の真ん中までワシらは歩くと、副学園長達が止まる。


「臨時なのでここで広さは十分でしょう。一応簡単な障壁は必要かしら……《ストームカーテン》」


 ワシらを覆う様に風が流れていく。


「多少の攻撃魔法くらいならこれで平気でしょう」

「多少の……ジジ」

「なんじゃエル?」

「いいか。今回の魔法で攻撃系とかやっちゃダメだからな」

「許可を貰うのに攻撃なんぞしたら、逆に許して貰えんだろう。ワシだって考えておる」

「そうか…………ちなみに観賞用の炎系統は絶対ダメだからな。ここにはお爺様居ないし」

「わ、分かっておったわ」


 ダメなのか!?あれは攻撃でもないんじゃが、派手な上に綺麗なんじゃがな。みなに魅せるならあれしかないと思っておったが……


「では誰から見ましょうか?」

「私からでもいいかな?」

「私は構わないわ」

「順番なんて何でもいいです。後の方が様子を見ることも出来ますし」


 ライドが真っ先に名乗り出て、スノウとファクターが了承しておる。他の者を参考にするのも良いじゃろう。


「構わぬ。頑張ってくるのじゃ!」

「俺も大丈夫ですよ」

「あわわ」

「良いと言っておる」

「ありがとう。行ってくるわ!」


 副学園長と教える先生の前に立つライド。どこから持ってきたのか、いつの間に帯刀している。そしてその視線は真剣そのものじゃ……許可を貰う為の戦いが今ここに…………戦うのか?

ジュエル「注目の一戦じゃな」

ツール「あわわ」

ジュエル「相手は副校長だからのう。しかしライドの目は本気じゃ」

ツール「あわわ」

ジュエル「そうじゃな。ワシらは今は見守る事しか出来んな」


エルダーン「ジジ……今のツールと会話してたのかな?」

スノウ「私にはあわわとしか聞こえませんでした」

ファクター「それは私も一緒だ」


ツール「あわわ」

ジュエル「落ち着くのじゃ。ワシらの出番までまだ先じゃ」


三人「「「…………」」」

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