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あの虹のように  作者: おわなん
二章:慈雨
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13.授与

アムス「お前、ボコボコにされたんだってな!」


シアンに見ず知らずの男が話しかけてきた。


シアン「「リンゴ組」のやつか?まさか、3週間前の遠征について喋ってんのか?」


肌寒さを感じられる季節が近づいてきた一方、こっちでは熱くなっていた。


アムス「そんなこと言って、まだ包帯取れてないだろ?情けないなぁ。しかもただの猛獣に。俺なんかまだ擦り傷ひとつつけたことないからな。」


シアン「外出てないだけだろ、井の中の蛙。」


クトル「ちょっと、シアン君やめようよぉ。それ以上挑発したら喧嘩始まっちゃうよ。僕にこの人の処理させるのはなしだからね!」


シアン「お前火に油を注いでるぞ。ほら。」


アムスがクトルに飛びかかっていた。

クトルはシアンに突き飛ばされ、シアンはアムスに反撃した。しかし、それはバリアのようなものに阻まれた。


シアン「はぁ?お前空飛べるだけの祝福だったろ?なんで、」


アムス「つまり俺の下の段階にいるってわけだ!!」




プーリム「で、アムスを全治一週間にしたと?」


シアン「俺は喧嘩したんじゃなくて守ったんだ。油注いだコイツが悪いだろ。」


プーリム「はぁ、やりすぎだ。リンゴ組の教官、うるさいんだからな?」


シアンはプーリムに叱られていた。


シアン「それより、」


プーリム「それより、じゃない。」


シアン「おいおい、隠し事しといてそれはないぜ。「授与」ってなんだ。」


「授与」、それはこの「下界」でのみ起こり、祝福と同様に説明のできない力である。この地で教官となったものは「授与」の証を与えられる。それを持っているものに指導されたものは祝福のようなもう一つの能力、「授与」が与えられる。

例を挙げると、先ほどのアムス。彼はリンゴ組の教官からバリアを張れる「授与」を与えられたのだ。

この強大な能力を今日までプーリムは隠していたのだ。


プーリム「隠していたことは済まなかった。教えてやろう、俺の「授与」は。」


ひと時の静寂が流れた。


シアン「ゴクリ。」


プーリム「与え方分からん。」


シアン「おま、教官、いいんですかそれで。」


プーリム「仕方ないだろ、一年目なんだから。ふむ、でも俺らの組だけ何もないのも他組から馬鹿にされるのもいたたまれない。明日だ。明日を楽しみにしておけ。」




明日、プーリムは大きな段ボールに何かを入れて持ってきた。


プーリム「お前たちに「授与」について黙っていたことを謝罪する。ただ、俺は授与の上げ方分かんないから代わりと言っては何だが。」


段ボールをひっくり返した。様々なデザインのマントが出てきた。


プーリム「俺は勲章をとりすぎて新しい勲章を作らないと追いつかないくらいだったんだ。だから、勲章の代わりにこのマントをくれた。まぁ俺一人しかいないから、そう何個も配られても意味ないがな。上が無能なんだよ。

この中から一つ選べ!これが俺の「授与」だ!」


全員乗り気ではなかったが貰えるものは貰っておこうと、渋々選んだ。


クトル「そんな肩掛けみたいなのでいいの?すこしふわふわしててかわいいけど。」


シアン「主張が少ないやつがいいんだ。お前のは、うわ、こてこてすぎるだろ。」


クトル「かっこいいでしょぉ。」


今後外で活動する際は必ずつけてもらうと言われたシアンは嫌そうな顔をした。

全員がマントを選び終えて席に着くとまたプーリムは話し始めた。


プーリム「それと、今後決めごとを増やす。それは軍隊でよく使われる「報連相」の一部だ。

味方になんの祝福のどの能力を使うのか報告する、ってことをしてもらう。

例えば俺なら、「Paper、メモ。」みたいにな。

ただ殴る蹴るみたいな動作の時とか、敵に聞かれそうな場合はいらん。あくまで味方と連携をとるためだ。

あ、変な技名つけるなよ。誰が聞いても一発で分かるような言葉でよろしくな。こんなところでかっこよくなろうとするなよ、青二才どもめ。」


そろそろプーリムの余計な一言に慣れてきた一同の次なるタスクは初めての人殺しであった。

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