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あの虹のように  作者: おわなん
最終章:出梅
27/43

27.詰将棋

ダルマのいる建物にはガラクタ兵は一体も残っていなかった。


兵士「流石だぜ!ハハッ!こんなガキどもの策略にはまるかっての。」


咆哮しているダルマは逃げているガラクタ兵を見つけた。それを犬のように追っていった。


兵士「おい!どこに行く!?そっちは…ウッ!」


残った兵士は何者かに次々に倒されていった。




シアンは通信機器を通して次の指令を出した。


シアン「最後の段階だ。要注意の3人を排除する。各自配置に。Magnification、加速解除。」


そんなシアンの頭を狙うものがある建物の屋上にいた。


コープ「まず一人。」


引き金を引こうとした瞬間、コープの勘が危ないと言って体をのけぞった。元々頭のあった場所には矢が飛んできた。よけたつもりだったがこの攻撃の本当の意味を察した。


コープ(狙いはこっちだったか)


コープがミックと連絡を取るための機器に突き刺さっていた。そして矢には「残念」と書いてある紙が括り付けてあった。


カメリア(その紙は教官のものよ。次は頭に当ててあげる)


同じく建物の高い場所に陣取っているカメリアにしてやられた。


カメリア「それにしても…」




ーーー作戦会議


カメリア「この要注意の三人はどう排除するつもりなの。」


数の有利をひっくり返してもこの問題が解決しなければ未来はない。


シアン「ミック、ダルマ、この二人はそれぞれ3人で戦う。そしてカメリア、お前は一人でコープと。」


カメリア「中々の押し付けね。策が尽きたのかしら?」


シアン「おっと、一人じゃ負けちゃうって言わなくていいのか?殺さなくていい、連絡手段を断って、足止めするだけ。まぁできるならやってもいいけど。」


カメリアは鼻で笑ってその場を立ち去った。


カメリア「そういうことなら、先に位置についとくね。」


クトル「あ!僕が索敵してコープの場所を教えるからね!覚えといて!」


カメリアは親指を立てて返事をした。


ーーー


カメリア「こんな雨じゃ、たばこ、吸えないや。」


火をつけず咥え、狙いを定めた。




どれほど移動しただろうか。ダルマはやっとガラクタ兵を捕まえ粉々に砕いた。次の獲物を探すように周りを見渡すと、建物の陰に誰かがいるのが見えた。


ダルマ「グォォォォ!!」


自動ドアが開くのを待たず突っ込んだ。そんなダルマを見た影の正体は笑みを浮かべた。


ヴィオレ「仇、取らせてもらうよ。」


自動ドアの両脇にクトル、サフランが隠れていた。二人は挟むように攻撃をくらわし、ダルマの体は鎖につながれて身動きがとりづらくなった。ダルマがひるんだところにヴィオレが会心の一撃を食らわせた。


サフラン(ヒュー、さすがナンバー2。男顔負けの威力だぜ)




ミックは止んだ矢の雨の中を移動していた。


ミック(とりあえずあの9人で一番の優先順位はあの女だ。あれを生かしておけば…)


ミックの近くにあった鉄骨がバットのように襲ってきた。もろに体にくらい、受け身を取った。


シアン「一人か?寂しそうだな、俺たちが遊んでやるから安心しろ。」


ミック「いいのか、遊ぶだけで。最も憎いだろ、この俺が。」


ミックが懐に隠した小石爆弾をシアンの方に投げた。しかし、その小石はまたも鉄骨に打ち返されミックのもとに戻ってきた。思わず声を上げ、急いでその場から避難した。


シアン(ここは工事現場、障害物になる鉄骨が山ほど。アイビーの祝福は触れたものしか曲げられない。しかし、ふれることさえできたらものの動かせる射程は無限。100階の建物も触れるだけで頂上のアンテナを曲げることができる。つまり、ここはあいつの不利なフィールド。)


カージナルがシアンの隣に移動してきた。


カージナル「覚悟は、決まったぜ。」


シアン(あいつの怖い武器はあの爆弾。しかし、近くで爆発されたら自分も無事じゃすまない。サポートはアイビーに任せて、俺たち二人がやることは一つ)


シアン「接近戦で決めるぞ!」


シアンとカージナルはミックの至近距離まで詰めた。シアンの思惑道理、ミックは接近戦を苦手をしていた。彼らの意表を突くため、至る場所に爆弾を投げたが全て弾かれる。


カージナル「今だ!」


シアンの拳はミックの目の前まで迫っていた。その瞬間地面が爆発し、ミックの足は吹き飛び、シアンはかろうじて攻撃を避けたが空中に弾き飛ばされた。


ミック「これぐらいの爆発なら。知ってるか、俺は再生もできるんだ。そしてその右腕、要注意だ。」


ミックが指を鳴らした。シアンの右腕の近くに浮き上がっていた小石爆弾が爆発した。


アイビー「シアンーーーーー!!」


右腕が吹き飛んだシアンは建物の陰に落ちて消えた。

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