表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ジジ転世〜ワシがオナゴでふぁんたじー〜  作者: みけな
第二章 積み重ねる記憶
13/187

第十三話 友となるにはまず名を知る

いい天気だね〜

外に出る予定はありませんけど(´∀`)


ブックマーク、評価、読んでくれた皆様。

ありがとうございます(*'ω'*)

 教室の扉が開き、担任の先生が帰って来た。その後に同じ制服を着た人が入ってくる。


「おぉ!見るがいいエル!若者じゃぞ!」

「そんな叩かなくても見えてるよ。それにジジも若者だからな?」


 そしてゾロゾロと入ってくるであろう、クラスメイト達に期待をするワシ。


「ん?他の生徒はまだ迷子かのう?」

「さぁ?」


 先生の目の目の前に座る者。


 窓際の一番前の日当たりの良い席に座る者。


 入口に一番近い所に座る者。


 一人だけキョロキョロしておるが……


「君も好きなところ座りなさい」

「はいです!?えっと……」


 黒髪の少年が顔を上げ、席の空席を確認したのであろう。その際見ておったワシと目が合う。


「ひゅあ!?」

「ひあ?」


 慌てた様子で一番後ろのワシらの反対側の席に座る。


「ワシ何かしたかのう?」

「ん〜ギラギラした目が怖かったんじゃないの?」

「ワシはそんなギラついてなど……」

「無意識なのか?前のめりなの知ってた?」

「おぉ!?」


 気がつけば席に手をついて、今にでも飛び出しそうなくらい身を乗り出しておった。いつの間に……


「はーい。じゃ、全員揃ったから連絡事項を……」

「全員じゃと!?」

「ひぃ!?」


 思わず身を乗り出し、大きな声を出してしまった。遠くの席にいる黒髪の少年が、ビビったような声を上げた。


「これで全員だよ〜」

「それは誠か!?学園長!」

「え?うん。そうだけど」

「ひー、ふー、みー……四人しか友達作れんのじゃ!」

「ジジ俺も居るぞ?」

「エルはもう友達じゃろう?違うのかのう?」

「いや、まぁ……友達だ」

「ならばあと四人じゃ!」


 エルは何を言っておるのだ?少しだけびっくりしたじゃないか。


「なんなら僕も友達に入れてよ〜」

「いいのじゃ。よろしく頼むぞペンタゴン」

「ははは〜いきなりだな。よろしく頼むよ……えっと、そう言えば自己紹介まだだったね」

「あ。そう言えば」

「頼むよ教える先生」

「私はウォー・シエルです」


 教える先生と聞こえたが聴き間違えかのう?


「おほん!改めまして……私はみなさんの担任テン・ウォー・シエルです。よろしく…………ちゃんと言えたかな」

「何か聞こえたのじゃ」

「それは聞こえなかった事にしてくれ」


 顔を真っ赤にした先生とそれをあやす学園長。


「ほら自己紹介の続きだよ。誰から……」

「私が」


 一番前の席に座っていたエメラルドの髪色に、天然パーマ。大きな丸眼鏡の男の子が立ち歩く。


「私はエアリアル侯爵家の長男。ファクター・ウール・エアリアル。よろしくお願いします」

「はーい、次は私〜ライデン公爵家の次女。ライド・インサート・ライデン!よろしくね!」


 窓際に座る金髪で、セミロングの少女が立ち上がり自己紹介をする。上から見ていても分かるが、同じ歳なのに背が少し高いのう。


 次はワシらが……


 すると前に座る子が立ち上がる。


「シーソース公爵家が長女。私はスノウ・インペリアル・シーソースと申します。以後、お見知り置きを」


 青いロングヘアー、青色の瞳がまっすぐと向く。背筋も真っ直ぐで綺麗なお辞儀。どこぞのお嬢様かのう、貴族らしいのう。


「礼儀正しいのう貴族みたいじゃ」

「みたいじゃなく貴族だよ。公爵家って言ってたじゃん」

「公爵とな……それってどんぐらいなのじゃ?」

「はえ?公爵と言えば一番上の位だぞ。知らないのか?」

「そうか」


 そう言えばワシの時代のは無かったのう。公爵とか伯爵がどうのって、海外の話だろうとあまり覚えて無かったわい。


「ほら次。そこのじじい言葉のお嬢さんどうぞ」

「ワシの番じゃな。ワシの名はジュエル・ジョリー・イグニート!友達百人作るために来たのじゃ。よろしく頼もう」

「友達作るため……」

「ぷふっ」

「ふん!」


 うまく挨拶できたかのう。反応が返ってくるって事は、きちんと話を聞いてくれていると言う事じゃな。いい傾向じゃ。


「俺はイグニート子爵。エルダーン・エンター・イグニート。よろしく」

「子爵……なんとワシの家系も貴族であったか!」

「おいジジ。それは本気で言ってるのか?」

「ワシは本気じゃ!西洋の知識はワシにはないのじゃ!」

「言ってる事は相変わらず分からんが、領主の娘としてそれはダメじゃないか?」


 クラスメイトがワシを直視してくるのじゃが、別に誰も教えてこなかったのじゃから仕方がないであろう。


「そんな事より、少年の自己紹介がまだじゃ」


 みんなの視線が一番後ろの席の黒髪の少年へと集まる。


「ひゃ!?」

「少年!名はなんと言うのじゃ?友となるにはまず名を知るところからじゃろう」

「そんな追い込むなよ」

「さぁ少年!」


 恐る恐る立ち上がる少年。


「僕………………です」

「ん?エル聞こえたか?」

「ジジが煩くて聞こえないよ」

「黙るのじゃ!」


 手で合図をするも声が聞こえて来ない。きっと声が小さい性分なんじゃろう。それであれば近くに行くまで……


「ぼ、ぼ、僕は……」

「ふむ。頑張るのじゃ。ワシがちゃんと聞いてるぞ」

「うひゃ!?」

「どうしたのじゃ?」

「ちちちち、近い!」

「名を聞くまでここにおるぞ」


 声が聞こえる距離まで近づいていったら、結果は目の前に黒髪の少年の顔が見える。


「まつげ長いのう。前髪も隠してないで上げれば良いのに……」

「はわわわ……まつ毛が長い、目がキラキラ!?」

「顔立ちは母上に似ておるらしいぞ。それで名はなんと申す?」

「ツール……」

「ツール?」

「僕の名前は!ツール・チャーム・ランドー!」


 高らかと自分の名を告げ、ツールはもの凄い勢いで離れていく。と言ってもツールの席は一番端にあるが故に、退路は始めから無いのである。


「よろしくなのじゃ!ワシは……」

「ジュエル様でしょう。さっき聞きました」

「ジジでよい。エルもそう呼んでおるのだ。ツールもその方が呼び易いじゃろうて」


 名は聞いたがまだ距離があるのう。物理的な距離はほぼ0センチだがのう。


「じ……」

「じ?」

「ジュエル様」

「せめて様付けはやめようぞ。同級生じゃ無いか」

「ジュエル……さん」


 ん〜まぁその内に慣れるじゃろう。ワシの友達百人計画は幕を開けるのであった。


エルダーン「ジジ攻めるよな。あんなにぐいぐい行ってると引かれるのに」

ジャムストーン「初めての学校で、はしゃいでいるのかと。かわいいではありませんか」


エルダーン「さっきから妙に静かだと思ったら……」

ジャムストーン「お嬢様の勇姿を脳内に焼き付けています。こんな子どもらしいお嬢様は早々見ることが出来ません!」

エルダーン「いつもよりテンションが高いなジャムさん。それに最近主人に似てきたよなぁ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ