28.じゃんけんで決めよう
カージナル「動揺するな!その油断を突かれるぞ!」
シアンを失い動揺するアイビーにカージナルが喝をいれた。そんなカージナルの後ろから小石爆弾が飛んできたが、アイビーがて鉄骨を曲げ弾いた。
アイビー「分かってる!でも、シアンなしじゃこれから…」
アイビーの隣にカージナルが飛んできた。そしてアイビーの肩に手を置いた。
カージナル「なんだ?俺だけだと頼りないか?シアンなしでも続行する。覚悟は、遠の昔にできてる!Weapon、ソード!」
今度は一対一の接近戦が始まった。
ミック(自分ではああ言えど、さっきの地面爆破を恐れて、攻撃が怯えている)
ミック「ぬるいぞ!貴様!」
ミックは大量の小石を地面にばらまいた。
カージナル「そんなの対策済みだ!Weapon、大槌!」
カージナルは思いっきり地面を叩いた。その風圧で押された小石はすべて地面に落ちていった。
カージナル「そしてこれでお前は終わりだ!!」
カージナルが剣をミックの腹に振りかざした。その瞬間、先ほど落とされた小石が全て起爆され振動で足元が不安定になった。
ミック「おっと、惜しかったな。シアンとかいう少年がこの場にいたらあんな馬鹿な行為はさせなかっただろうな。」
アイビー「カージナル!!さっきの爆破で建物が壊れて!後ろの爆弾に気を付けて!」
カージナルは間一髪のところでよけることができたが、ミックの投げた小石に気づくことができなかった。
ドーン!
アイビーの横に爆発で大怪我を負ったカージナルが飛んできた。
ミック「練度が、経験が、全てが足りてない。お前たちの指導者はさぞ無能だったんだろうな。」
ミックは辺りに大量の爆弾をばらまいていた。その爆発に巻き込まれまいとカージナルを担いだ。
アイビー「Rotation、鉄骨!!」
カージナルとアイビーを乗せた鉄骨は二人を安全な場所へ飛ばした。だが、ミックはそれを見逃さなかった。
ミック「ほれ、今回のは威力高めだ。」
アイビーの方に飛ばされた爆弾を止める手段はアイビーにはなかった。
アイビー「いやぁぁぁーーー!!」
シアン「Magnification、減速!」
ドーーン!!
減速された小石の爆風はアイビーにギリギリ届かなかった。
シアン「すまない、遅れた。」
シアンの吹き飛ばされたはずの右腕はすっかり元通りになっていた。
ミック(やはり優先すべきはヒーラー。イライラする、こんなところで時間くってられるか)
シアンは負傷したカージナルを見つけた。明らかにメイズの治療が必要だった。次に目の前の状況を見て驚いた。
シアン「なぁ、アイビー。ここにあった工事現場は?」
アイビー「全部、あいつに。」
辺りは真っ平だった。その中心にミックが立っているのがはっきり分かるほど。
シアン「一回引くぞ。それが賢明だ。」
シアンはカージナルを担ぎながら言った。
ミック「勿論行かせん、これで終わりだ。」
ミックの作る爆弾は時間をかけるほど威力が大きくなる。先ほどから戦っていた時はその猶予を与えないために接近戦を選んでいたのだが、今回ばかしは時間を与えすぎた。シアンはすぐさまそのことに気づいた。
シアン(やばい!俺の減速はばれてる。つまり、減速されても問題な威力の小石が今!そしてそれを作るのに必要な時間も与えた。どうにかしなければ、今!何か、何か方法を!思いつけ、俺!さもないと)
アイビー「Rotation、床。」
シアンの足場は下方向にしなっていた。次の瞬間、その足場が元通りになる力でシアンとカージナルはミックから離れる方向に飛んで行った、アイビーを置いて。
シアン「何を!何を考えてる!アイビー!!」
アイビーはシアンに笑顔でピースをしていた。
アイビー「だって。これしかないもん。」
シアン達とは反対にアイビーはミックの方向に飛ばされた。
アイビー「じゃん!けん!ちょき!!」
アイビーはミックが小石を投げようと振りかぶっている拳にちょきを出した。そして反対の手でミックに触れた。
ミック「は?」
ミックの爆弾を持っている手がボキボキと音を立てながら手が開き、気づけばパーを出していた。アイビーは笑顔で勝ち誇った。
アイビー「私の勝ちね。」
シアンは今まで見た爆発の中で二番目に大きいものを見た。しかし、その方向を見たいと思わなかった。それはアイビーの肉片を見たくなかったためか、はたまた助けに来たはずの自分が助けられている事実に目を向けたくなかったのか。
そんなことはどうでもよかった。
ただ、アイビーの勇姿に尊敬しかなかった。
シアンは通信機器を取り出し全員に訃報を届けた。
シアン「アイビーが、死んだ。ミックと道連れに。」




