may-get-two
ずっとずっと夢に見ていたんだ
芒の原で見上げた あの日の朧月を
くず折れて 金色に沈み行く視界に
灰色の鱗を煌めかせて 昇る風
すれ違って 行き違って
交互に重なって
出来上がったものは
積み上げられた粗い格子模様
二つの線の隙間を縫って さらり通り抜ける
交わりたかったわけじゃないんだ
同じ道を 同じ高さで
進みたかっただけなのに
見上げた瞳に写る 宵の新月
鳴いて 鳴いて
音にならなくても
鳴いて 鳴いて
意味を見出だせなくても
吸っては吐くだけの反復動作に代えて
ただ声を上げるよ
さざめく金穂に
かき消されてしまった想いを
震わせて震わせて 言葉に変えるよ
ずっとずっと夢を見ていたんだ
何もない地平に 影だけが漂う
気まぐれな風が 一片の鱗を剥がして
一筋 二筋 垣間見えた光
追い縋って 手を伸ばして
指先を掠めた
握り締めたものは
欠けてこぼれ落ちた 淡い氷のよう
ゆるり融けて熱を浚って 地を潤して
芽吹く何かは どんな色だろうな
同じ時を 同じ速さで
進みたかっただけなのに
立ち止まり俯く 照らす猫目月
満ちて 欠けて
繰り返し 繰り返し
何度欠けても
また満ちて 満たされて
満ちて 干いて
繰り返し 繰り返す
何度満ちても
また乾いて 渇いて
泣いて 泣いて
声にならなくても
泣いて 泣いて
灯り見出だせなくても
舞い上がる綿毛が 夜空に寄り添うまで
ただ かき分けて 真っ直ぐに走るよ
寄せては返す穂波に 鱗雲が応えて
震わせて震わせて 月明かりに還るよ
くず折れて 灰色に沈み行く視界に
黄金色の尾花が 優しく頬を撫でる
澄み渡る夜に 白い月とおやすみ
いや、なんというか、見てくださる方がいらっしゃると思っていなかったので、ページ開いて頂いたり、ブクマや評価までして頂いていて、なんとお礼申し上げたら良いのやら…。
いつも、チラシ裏に書き散らかしては掃き捨てていたのですが、新聞を取るのも止め、スマホに書き捨てても消すタイミングが掴めず、どこに供養したら良いものかと試行錯誤している内に辿り着いたのがこの方法でして。
愚痴の延長のような言葉遊びにお付き合い頂いて恐縮なのですが、投稿してみて良かったなぁと、噛み締めております。
飽きっぽい性格ではあるので、どこまで更新出来るか分かりませんが、何かの暇潰しにお役立て頂けたら幸いでございます。
見付けてくれて、ありがとう。