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あの虹のように  作者: おわなん
最終章:出梅
35/43

35.祝福を捧げよう

二人はダルマに立ち向かった。

しかし、ダルマに押されていた。


クトル「二人で戦うよりも、僕が援護することを優先するよ!Ranger、追い風!」


シアンはさらに加速した。しかし、ダルマにとっては焼き石に水だった。

シアンはダルマに足を掴まれ、クトルの方に投げ飛ばされた。


クトル「シアンく…、ブグッ!」


シアンはクトルにぶつかり一緒に後方に飛んで行った。


シアン「クソッ、二人でも歯が立たないってのか!」


シアンは考え込んだ。そして、立ち上がってクトルに頼んだ。


シアン「お前が、全線で戦え。俺は、俺が支援にうつる。」


シアンは両腕を前に突き出し、ダルマに焦点をあわせた。


シアン「俺がずっと練習していた「アレ」をぶっつけ本番でやってやる。」


クトル「それって、一度もできたことなかったよね?」


シアン「そうさ。でもな、言ったことあるだろ?リンと戦った時にこの減速の壁を使えるようになったって。俺はきっと、本番に強いタイプなんだよ。」


クトル「分かった!シアン君を信じるよ。」


クトルはダルマに向かって挑発した。


クトル「やーぁぁい!この能無し!僕が相手だ!」


ダルマは勢いよくクトルに突っ込んだ。


クトル「うわぁぁぁ!!助けてー!」


シアン「Magnification、減速。」


シアン(コンタクトレンズのように、何枚も何枚も、重ねるんだ。奴の瞳に入る光を減速させる。そしたら奴の見る世界は、何秒か遅れたものに変わる。これが俺の奥の手)


シアンは前で戦うクトルの背中を見て、あることを思った。


シアン(まさか、俺がお前の援護に回る時が来るなんてな。一年の前の俺なら考えもしなかっただろう。

そろそろ本気で認めるときが来たかもな、クトル)




クトルはダルマの動きが段々不器用になってきていることに気が付いた。


クトル(さすがシアン君!まさかほんとに本番でできるようになるなんて)


すると、クトルの隣にシアンがやってきた。


クトル「シアン君!?もう援護飽きたの!?」


シアン「なわけ。やつの見えてる世界は一秒遅れている。しかし、今の俺ではこれが限界だ。それに、いつまでもお前の頼りない背中を眺めているわけにはいかんからな。」


クトル「十分上出来だよ!」


シアン「ここからは二人で叩き込むぞ!」


ダルマが自分の今の現状にオドオドしているうちにクトルが仕掛けた。


クトル「Ranger、風、パー――ンチ!!」


ダルマは吹き飛ばされ、建物にぶつかった。


シアン「Magnification、加速。」


ダルマがぶつかった衝撃で落ちて来た瓦礫を加速させ、雨のように降らせた。

ダルマはグッタリしていた。


クトル「次で決める。Ranger、風。」


クトルはダルマに勢いよく向かっていった。それをみたシアンはクトルに合わせ加速した。


シアン「Magnification、加速。」


二人の拳が同時にダルマに突き刺さった。


クトル&シアン「うぉぉぉぉぉぉぉーーー!!!」




二人の拳はダルマを建物の反対側へ壁をぶち抜き、二人がダルマを見失うほど道路と並行に飛んで行った。

シアンは自分の加速に耐えられず、ダルマを殴った後もゴロゴロと転がっていた。


クトル「やった。倒したぞーーーーーー!!」


シアンはダルマが飛んで行った方を見たが、大きな体が起き上がるような動きは見えなかった。


シアン「ははっ。やった。仇はとったぞ、みんな。」


二人は歓喜した。そのせいで二人があけた壁から近づいてくる影に気づくことができなかった。




ミック「才気煥発。

褒め称えよう。よく大きな壁を乗り越えた。

それでは、私からプレゼントをあげよう。私からの「祝福」を。」

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