表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/39

第36話 「あたしも初めて聞いたよー、そんなの」

「病み上がりの身体に廬山昇龍覇(ろざんしょうりゅうは)は流石にないですよね」

 潮が珍しく僕に味方していた。

「第一、普通そんなの撃てませんって。ねぇ、里桜さん」

 そうじゃないと里桜=聖闘人というまさかの図式が出来てしまう。

「じゃあ、天空×(ペケ)字拳(※13)の方がよかった?」

「そんなマイナーな技を持ってくるな」

 あんな事があったのに、特に気にすることなく里桜は会話に割り込んできた。相変わらずの男気にあふれたサバサバ感である。僕はそんな性格の里桜が好きなんだが、如何せん暴力がなぁ……。

「じゃあ、ヨガフレイム(※14)とかはどう?」

「どう?ってお前、仮にそれが使えたとして、一体お前のキャラはどういう方向に行こうとしてるんだ?」

 そう言うと、潮がチッチッチッと舌打ちしながら、人差し指を立てた。

「わかってないですね君は。知っていますか?最近巷(ちまた)では、里桜最強説なんてものが流れているんですよ?そんな噂が流れるくらいですから、案外出来るのかもしれないですよ?」

「何だよ、その『里桜最強説』ってのは?」

「あたしも初めて聞いたよー、そんなの」

「僕もだ」

 潮はやれやれというような仕草を見せた。

「君は、強靱な肉体を持ち、常人ではない能力を持ってる」

「まぁ、そうだけど……」

「それじゃあ、そんな君を何度も何度も、これでもか!ってくらいKOしているのは一体誰なんだい?」

 言い方がなんだか(しゃく)に障るが、無視して答えた。

「……里桜ですね」

「そう!そこから導かれる説が『里桜最強説』なのです!多少の事では死にそうにもない君を一撃の下に(ほふ)り去っている事が驚異なのですっ!」

「随分と力説してるが、全部お前がテキトーに考えただけだろ?」

「そこは『なんだってー!』とMMR(※15)並に言って欲しかったのですが」

「なんだってー」

「アホの子みたいな声出すなー!」

 最後に里桜の鋭い右ショートフック、いや、ツッコミが入った。そうやっていつもの3人で他愛もない話に興じていると肩をトントンと叩かれた。

「門田君、先生が呼んでるよ」

そう言われてにこやかな顔でこちらに手招きしている大男が居た。僕は何となく察しは付いたが、里桜と潮には「何かな?」などと言って席を立った。

「どうしたんですか?」

 ニコニコしながらその大男はボリボリと頭を掻いた。

「まぁ、この前の事でちょっと話したい事があるんだけど」

「そうだろうとは思いましたけど」

「ここでは何だから……ちょっと着いてきてくれないか?」



※14 天空×字拳 ドラゴンボールに登場するナムが使う必殺技。天高くジャンプし、手をクロスさせながら落下し、そのまま相手に突撃する技。子供心ながら、この技避けやすいうえに、相手が動けない状態ならそんな技いらないよねとか思っていた。私感であるが、この頃の天下一武闘会が一番おもしろかった気がする。


※15 ヨガフレイム 格ゲー「ストⅡ」に出てくる際物キャラ、ダルシムの技。口から火を噴くと言う全くヨガと関係のない技。一事が万事で、その他の技もヨガと全く関係がない。蛇足だが、奥さんが美人であったことにショックを受けた覚えがある。


※16 MMR ミステリーを扱った漫画で「MMR」とはマガジンミステリー調査班の略。眉唾物のミステリーばかりで、強引なこじつけが印象的な漫画であった。キバヤシとその仲間達の名言はAAでも有名になっている。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ