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マントゥールとユーラシア大陸

作者: 命野糸水
掲載日:2025/03/05

「私の親ユーラシア大陸を見つけたんですよ」


こいつはすぐ嘘をつく。嘘をつくから私たちはこいつのことをマントゥールからとってマントと呼んでいる。


マントゥールとは知っている人もいるかもしれないがフランス語でうそつきという意味である。マントゥールはさぁと言うのは長いのでマントに省略した。


本人にマントってもしかして俺のことかな?とバレてしまった場合にはマントで空飛ぶ姿はかっこいいと思っていて、そのかっこよさから君のあだなにしたとでも言えばいいと思っている。


「じゃあお前今度持ってこいよ、証明書を。親がユーラシア大陸を見つけたんだったら何か政府から証明書を貰ってるはずだろ。証明書がなかったら賞状でも表彰された時の写真でもいいからさ」


田中がかまをかける。こいつもマントが嘘つきだと言うことはもちろん分かっている。分かっていても話に乗ってあげている。


「いいぜ、明日持ってくるから。証明書なり表彰された時の紙なり写真なりを。二人ともこの場所に来いよ。いいな、絶対だからな」


マントはそういうと部屋を出て行った。


「菊池、何持ってくるかな?楽しみだな」


菊池とは語り手の私のことである。


「さぁ?まぁ嘘だからな。ユーラシア大陸を見つけたこと自体が。まぁでも彼のことだ、何かしらは持ってくるだろう」


次の日私と田中はマントの言う通りに昨日の場所に集まった。マントはまだ来てない。


「マント何持ってくるかな?」


田中、昨日もそう言ってたぞ。他に会話ないんか。


「何か持ってくるだろう。おとなしく待っておこう。来ないなんてことはありえないから」


しばらくしてマントがやってきた。特にあせるような素振りはないし、余裕な素振りもない。いつものマントだった。


マントは部屋に入るなり床に鞄を置いた。鞄のチャックを引っ張り鞄を開け、そこからクリアファイルを取り出した。おそらくそのクリアファイルの中に証明書が入っているのだろう。


「田中、これだよ、言われた証明書。これが親がユーラシア大陸を発見した証拠だ」


そう言いマントはクリアファイルから取り出した紙を田中に渡した。田中はその紙を受け取り一通り読んだ後私に渡した。田中は真剣な表情でそれを読んでいたように見えた。真面目にマントが書いたのだろう。


その紙には次のように書いてあった。


 丸夫妻様(丸とはマントの名字である)


このたびはユーラシア大陸を発見して下さり誠にありがとうございます。ユーラシア大陸の発見は人類にとって大きな発見であり大きな功績です。よってここに賞します。


日本政府より


昨日田中に言われて慌てて作りましたと感じられる証明書、それがこの証明書?の第一印象だ。いくつもツッコみたいところがある。


丸夫妻様って書かないだろ。丸○○様、丸○○様って書くだろ。


ユーラシア大陸発見という功績がこんな紙一枚な賞状というか功績の証明書になるわけないだろう。教科書に載るレベルだぞ。


本当に発見したのなら日本政府だけでなく世界の政府からも賞状など貰えるだろう。


まぁ、これ嘘だから仕方ないんだけどね。


マントは今日も嘘をつく。



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