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雪の結晶

ひとつ、足を踏み出し

ふたつ、踵を鳴らす


高らかに鳴り響くヒールの音。


広いホールの高い天井に反響する。

デキャンタに注がれたワインのように、空気を含んで馥郁として広がる。


磨かれた大理石の上に敷かれた毛足の長い絨毯に、そっと次の1歩を乗せる。

靴底から伝わる柔らかさは、慣れ親しんだものなのに踏み込んだステップは酷く懐かしい。

昔は何度も何度も繰り返したのに、この場所でやるのは初めてだなんて。


それでも



ああなんて



眩しいんだろうか

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