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あの虹のように  作者: おわなん
最終章:出梅
26/43

26.RainBow

雨は次第に強くなり、空に浮かぶかけた月を隠していた。明かりが少ない中、準備をする二人がいた。


アイビー「はやくしてよぉ。もうちょっとで時間だよ。」


ヴィオレ「これには集中力がいるの。一円玉を立てるような感覚。あなたならどうする?勿論、大切なのはチルよ、チル!」


ヴィオレは建物の中でガラクタの兵を作って、ガラクタ兵に魂が乗り移るように、自分の意志で動き出さないように調整しながら準備していた。


ヴィオレ「…っちょと、これでよし!」


魂になったサラリーマンは薄れた意識の中、目を覚ました。体全体がフワフワする、死んでいることは知っていた。おぼろげな視界にヴィオレのお尻のポケットに入っているバキバキのスマホが見えた。


ガタッ!


アイビー「ヴィオレ、あれ動いたよ。やり直しね。」


ヴィオレは壊れたスマホを取り出し、ガラクタに話しかけた。


ヴィオレ「良かった、ギリ電源つくよ。あなたに返すね。」


そのスマホをガラクタの一部に上手いように挟んだ。闇に包まれた室内の中で唯一光を放つ画面には3人の家族写真が写っていた。


アイビー「Rotation、ワイヤー。」


ヴィオレはアイビーに捕まり、アイビーは建物の屋上に括り付けたワイヤーを祝福で回転させ、移動した。


その様子を見ていたシアンは作戦決行の合図を電子機器を通し、合図した。


シアン「始めるぞ。Magnification、加速。」




ーーー作戦会議


シアン「まずは数の不利をどうにかしないとな。」


ヴィオレ「そんな広域攻撃できる人なんていないよ。」


全員は頭を悩ませていた。シアンは作戦よりも自分の「原点」の方が頭を巡っていた。


俺の「原点」…


シアン「何も一人でやることじゃないだろ?ここには9人いる。全員の祝福を組み合わせるんだ。個々の祝福がばれてても組み合わせればやりようは無限だ。

俺にいい案がある。

まず、クトルが雨を降らせる。もちろん、これで索敵することはバレてる。しかし、雨の目的は索敵だけじゃない。俺がその雨を加速させる、するとどうなるか。雨は弓に放たれた矢ように降り注ぐ、場所を問わずな。せっかくだから名前を付けてあげよう。」


ーーー


シアンは空に向け、両腕を広げ降り注ぐ武器を眺めながら呟いた。


シアン「Rain Bow作戦。」




兵士たちはその異変にすぐ気づくことになった。


バスッ


ひとりひとり体を貫き倒れていく。


兵士「クソ!逃げ場はないのか!?」


兵士「こっちだ!建物の中なら安置だ!!」


次々と建物の中に避難していく様子を見て、シアンは微笑んでいた。


シアン「次の段階だ、クトル、ヴィオレ。」


ヴィオレは屋上で待機しているクトルに向かって走っていた。クトルはバレーのレシーブの様に構えていた。


ヴィオレ「着地の時も頼んだよ!」


クトルの交差している手に足をのっけた。


クトル「Ranger、上昇気流!」


ヴィオレは空高く、雨雲に届きそうなくらい飛び上がった。


ヴィオレ「フフッ、絶景、ね。」


ーーー作戦会議


サフラン「どうして俺たち以外の場所だけ矢の雨を降らせないようにするんだ?なんでわざと安置なんかを作るように。」


シアン「そんなことしたら「俺たちはここで高みの見物してますよぉ。」って言ってるようなもんだ。それに、安置なんか作らせないさ。俺たちの場所が察されないよう、他の建物にも降らさん。これは全滅させる作戦じゃなく、数を減らす作戦だ。室内にいる奴らはRainBowに飛び込むよう罠を置くんだよ。」


カメリア「中から外に出す作業は、まさか私たちの仕事じゃないよね?」


シアン「もちろん、敵の巣に飛び込ませやしないさ。それに俺たちじゃない。あいつらを死ぬほど憎んでいる奴が。」


ヴィオレ「生存者すら私たちしかいないのに、そんな人どこにも…、あ。」


シアン「魂がいるだろ、あいつらが殺した罪のない魂が山ほど。協力するんだ。あいつらの敵は俺らだけじゃないって。罪の重さをその身に受けさせるんだ。」


ーーー


ヴィオレは力んで構えた。


ヴィオレ「Lich!拘束解除!!」




兵士「な、なんだ。ガラクタが動き出し、ウオッ!」


ガラクタにタックルをくらい、矢の雨へと消えていった。


兵士「やめろ!!こんなやつらに!こんなところで!」


ここでも物と人がぶつかり合っていた。


サラリーマン(お前らに奪われた自由、お前たちが奪った命!そして俺たちが残していった生きる者たち!俺にも妻と子供が…。お前たちが奪った価値を!その身で償え!!)


あるガラクタとある兵士がともに矢の海へ飛び込んだ。まず、ガラクタの体を貫き、兵士を貫いた。返り血、吐血で前が見えなくなった。壊れたスマホも穴だらけ、血だらけで画面を確認することはもうできない。だが、これでよかったのだ。




叫び声、物と人がぶつかり合う音、爆発音と化け物が暴れる音、様々な音が混ざっていた。


その様子をシアンと額に手を置き、あたりを眺めるカージナルが屋上にいた。


カージナル「さすがに、ミックとダルマは殺れんか。」


シアン「だが、これで、数の有利は覆った。」

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