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Pretend dead a man(二話読み切りver.)  作者: 週刊「プリテンダー」 広報部門
2/2

後編

「モート・グリーン。53歳。…ご臨終です」



医師からの宣告を受け、モートが「死んだふり」ではなく、本当に死んでいる事が明らかになった。




ここでスタッフが他の出場者にも知らせようと、控え室を訪ねる。



「失礼します。」



コンコン、とノックを鳴らし控え室のドアを開けるスタッフ。



「只今、緊急事態でして…一回戦の出場者であるモート・グリーン様が死亡致しました。舞台の幕が上がった時には既に死んでいたと予想されており………あの、起きていらっしゃいますか?」



スタッフが出場者の体を揺する。しかし反応がない。



「あの、あの!」












第8回 「世界死んだふり選手権(英訳:Pretend dead world championship)」



クォーターファイナル出場者:16名(うち死亡者15名)


生存者:紺野 セイン


死亡者:多数






セインにとってだけではなく、「プリ選」関係者全てにとって後味の悪い結果で今年のプリ選は幕を閉じた。


セインは終始「訳がわからない」といった表情だったが──それもつかの間、実際にプリ選出場者の死を間近で見た重要参考人として身柄を送検される事となった。

















「『プリ選』で死亡者が出たそうですが何かご意見御座いませんか!?」


「今回の事件、『プリ選界の伝説』が絡んでいるとの噂ですが真相はどうなのでしょうか!?」


「来年の『プリ選』の開催予定はありますか!?」







場面は変わり、マスメディアのインタビューを受けるプリ選関係者。


いくら知名度が低いとはいえプリ選も無名ではなく、当然一部の層には人気がある。何でも、「死んだふりをする」という物騒さが人気を引き立てているようで、マスメディアにもそれは例外ではなかった。



「『プリ選』の次期開催については未定とさせていただきます。死亡者については随時調査中です。」



プリ選関係者はあくまで淡々とこのように答え、マスメディアを煙に巻く。









──「本当に悩まされるよ。出場者のうち一人除き全員死ぬなんて」


「呪いじゃないのか?こんな物騒なものを競技になんてしたから」


「呪いだとしたら、何故今までは誰も死ななかったんだ?冗談も大概にしろよ、ははは!」


「…なんだと?てめぇ…」


「あ?事実を言ったまでだろ。何をカッカしてるんだ馬鹿馬鹿しい。それによ、こんな下らねぇ事で争ってる間にも紺野セインはサツに根も葉もない話をあれこれ聞かされてんだぜ?同情するわ…」


「おいおい、創司はま〜だ紺野セインが『無実』だと思ってんのか?あの場で紺野セイン以外誰が殺したってんだ。一番近くに居たんだぜ?」


「いやー、勘だけどな。俺も。」


「カン?」


「ああ、だが…普段、あいつは『死んだふり』に命は賭けていたが、逆に言えばそれ以外には賭けてないのさ。一途な男は、『偽物の死』にゾッコン。本物の死なんて興味がない。…とまあ、俺の推論だがね──」
















紺野セイン。世界死んだふり選手権こと、「Pretend dead world championship」──通称「プリ選」にて奇跡とも呼べる五連覇を果たし、『プリ選界の伝説』と呼ばれた男────




この男が、モート・グリーン他『プリ選』出場者の死の謎を解くために動くのは、もう少し先のお話────

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