僧侶 シェミル篇
この世界には魔界と地上が繋がっており、魔界の王はある時人間に向かって攻撃を開始した。しかしある王国から一人の勇者を戦場へ向かわせた、その勇者の活躍のお陰で三十年間続いた戦争は“たった一人の勇者”のお陰で幕をおろした魔王は勿論ある程度強い魔物もいなくなったと同時に勇者の姿も無くなった、かれは一体どこにいったのか誰にも分からない…………。
(頭が痛い、また記憶が亡くなったのか。)
彼女の名前は【エル・シェミル】、彼女は不老不死の一族“メイリュグニ族”の末裔である。メイリュグニ族には外見的特徴は無く普通の人と同じなのだがメイリュグニ族の一番の特徴は記憶が死ぬことである。本来、記憶というのは忘れる事はあっても頭の片隅にほんの小さく残るものだがメイリュグニ族は記憶の死、簡単に説明すると思い出すことが出来ない……全く別の人格が生まれる一族である。
(また死んだのか、前の人格者は結構長かったな……まぁいいか)
エルはどこかの湖の真ん中に立っていた、エルが何故そこにいたのかは分からないがエルは湖を歩いて陸にあがろうとすると突然エルの両足が何者かに咬み千切られる。
「ぁがぁぁぁぁぁ!」
突然の痛みに頭が混乱してエルはなにが起きたのかが全くわからなかった。エルは咬み千切られた箇所を手で抑えて上を向くと一人の人間がいた。
「…………あ……くっ」
エルは混乱のあまり何も言えずに涙を流し、大人しく、肉体的な死を選んだ。
いくらメイリュグニ族の血をひいているからといっても人間の血が濃ければ頭が吹っ飛んだり、血が大量に出ていれば死ぬこともある。
《【ミルン】、【ティアナ】、【リアリ】、【メルン】、【プシィアル】、【メサイラ】、【ラピス】、【マーリー】、【カリュ】、【ケレイン】、【ラカ】、【イリューシャ】、【マラナキス】、【カヴァルカシュ】、【エル】、全く全部蘇ると身体は死ぬとか……まぁいいや、さて今度は一体どんな旅になるんだい?グランシェルバ……》
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