表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/39

第1話 プロローグ

 相備(そうび)いずみはいつ見ても美しかった。

 僕が彼女に惚れているという特殊効果を除いても、やはり美しいと言わざるを得ない。

 腰まで伸びる黒髪は艶やかで絹のように繊細。肌は白く瑞々(みずみず)しく、きっと撥水効果は抜群であろう。

 着物を着せたらよく似合うであろうスレンダーな体つきは、美しい黒髪と相まって、きっと最高の美を称えることだろう。

 そして彼女は、華やかで高貴なオーラを身に(まと)いつつも、皆に分け隔てなく接する態度を持ち、その仕草は流麗かつ(いつく)しい。

 それでいて少し影のある感じも持っているという、これはもはや完璧と言うしかない。

 彼女とは中学から一緒だった。と言ってもクラスが同じになったことは一度もない。それがまた、恋心を募らせるわけだけれども。

 彼女を最初に見たのは中学の入学式の時だった。

 美しい彼女の姿を見た瞬間に僕は恋に落ちた。それはもう奈落まで。

 それからというもの折りに付けては、彼女のことを想い、遠くから彼女を眺め、授業中も想いに(ふけ)りボーッとすることもしょっちゅうだった。

 彼女はずっと僕にとって憧れだった。

 三年間想いを密かに持ちつつも、遠い存在である彼女にもちろん告白など出来なかったが、彼女がこの高校に進学すると知り、追うように入学を希望した。

 はっきり言って、この高校に入った目的は彼女だけで、特に将来どうしたいというビジョンもなしに試験を受け、そして受かってしまった。

 僕にとって、彼女を見続けられる事が最優先事項であって、他のことは二の次の事であった。

 この物語はそんな普通の高校生の話である……多分。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ