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目も当てられない(千鶴)

作者: 狼花

 「さて桃花。話をゆっくり聞こうじゃないの」

「こ、この度は大変ご迷惑をおかけします」

「まぁまぁ。悪気はなかったわけですし」

リビングでは私が椅子に座り、私の正面で桃花が床に正座。

その隣で奈々が桃花を弁護するという形で話し合いが進められている。

なぜこうなったかというと

 

ーーー今日の朝ーーー 

 「ホームセンターに行くから留守番頼んだわよ」

ホースを止める金具を買いに私はホームセンターに出かける。

「あ、私も行きます」

「雑貨屋じゃないのよ。」

「わかってます。学校で使うものがあるんで」

「そう。せっかく桃花と揃って休みなのにいいの?

  姉バカのあんたからしたら1日中、妹と過ごせるなんてこの上ない幸せでしょうに」

「実は昨日、ソフトのアップデートがあったらしくて、昨日からゲームばっかで

  構ってもらえないんですよ」

と、しょんぼりした様子で嘆く奈々。

「はぁ、もう少しゲームを開発する速度を落としてくれませんかね

  10年に1回。新作が出るくらいのペースだったらなぁ」

・・・なるほど、つまり桃花はあんたよりゲームを選んだのね

     せっかくの休みだというのにおかわいそうに・・・

そんなやりとりがあって私と奈々は出かけて桃花は1人でお留守番だった。

 

 その問題は私たちが出かけてから起きた。

私たちが買い物している間に桃花が布団を干したみたいなんだけど

あいにく今日は午後から天気が崩れ、布団は全て濡れ雑巾のように水浸しとなった。

・・・天気予報では雨だと言われていたのだけれど・・・

布団を干した当の本人は部屋でヘッドホンを当ててゲームに熱狂し雨に気付かず。

取り込んだ時にはすでに手遅れだった。という。

そして今に至る。

 

 「桃花、私たち今日どうやって布団なしで寝ればいいの?」

奈々の言う通り悪気があったわけじゃないからそこは責めないけど

天気予報を確認する習慣くらいつけてほしい。

・・・ガミガミ言って子供の自信をなくしてしまうのもね・・・

本人が一番ショックを受けているようなのよ

もう頭下げてから動かない。ホラー映画の貞子みたいな感じで。

動機を聞けば、お手伝いして好感度稼ぎをしたかったそうな

・・・今日、我が家で一番かわいそうなのはあんたよ・・・

手伝ったつもりがまさかこんなことになるなんて思わなかったことでしょう。

 でも、布団が全部おじゃんになるなんて私も初めてのことで

桃花の奇策を少し頼りにしている。

そしてショックから立ち直ったこの子が出した解決策は

「ホテルに行こう」

と言う解決策だった。

「却下!!!!」

期待した私が愚かだった。

結局、その日は押し入れの奥に眠るこたつ用の布団を使って2人は寝た。

奈々と桃花が大きくなっているので3人で一緒に寝ることはできず。

私はソファーでタオルケットをかけ眠りについた。


 ・・・雨に濡れた布団どうしようか…・・・


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