21.長期休暇
寒い季節が過ぎ、ピンクに色づく季節も過ぎようとしていたころ、プーリムは教え子を連れ、見知らぬ都市に来ていた。またもや依頼関係であった。だが今回の依頼は少し違った。プーリムは全員を集めてこう言った。
プーリム「今回の依頼はこの都市のパトロールだ。しかし今回は今までとは違う。血生臭くも雑用でもない。いうなれば休暇だ。パトロールといっても警官の服を着て街をうろつくのではなく、私服警官だ!お前たちには二週間この街で休暇を謳歌してもらう。以上!」
クトル「え?」
アイビー「やったー!!メイズ!ショッピング行こ!今すぐ!」
ヴィオレ「あ、あたしも行っていい?」
一瞬にして全員がこの場からいなくなった。
プーリム(全員行動力の鬼だな。まぁいい、これはお前たちへのご褒美のようなものだ。下界ではこうでもしなくては休暇はとれん。さて俺も最後の大詰めだ)
それから数日後、クトルはシアンに連れられある場所に連れていかれた。
クトル「ここは?」
シアン「いわば闘技場だ。これを見るためにお前を連れて来た。」
クトル「僕いらないんじゃないの?」
シアン「いいや、必要だ。後で話す。今は一旦試合を見るぞ。観て研究、そして自分に落とし込む!」
クトル(やっぱりシアン君、努力家だね)
クトルはすぐ向こうに見覚えのある人がいるのを見つけた。
クトル「シアン君、あれって?」
シアン「え?教官?」
3人は横並びで席に座り一緒に観戦することになった。
クトル「今回の目玉って誰なの?」
シアン「そりゃ、OPの3人だろ。」
クトル「誰?それ。」
プーリム「まじか、田舎者すぎるだろ。」
シアン「いいぜ、解説してやる。「地球」って星からやってきた外部のやつらだ。弱いやつ順に解説してやる。まずあそこにいる強面の人、OPの一人。あ、OPっていうのはOverPowerの略だ。つまり強すぎるってこと。
話を戻すがあいつの名はランド。祝福はBreak、なんでも破壊できる。強いって割にはシンプルだなって思ったか?あいつは覚醒している。相手の祝福に干渉できる、つまり相手の祝福を破壊できる。破壊された祝福は元には戻せない、あいつは破壊するだけだからな。
二人目、ヘルメットみたいな機械の仮面付けてるスカイって言う女だ。基本腰にある刀を使って戦う。あいつの祝福は2つ、しかし覚醒はなし。Ice、そのままの意味で、氷作れるくらいだ。機動力確保のためと刀の生成に使ってるが、最近はあまりメインで使ってないようだ。もう一つの祝福はTime。時間を操れる。複雑だができることを一つひとつ教えるぞ。時計の針があるだろ?その針を止める。それがTimeのできることの一つ。その間やりたい放題だが、自分と装備品以外は静止しているから刃は通らない。じゃあどうするか。」
シアンはクトルの首元に手を置いた。
シアン「寸止めだ。そして解除し、そのまま振り抜く。それを繰り返す。俺らから見たら瞬間移動してるようなもんだ。ほら、あんな感じで。」
クトルはスカイの動きを目で追ったが理解ができなかった。
シアン「Timeのできること、もう一つは空間によるものだ。例えば、50m走をしてるとしよう。お前は今、10m地点にいる。0.1秒前にそこには何があった?」
クトル「え?何も…。」
シアン「そう何もない。お前の心臓部分の空間を0.1秒、時を戻したらぽっかり穴が開く。防御不可能、お手上げだな。
最後、あのガタイのいいイケメン。オーシン。彼は俺が知っている人間の中で最強だ。彼の祝福も2つ。当たり前のように覚醒している。まず覚醒してないほうの祝福、Exit。どことつながっているかわからない穴を作る。そこからエネルギー砲や悪魔の手を出したりする。どこからでも出せるからいつ何時も油断のできない攻撃だ。それとこの祝福をうまく使えば短距離をワープできるそうだ。そして覚醒した祝福、Vector。能力自体はものの軌道を変えるカス能力だな。しかし、覚醒したことであらゆるものを曲げれるようになった、とんでもないものまでも。彼は人々の意思を曲げることができる。攻撃をしよう、そう思ったら次の瞬間、棒立ちしてるんだ。攻撃をするという意思を曲げられ、何をするつもりだったかわからなくなるんだ。どうやらVectorは誰かから授かったとの噂だが、そこまではさすがの俺でも知らん。紹介は以上だ。」
クトル「ありがとう。聞いてるだけでも勝てるビジョンが浮かばなかったよ。」
シアン「そりゃそうだ。なんなら祝福を使わなくとも俺らには勝てるだろうさ。」
クトル「もしかして教官も!?」
シアン「当たり前だ。」
プーリム「いや!ないね!最悪でも接戦だ。」
シアンとプーリムはしばらく言い合っていたがしばらくしたらお互い飽きたようだ。
クトルたちは試合を一通り観戦した。すると、シアンが立ち上がって言った。
シアン「よし!クトル、OPの三人に会いに行くぞ!」
クトル「へ?先生、シアン君を止めてよぉ。」
プーリムはニヤリと笑みを浮かべシアンを見た。
プーリム「あいにく、俺もそうするつもりだ。」




