第38話 ロミオVSジュリエット!
ユリアは留学するという名目で、休学することになった。帰ってくるのはおそらく来年になるらしい。ユリアがいなくなって、学校は少し静かになったような気がした。
ユリア特戦隊は、突然ご神体を失い、右往左往することになったが、日が経つにつれ、落ち着きを取り戻していた。ユリアがいなくなったことで、抗争などがあったらしく、会員もいくらか減った。しかしその結果、ユリアは殉教した聖人のような扱いとなり、残った者達は絆が強まったようだった。(より狂信的な集団へと変わったとも言うが……)
「本当にごめんなさい。こんなことになるなんて思ってなくて……」
相備いずみは、申し訳なさそうに言った。マック斉藤の店へ反省会のような感じで、二人で来たのだが(事実上二度目のデートと言うことになる)、相備いずみが終始暗い表情であったため、楽しい気持ちには到底なれなかった。どうやら相備いずみは、自分のせいで姉のように慕っているユリアが罰を受けることになってしまったという風に思っているらしい。
そこに、突然いつもよりも豪華なハンバーガーが運ばれてきた。
「僕たち普通のを頼んだんですけど……」
そう言うと、マック斉藤さん(先日、彼女に振られた)は無言で白い歯を見せ、サムズアップをしてきた。彼なりに僕たちを励ましてくれたのだろう。僕たちはそれを遠慮なくいただくことにした。相備いずみは、その美味しさに暗い気持ちも少し晴れたようで、店を出る頃には笑顔を見せていた。Good Job!マック斉藤!
里桜は相変わらず僕を殴り倒すことに専念し、潮は相変わらず僕を陥れることに専念している。つまり特に変わらなかった。
僕は、ユリアがいなくなって何が変わったのだろう。数日経ったがよくわからない。あのハチャメチャな性格の女には斬られたり、蹴られたり、色仕掛けられたり、とにかく散々な目に遭わされた。と言うか、そういう思い出しかないような気がする。でも、ユリアとの戦いの日々は、僕に何かをもたらしてくれたのは確かな事だ。
「礼、ちょっと付き合ってくれないかしら?」
そんな声と共に訪れる嫌な予感が、今でもやってきそうである。
しかし、馬鹿だな僕は。
今は、あの女が帰ってくるのを楽しみにしている。
暑くなったり寒くなったり変な天気が続いていますが私は元気です。嘘です。先日転落して足を打撲しました。正直歩きづらいです。
今回でロミオVSジュリエット!(Act1)が、最終回となりました。彼らの物語は一旦終了となりますが、Act1と言うことは、もちろんAct2も予定しています。次の大まかな話の筋はできているのですが、煮詰める作業が足りてないというのと、仕事が大変で時間を割くことができていないということで、もう少し先のことになると思います。そこそこ書き溜まったらあげていく予定ですので気長にお待ちいただけるとありがたいです。それでは!