37.だが、それは今じゃない
ミックはダルマを見つけ、治療していた。
ミック(こいつがこんな痛めつけられるなんてな。
ん?脳が発達してる痕跡が。一応元に戻しておこう。記憶が戻ってもらったら困るからな)
ミック「今目覚められてたら困るんだ。まだ俺の理想は完成してないんだ。だからよ、まだ記憶は眠っててもらうぜ、親父。」
ダルマは起き上がり、何事もなかったかのようにミックについて行き始めた。
宇宙船を呼ぶため、高い場所を探していた。丁度いい高さの高速道路があったため、その足元まで移動した。
大きめの瓦礫に二人は乗り、その下に小石爆弾を転がした。
その瓦礫は勢いよく飛びあがり、二人を上まで運んだ。
ミックは上昇しながら、尻目に自分の破壊した街を見た。その頬を雨がか弱く叩くだけだった。
高速道路の上で吹く風は穏やかで、視界を遮るものがなく美しい朝日も拝めることができた。
しかし、その朝日を遮るものが一つ立っていた。
ミック「クトル。もう、戦うな。」
ミックは呆れていた。疲れきったような声をかけたが返事が返ってくることはなかった。
クトルは朝日に照らされ、向かい風により、なびくマントは広い空を覆っているようだった。
ミックはため息をつき、ダルマに命令した。
ミック「殺れ。」
ダルマはその言葉と同時にクトルに襲い掛かった。
風はミックに対して、追い風だったがいつの間にか向かい風に変わっていた。
ミックの目の前には鬼の形相をしたクトルがいた。
ミック「は?はや…。」
ミックは殴られ、気づいた時には高速道路から落とされ、あの街に戻っていた。ミックは理解が追い付いていなかった。
ダルマ「グルルルル。」
ダルマは自分を無視し、自分の主を真っ先に攻撃したクトルに切れていた。
クトルはダルマの方を振り向き、手招きした。
ミック(どういうことだ?この短期間で「覚醒」した?いや、それだけでは説明しきれない強さだ。
…まさか、あの教官の手帳に書いてあった。これがあいつらの「教義」なのか。
これが「Like a Rainbow」なのか)




