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転生魔法使いの愛のある生活  作者: チムチム
98/101

第98話

書けるときに書くwww

時は少し遡る。


マユの親父さんと別れた俺たちは一度他のメンバーと合流するためにガリアーノ将軍の船に集まっていた。


「マユ、良かったわね!ご家族が生きていらしたようで。」


シエラをはじめとして皆がマユに祝いの言葉をかけているのだが、マユの顔は浮かないようだ。


「うん、でも私には記憶がないから正直困惑してる。でもね、あの人を見てるとなんだかあったかい気持ちになるからそういうことなんだと思う。」


マユにしてみれば今日初めて会った人がいきなり父親だと言っても信じられないのは無理もないだろう。でも、身体的な特徴、胸にあるホクロのことなんて家族や同性の友人以外で知ることの出来ないことを知っていたのだから、信じるに足りる情報だとは思う。だって俺だって知らなかったのだから。


せっかく集まったので皆と情報を共有しておくべきだろう。


まず、一つ目はフォレスト王国はハイドとミツキを受け入れるだけの土壌があること。マユの父親であるアルベルト騎士団長が王家を支持していることからもそれは窺いしれる。また、ナナの国、アストラムにいるベルデ一行がハイドとミツキを護衛していたことからも随分と慕われた王家だったことがわかる。魔人を排除しハイドとミツキを連れて行けば、王家の復活はなされるだろう。


二つ目は魔人たちが王国を滅ぼしたわけでなく乗っ取っているという事実。王国では獣人が生活しており、それを騎士団が守っているのが日常のようだし、騎士団が残されているのも不可解であるが、機能しているように思える。


三つ目は、二つ目の事実から生まれた疑問であるが、ミハエルの存在だ。奴は俺に「王都は壊滅し魔人しか住んでいない」と報告をしている。明らかにおかしい。騎士団は魔人から住民を守っている。そこに住むのは獣人であり、報告とは真逆の答えだ。ミハエルが裏切ったのか?はたまたそう報告させられただけなのか?裏切らないように厳重に準備をして送り出したのだが、それを解除されたということなのか?


そして4つ目は霊獣と大罪の関係だ。悪魔王ミコーレ・レジデンスをブラックホールで吸い込んだら『傲慢』という大罪の名を持つカースという呪いをかけられた。それが霊獣4体とヘルシャフトの王と宰相、合わせて6つの大罪が残されている。これを撃破するたびに呪いを受けていたらたまったものではない。これについてはオーロラに対策があるとのことなのでそれに期待しよう。

いずれにしてもなぜこの大罪の名を持つ呪いを霊獣という巨大な存在に対して行使することができたのか?今の所俺が『傲慢』の所持者となっていることから、霊獣が俺と同じように呪いを持った相手をたまたま倒してしまい、それぞれが大罪の所持者となってしまったのだろうか?偶然なのか意図的なのか?霊獣は操られていると言っていたが、大罪を持っている相手を縛るような者ではないのか?それとも俺もいつか操られてしまうのか?謎は深まるばかりだが、早めにこの呪いから解放されておいた方が良いだろう。


そして最後にヘルシャフトの目的はなんなのか?ということだ。住民を滅ぼすことなく乗っ取り不都合はあるだろうが、生活できている。王家とそれに連なるものは害されたが、住民は騎士団に守られて諸外国にも滅んだと思わせていなかった。正直ハイドとミツキのことがなければ、俺はおそらく関わることなく、気付くことすらなかっただろう。



「でもこうやって話をまとめていくと不可解なことばかりよね。本当に何がしたいんだろう?」


ナナのこの言葉がこの場にいる全ての意見を代弁していた。





「とりあえず出来ることから片付けていくしかないだろう。オーロラ、カースを取り除くのってすぐ出来るのか?」


「準備してあるから大丈夫よ。みんなも大丈夫よね?」


オーロラの言葉にマユ、シエラ、フィーネ、アクアリス、マキがうなづく。


「あれ?そんなに大人数でやるものなのか?でもナナやメイサは手伝ってくれないのか?」


返事をしたのが5人、しかも全員女性陣、俺を慕ってくれているメンバーだ。だが、同じく慕ってくれているメイサやミツキ、まあ、メイサは魔力がないし、ミツキは子供だし、ナナはムラトが好きだし、なんだ、俺を慕ってくれているメンバーで魔力がある面子ってことか。


「ふふふん、私がいてよかったわね!女神だった私がいなかったらハルキくんのカースは消えなかったかもしれないんだから。しかも奇跡的に全属性の処女でなおかつあなたのことが好きな人が集まってるのよ。これはものすごい奇跡的なことなのよ。」


オーロラがドヤ顔でない胸を張っている。まあ、毎度恒例のような気もするが、その姿に癒される部分もあるから良しとしておくか。


ふと他のメンバーを見るとみんな顔を赤くして下を向いてしまっている。


「なあ、マユ、なんで赤くなってるんだ?」


「赤くなんてなってないよ!(もうオーロラ先生のバカ!ハルキくんの前で処女とか大声で言わないでよね!)」


小声で何か言ってオーロラの方を睨んでいたが、聞かなかったことにしよう。可愛かったので脳内保存はさせてもらうけど。


「じゃあ早速やっちゃおう!みんなちょっとだけ髪を切らせてね!」


そう言ってオーロラは風魔法を使って自分の髪を切ると、次々に他のメンバーの髪を切って集めていく。何が始まるのかとワクワクしているとオーロラが俺の目の前に頬を染めながら近づいてきた。


「みんな、先に謝っておくね!ごめんね!」


そう言って彼女は俺の首に両腕を巻きつけ俺の唇を奪った。そして、舌が口内に伸びてくる。俺は驚いて振りほどこうとするが解けない、身体強化や魔法を使えば引きはがせるのだろうが、頭では理解していても体が動かない。次第に俺は彼女を抱きしめ貪るように彼女を求める。


「んんっ、あはっ、んんっ!」


オーロラの行動に唖然とする者、悔しそうに涙目でこちらを見る者、怒り心頭といった表情をする者、といった様々な表情を見せていたが、次第に俺とオーロラの姿に目が離せなくなっていく。


「なんだか2人が光って見えてきた。これって錯覚?それとも・・・」


マユの言葉に皆が納得してしまうのは当たり前だ。俺でさえ目の前のオーロラの輝きに眼を奪われているのだから。


「ハルキくん、ありがと。」


首筋にまわした腕をほどきオーロラが上目遣いでこちらを見上げる。彼女の表情を見ようとするが、眩しすぎてうまく見ることができない。


「みんな、改めてゴメンね!力を取り戻すためにハルキくんに私のことをもっと想って欲しかったんだ。抜け駆けしたみたいになっちゃったけど、あとでハルキくんにみんなもおねだりしてね!いいよね?ハルキくん?」


無茶振りに動揺するが、やぶさかではない。泣いているマユの顔を見るのは心が痛むが、事情が事情だけに怒ったりもできないようだ。実際、これだけオーロラが光っているのだから彼女の言葉に嘘はなかったのだろう。そして、俺はオーロラが好きだということも実感してしまった。


「さあ、みんな!ここからはみんなの力が必要なの。私を恨んでもいいからハルキくんのことは許してあげてね!出ないと失敗しちゃうかもしれないからさ。」


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